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2009.04.23

醍醐寺霊宝館 春期特別公開

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京博の妙心展を見終わったあと向かったのが醍醐寺。ここの霊宝館に追っかけの国宝‘文殊渡海図’(上の画像、拙ブログ2/18)が展示されているのである。春期の特別公開(3/25~5/6)をHPでチェックし、もしや‘文殊’がでているかも?とTelすると運よく展示中とのこと。ほかの作品についての情報はないが、目的の絵が見れるのだからわくわく気分で入館した。

以前訪問した際購入した図録には国宝や重文が沢山載っているから、春と秋の特別公開は美術館が主催するPRは立派だが内容がともなわない出来の悪い企画展よりは確実に楽しめる。今回のテーマは‘聖宝が開き、秀吉が愛した醍醐の山’、絵画、彫刻、書籍、工芸が78点。このうち、国宝は11点ある。

やっと‘文殊渡海図’(鎌倉)に会えた!これまで図版ばかりみていたが、本物でないとわからないのがいくつかあった。一番のサプライズは凛々しい童子形の文殊が乗っている獅子の迫力ある姿。画面全体が暗いので単眼鏡を使わないとよくわからないが目が鋭く、たて髪や尻尾の線描はとても力強い。そして、文殊の裳には精緻な截金文様が施されている。

久し振りの鑑賞となったのが国宝‘五大尊像’(鎌倉)。1995年、奈良博で見て以来だから14年ぶりの対面。射すくめられる忿怒相と火炎の光背は前回同様、圧倒的な迫力!真ん中は‘不動明王’。右の合掌する童子の顔がちょっと悲しげなのに対し、左で金剛棒をもつ童子は不動明王よりも険しい目つきをしている。

ほかは‘降三世明王’、‘軍茶利明王’、‘大威徳明王’、‘金剛夜叉明王’。このなかで不気味なのが手が8本あり、蛇が首、腕、足、胴に巻きついている‘軍茶利’とドクロの飾りを身につけ水牛にまたがる顔6つ、手6本の‘大威徳’。蛇は苦手なのだが、こういうときはしっかり見れる。彫刻は国宝の‘薬師如来坐像’など前回見たものばかりだったので、さらっと見て離れた。

今回まったく想定外の絵があった。それは下の歌麿の浮世絵、‘太閤五妻洛東遊観之図’(1804)。これは前々から見たかった絵。東博の平常展に出るのをじっと待っていたが、こんなところで遭遇するとは。この絵により歌麿はお上にしょっぴかれ、取り調べ中入牢、手鎖50日という厳しい刑を食らった。

何がお上の機嫌を損ねたのか?当時の出版法令では、天正年間(1573~92)以降の武家を実名で扱うのはNGだったのである。ここには真ん中に太閤秀吉公、その右に石田三成と書きこまれている。また、美女を侍らせる宴席の光景が大奥をイメージさせるのもよくなかった。

見せしめの意図もあったこの筆禍事件は歌麿には相当こたえたようで、この事件の2年後に亡くなっている。この絵はただの一枚ではないので、感慨深く眺めていた。

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