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2009.04.30

府中市美術館の山水に遊ぶ展(後期)

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府中市美術館は京王線の東府中駅に着いてからが気が重い。美術館行きのバスは一時間に2本しかない。今月のはじめに行ったときは運よくすぐきたが、今日は5分前に出発していた。

どうでもいいことだが、美術館をぐるぐるまわっているとき、JR、私鉄、地下鉄、バスの乗継がやけにスムーズにいく日とそうでない日がある。不思議な経験則なのだが、今日もこれが当たっており、一日中待つことが多かった。

20分歩いて館に着くと、すぐ帰りのバスの時間をチェックして、30分で‘山水に遊ぶ―江戸絵画に風景250年’(後期B:4/28~5/10)を見た。重点鑑賞の作品は出品リストに○がつけてあるから、このくらいの時間でもOK。

上は再会を楽しみにしていた曾我蕭白作、‘月夜山水図屏風’(重文、近江神宮)。前期展示の‘松鶴山水図’(拙ブログ4/5)や‘山水図押絵貼屏風’(京博)同様、夢中になって見た。蕭白の山水画で見ごたえのあるのが3点ある。この‘月夜山水’と前期の京博蔵、そしてボストン美にある‘楼閣山水図屏風’。これは左隻のほうで、中央の険しい山に立つ寺の右には月、左には滝がみえる。

雪舟の流れをくむ山水では岩や山の峻険さは斧で割ったような岩肌であらわすのが普通だが、蕭白は鋭角的に表現するだけでなく、もっこりしたまるみのある山も描きこんでいる。このあたりが並の絵師とはちがうところ。また、彩色がお得意の蕭白だから、東屋とか塔の手すり、寺の囲い、橋の欄干、木々などに鮮やかな朱を施している。細部までじっくりみると興味が尽きず、これほど画面に惹きこまれる山水画はほかにない。

長澤芦雪の真ん中の‘蓬莱山図’と‘赤壁図’も足がとまる絵。‘蓬莱山’は一度京博でみたことがある。目が必死に追かっけるのは砂州の松並木。逆Y字のように配置されており、その先に蓬莱山がある。蓬莱宮に向って右から鶴が仙人を乗せて飛んでいる。鶴とくれば亀。海から上がってきた亀は右の松の下から隊列を組んで蓬莱山のほうへ進んでいる。‘赤壁図’は上から大きな岩が落ちてくるような圧迫感がいい。映画‘レッドクリフⅡ’に対するテンションがあがってきた。

円山応挙の‘海上竜巻図’をみて、ふと思い出したことがある。ここに描かれた竜はこちらに後ろ頭をみせ、ロケットが打ちあげられるみたいに上昇している。横山大観作、‘生々流転’の最後の画面で昇天する竜の姿はこれと同じ。大観は応挙のこの絵を見たのだろうか?

下は前期も楽しんだ司馬江漢の‘馬入川富士遠望図’。右手前に一羽のセキレイを大きく描く構成が頭から離れないだけでなく、こういう目の前の風景が遠くのほうまで広がっていく絵はその場に自分がいるような感じがして爽快な気持ちになる。

今回の料金は有難いことに300円だった。府中市美に感謝々。

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