« アートフェア東京2009はこんなに楽しかったの!? | トップページ | もっと見たい曾我蕭白の名画! »

2009.04.05

山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年

489
488
490
現在、府中市美では‘山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年’(3/20~5/10)を開催中。当初はパスするつもりだったが、出展リストに曾我蕭白と重点鑑賞絵師の池大雅の絵が5点づつあったので出かけることにした。

作品は全部で100点。前期と後期でかなりの入れ替えがあるから、後期もまた出動の予定。料金は600円しかとらず、2回目は割引券300円が使える。900円で蕭白や若冲の有名な絵がいくつも入っている質の高い風景画の数々が見れるのだから、これは拍手々。そして、図録の編集が前回の‘動物画展’同様、とても上手い。

見どころのひとつはなんといってもビッグネーム若冲、応挙、芦雪、蕭白の絵。若冲は昨年の‘対決展’(東博)にも出展された‘石灯籠図屏風’(拙ブログ05/3/27)と‘石峰寺図’(ともに4/12までの展示)。2点ある応挙は後期(4/14~5/10)にでる‘海上竜巻図’が楽しみ。

芦雪は京博でお目にかかった‘蓬莱山図’と初見の‘赤壁図’(ともに後期)。お気に入りの‘蓬莱山図’は図録がないため略画で記憶にとどめていたが、これからは図版でながめることができる。‘赤壁図’も期待がもてそう。

蕭白はいいのが揃っている。すばらしい!前期が上の‘松鶴山水図’(部分)と京博蔵の‘山水図押絵貼屏風’。後期は大作‘月夜山水図屏風’(重文、近江神宮)ほか2点。

収穫は初見の‘松鶴山水図’。アヴァンギャルドにのびた松の葉を挟んで飛翔する鶴の群と険しい岩の上でくちばしを空のほうにむけている二羽の鶴が呼応する構成に見惚れる。また、松の葉と向こうの岩に激しく打ち寄せる波頭の動勢が響き合っているような感じ。本当にいい絵と出会った。

楽しみにしていた大雅はそれほどでもなかったが、そのかわりにいつか見たかった小田野直武の洋風画4点(すべて全期間の展示)と遭遇したのは大きな喜び。

なかでも真ん中の‘冨岳図’と‘日本風景図’に魅せられた。‘冨岳図’で釘付けになったのが水面にゆらゆら映る橋桁。右にまがる川の流れにそって川岸に立ち並ぶ木々はそのシルエットが意匠化されすぎているきらいはあるが、遠くにみえる富士山を引き立てている。

また、司馬江漢の‘七里ヶ浜図’や‘馬入川富士遠望図’にみられる広々とした空間表現にも足がとまる。

下は浮世絵師としてはただ一人でている北斎の‘不二図’。これは07年末にあった‘北斎展’(江戸東博)に登場した。天地をつきぬける二本の松の間に不二の頂上をもってくる構図に200%惹きつけられる。やっぱり北斎は特別の存在!後期が待ち遠しい。

|

« アートフェア東京2009はこんなに楽しかったの!? | トップページ | もっと見たい曾我蕭白の名画! »

コメント

こんにちは。

行って損はさせない美術館ですね。
常設展も含め大満足でした。

投稿: Tak | 2009.04.11 11:41

to Takさん
府中市美はアクセスがよくないのですが、
満足度の高い企画展をしてくれ、立派な図録
をつくってくれますから、つい出かけてしま
います。後期も楽しみです。

投稿: いづつや | 2009.04.11 23:42

ビッグネームの作品も良かったですが、小田野直武と佐竹曙山の絵も面白かったです! この展示はたしかに前期後期の2回いくべきでした。。。

投稿: 21世紀のxxx者 | 2009.05.10 03:44

to 21世紀の×××者さん
小田野直武の洋風画はいつかまとめて見たいと
思ってましたので、大収穫です。
次は最も有名な‘不忍池図’(重文、秋田県近美)。
早く会えればいいのですが。

投稿: いづつや | 2009.05.10 22:56

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年:

» 府中市美術館で「山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年」展を観た! [とんとん・にっき]
府中市美術館で開催されている「山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年」展へ行ってきました。といっても、行ったのは3月20日春分の日、半月も前のことです。府中市美術館へは過去の一度行ったことがあります。たしか、クリムトの「バラス・アテネ」を観に行ったと思います。「... [続きを読む]

受信: 2009.04.06 23:32

» 山水に遊ぶ-江戸絵画の風景250年(前期)@府中市美術館 [Art & Bell by Tora]
 昨日、世田谷美術館でチラシをみつけ、その日から始まっていることを知った展覧会。あわてて第2日に出かけた。会場では、知り合いの美術出版社のYさんやブロガーのEさんにも逢った。皆さん、会期早々に来ておられる。 とにかくこの美術館の江戸絵画企画展はいつも凄い。今回も然りである。マンネリになりそうな山水画を材料にしながら、深みのある展示に仕立てている。選ばれた作品も「目から鱗」的な優品が多数。それも個人蔵のものが多い。鑑賞者として一期一会のものを見せていただいていることになる。したがって入替えが多いことは... [続きを読む]

受信: 2009.04.07 20:42

» 「山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年」 [弐代目・青い日記帳 ]
府中市美術館で開催中の 「山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年」展に行って来ました。 3月20日から始まった展覧会。府中市美術館で開催する日本画の展覧会は毎回毎回他とは違う楽しみがあります。自宅から府中までは約1時間ほどかかりますが、多少の労力かけようとも行く価値大いにある展覧会を独自の企画力を発揮し開催してくれます。 美術館は府中駅からバス(ちゅうバス)も運行されていますが、ひとつ手前の東府中駅で下車しテクテク歩いても15分もかからずに美術館まで行けます。しかも今の時季、美術館... [続きを読む]

受信: 2009.04.11 11:41

« アートフェア東京2009はこんなに楽しかったの!? | トップページ | もっと見たい曾我蕭白の名画! »