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2009.04.08

国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア

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渋谷のBunkamuraで行なわれている‘国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア’(4/4~6/7)を楽しんだ。お目当ては上のクラムスコイ作、‘忘れえぬ女。この絵を知ったのは1985年の朝日新聞の日曜版‘世界 名画の旅’。以来いつかお目にかかりたいと願ってきたが、漸く本物をみることができた。

10年前、モスクワを旅行したとき、ガイドつきでトレチャコフ美に入館したのだが、レーピンの大作‘クースルの十字行’などは覚えているのにこの絵の記憶がない。図版で目に焼き付けた絵を見て忘れることはないから、ガイドが時間の関係でこれをパスしたのか、あるいは展示してなかったのかもしれない。

その絵の前に立っているのである。最接近してみると、この美しい女性の目がうるんでいる。この涙の原因は?黒い帽子にさされた白い羽根飾りと真珠の玉が色白の顔を引き立て、霧につつまれたような薄明りの背景がこの気品のある女性を浮かび上がらせている。想像してた以上のすばらしい肖像画だった。即My好きな女性画に登録した。

出品作は75点。画家の顔ぶれをみると、2年前、東京都美で開催された‘国立ロシア美術館展’(拙ブログ07/5/22)のパート2を鑑賞している感じ。ロシア絵画のリアリズムを見て、思い出すのがBunkamuraであった‘ミレー3大名画展ーヨーロッパ自然主義の画家たち’(03年)。

この3つの展覧会を体験すると、クールベやミレーやルパージュらが描く緻密で写実的な絵がベルギー、東欧、北欧、ロシアの画家たちに大きな影響を与えたことがよくわかる。また、彼らはリアリズムだけでなく筆触分割により対象の輪郭線を消し、明るい色彩で描いた印象派の表現方法も取り入れる。真ん中はモネやルノワールの家族画を彷彿とさせるレーピンの‘レーピン夫人と子供たち’。

ロシア美同様、肖像画にいいのが沢山ある。クラムスコイは‘忘れえぬ女’、‘画家シーシキン’、‘自画像’。一番多い7点のレーピンでは‘ピアニスト、ゾフィー・メンター’と‘コンスタンチン・コンスタンチーノヴィチ大公’に大変魅せられた。

写真のような緻密な描写と明るい色彩で描かれた風景画はロシア美で体験済みだから、今回はじっくり味わった。お気に入りはシーシキン、ポレーノフ、レヴィタン。下はポレーノフの‘モシクワの中庭’。

この絵はロシア美でも見たが?!ポレーノフはこの絵のヴァージョンをいくつも描いており、トレチャコフ美、ロシア美のものは制作時期が異なるだけで作品自体はほとんど同じ。白い雲の浮かぶ澄んだ青い空を背景に大聖堂や茶色の家が描かれ、画面いっぱいに広がるやわらかい陽光のさす緑の草が目に心地いい。

長年の夢だった‘忘れえぬ女’と対面できたので言うことなし。高揚した気分で館を後にした。

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コメント

こんばんわ
私もこの展覧会を観て大感激してきました。私も何度かロシア美術展を観てきましたがここまで良いとは予想以上でした。忘れえぬ女は本当に魅力的ですよね。他にも素晴らしい絵画ばかりで目移りしちゃいました^^;
これだけのコレクションのある美術館に実際に行かれているとはうらやましい限りです。

またTB入れさせていただきました。よろしくお願いします。

投稿: 21世紀のxxx者 | 2009.04.09 01:23

to 21世紀の×××者さん
永いこと待っていた‘忘れえぬ女’とやっと対面
できました。本当にいい絵でしばらく見てました。
次のターゲットはロシア美にあるレーピンの
‘ヴォルガの舟曳き’です。これが見れたら最高
なのですが。

投稿: いづつや | 2009.04.09 23:23

忘れえぬ女、帽子の飾り物が印象に残りました。
原題の見知らぬ女にしろ、ミステリアスな題名ですね。

投稿: 一村雨 | 2009.04.12 09:22

「ヴォルガの舟曳き」って気になったので調べてみました。
確かに素晴らしい絵ですね。 ロシア美術もまだまだ観ないといけない作品は多そうです(><)

投稿: 21世紀のxxx者 | 2009.04.12 14:10

to 一村雨さん
‘忘れえぬ女’は過去一度日本に来ているようです。
いつ頃かは?ですが、その展覧会でこの名がついた
そうです。日本人好みの命名ですね。

やっと会え、幸せな気分になってます。

投稿: いづつや | 2009.04.12 17:49

to 21世紀の×××者さん
大作‘ヴォルガの舟曳き’はロシア絵画の代名詞
のような作品ですね。なんとしても見たいです。

投稿: いづつや | 2009.04.12 17:53

1975年‘ヴォルガの舟曳き’
1976年‘忘れえぬ女’
1977年‘第九の怒涛’
「ロシア・ソビエト国宝展」、「ロシア美術館名作展」といった名称で行われた展覧会でこれらの作品を見ました。
当時はまだ、デパートでこうした展覧会ができた時代だったのです。私は生意気にも、16歳でした。
そのときの図録を今でも持っています。
その後、20歳の時にお茶の水だったかに短期間設置された「東京美術館?」に三点が同時に展示され、私にとっての「忘れえぬ女」と一緒に見に行きました。
今回の‘忘れえぬ女’は私にとっては三度目の対面になります。
今はもう、かの「忘れえぬ女」は傍らにいませんが、‘忘れえぬ女’は変わらぬ妖しい微笑みをもって私を迎えてくれました。
芸術の持つ不思議ではありますが、自分が何だか浦島になったような感覚を覚えました。

投稿: のぶ | 2009.05.09 00:31

to のぶさん
‘忘れえぬ女’が日本にやってきたのは3度目で
したか!、そして‘ヴォルガの舟曳き’も2度展示
されてたのですね。知りませんでした。

絵画も音楽同様、それを見たときの状況が以後
ずっと体のなかに残りますね。時間が経つと懐かし
い思い出が蘇るとともに、絵の美しさにまた感激
ですね。いいお話を聞かせていただきました。

投稿: いづつや | 2009.05.09 09:58

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