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2009.03.12

ルーヴル美術館展  フェルメール ラ・トゥール ル・ナン兄弟

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上野の国立西洋美で2/28からはじまった‘ルーヴル美術館展ー17世紀ヨーロッパ絵画ー’は6/14まで続くロングラン興行。会期の長さにも驚くが、展示される作品(71点)はそれ以上のサプライズ。よくぞこれだけの名画を揃えてくれたものだと感心する。西洋美に拍手々。一回では書き足りないので、三回アップすることにした。

この展覧会を企画した学芸員には申し訳ないが、3つの切り口、‘黄金の世紀とその影’、‘大航海と科学革命’、‘聖人の世紀における古代文明の遺産’にはあまり関心が無い。だから、取り上げる作品と順番は昨年ルーヴル美術館をまわったときと同じように感動の大きさをもとにしている。まずはお目当ての3点から。

★フェルメールの‘レースを編む女’(上の画像)
★ラ・トゥールの‘大工ヨセフ’(真ん中)
★ル・ナン兄弟の‘農民の家族’(下)

‘レースを編む女’は美術本に載っているイメージで本物と対面すると面食らう。おそらく皆‘ええー、こんなに小さい絵なの!?’という感想をもつのではなかろうか。縦24㎝、横21㎝しかない。でも、小さき絵なのに絵のなかにぐぐっと惹きこまれる。女がレース編みにものすごく集中している感じがよくでているからかもしれない。

右から入ってくる光で女の顔や後ろの壁がやわらかく表現されているのに対し、手前の机におかれたクッションからでている白と赤の糸は異様に粘っこい色をしている。‘信仰の寓意’(メトロポリタン美、拙ブログ08/5/8)では、石の下敷きになり頭や口から血を流している蛇が描かれているが、この鮮烈な赤の糸は蛇の血を連想させる。

‘大工ヨセフ’(08/3/30)と再会できたのが嬉しくてたまらない。蝋燭の炎がキリストの顔とヨセフの額を明るく照らすところを再度夢中になってみた。‘ダイヤのエースを持ついかさま師’(05/3/14)も日本にやってきたから、これでルーヴルが所蔵するラ・トゥール作品7点のなかで人気の高い3点のうち2点が公開されたことになる。すばらしい!残るは‘灯火の前のマグダラのマリア’。気前のいいルーヴルのことだから、いつか展示してくれるだろう。

下のル・ナン兄弟作、‘農民の家族’もぐっとくる絵。昨年の感想記では紹介できなかったが、左に座っている婦人の心を打つまなざしが目に焼き付いている。左奥に目をやると、暗闇のなか暖炉の光がまわりにいる二人の男の子と一人の少女を照らしている。このあたりはラ・トゥールの描き方と似ている。

画面全体の暗い色調は決して楽ではない農民の日常生活をリアルに伝えているが、床に犬や猫がいたり、男の子が立って笛を吹いているのをみるとどこかほっとする。農民風俗画の傑作ではなかろうか。

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