« 出光美の水墨画展、内容は申し分ないのに図録が高すぎる! | トップページ | 三の丸尚蔵館の国の花、華やぐ展 »

2009.04.27

大和し 美し 川端康成と安田靫彦

545_6
547_3
546_3
千葉市美で開かれている‘大和し 美し  川端康成と安田靫彦’(4/4~5/10)は
My一点買い展覧会のつもりなのに、予定の倍の時間をかけてみた(作品数250点)。

展覧会は新鮮なサプライズが多ければ多いほど楽しい。だから過去見たことのある美術品が展示される場合はどうしてもパスしたい気持ちになる。厄介なのがそのなかに未見あるいは気になる作品が含まれているとき。

今回、どうしようもなく再会したい靫彦の絵があった。上の‘花の酔’(宮城県美)。展示は全期でなく4/4~4/26。安田靫彦の回顧展が茨城県近美であったとき、この絵の展示がすでに終了しており、残念な思いをしたが、有難いことに時をおかずまた仙台からお出ましいただいた。

安田靫彦の女性を描いた絵で最も有名なのが‘飛鳥の春の額田王’(拙ブログ3/2、4/28~5/10展示)。中国唐時代の女性に倣って描かれた額田王は品がよすぎて気軽に近づけないのに対し、‘花の酔’の若い女はフィギュアスケートの浅田真央ちゃんのように見る者を浮き浮きさせる。

桜の花びらがひらひらと散るなか、扇子をもち口元に手をやる姿が本当に美しい。
1993年、愛知県美であった一回目の回顧展で見て以来、My好きな女性画の上位に載せている。16年ぶりに会って、また惚れなおした。

この絵を見るのが目的だったから、あとはさーっと見て帰るつもりだった。ところが、琳派作品が予想外に多いのである。真ん中はずっと追っかけていた光琳の‘吉夢大黒天図’。‘ええー、これが出ているの!嬉しいー’と心の中で叫んだ。光琳は夢にみたことを絵にするのが好きで、この絵のほかに‘夢中富士山’というのがある。

‘大黒天図’の夢とは。ある人が大黒天に似た木像をもっていた。この木像は心にかなう人がいると、指二本をさして笑うという。左の剃髪した男(光琳)が木像に名前を聞くと‘福恵見’と言い、この男をさして笑った。光琳の描く人物は柔らかくまるくやさしい。この絵に会えたのは大きな収穫。

宗達の‘狗子図’(07/10/21)はお気に入りの絵。これは宗達を世に知らしめるのに大いに貢献した安田靫彦が所蔵していたもの。靫彦の琳派コレクションは全部で9点ある。琳派狂だからこれらの前で一気にテンションがあがった。

古美術をこよなく愛した川端康成の自慢の絵(いずれも国宝)が会期中でている。池大雅の‘十便図’(下の画像)、与謝蕪村の‘十宜図’(05/6/19)、浦上玉堂の‘東雲篩雪図’(06/11/28)。‘十便・十宜図’は毎週替わり、先週の土曜は‘樵便’と‘宜秋’だった。大雅の絵はいつみても心が癒されるし、‘東雲篩雪図’にも魅了される。

この展覧会の図録(2500円)は府中市美のと同じ本タイプ。いつかじっくり読もうと思う。

|

« 出光美の水墨画展、内容は申し分ないのに図録が高すぎる! | トップページ | 三の丸尚蔵館の国の花、華やぐ展 »

コメント

昨日行ってきました。
とても良かったです!!

投稿: beck | 2009.05.01 20:39

to beckさん
予想を上回るレベルの高い展覧会でしたね。
流石、千葉市美という感じです。

投稿: いづつや | 2009.05.02 13:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大和し 美し 川端康成と安田靫彦:

« 出光美の水墨画展、内容は申し分ないのに図録が高すぎる! | トップページ | 三の丸尚蔵館の国の花、華やぐ展 »