« ルーヴル美術館展  プッサン ロラン ハルス | トップページ | WBC 日本 キューバに快勝! »

2009.03.15

美術に魅せられて! 美術館の中でしゃべるのは悪いこと?

445_2
今日は美術館で作品をみるときの態度というかマナーについて、日頃思っていることを述べてみたい。入館料を払って見ているのだから、まわりの人に迷惑をかけなければ自分のスタイルで見るのが一番。

よく、友達同士とか夫婦が目の前の絵についてヒソヒソ話をしているのをみかけることがある。こんなとき、いつも‘遠慮することないのに、もっと普通にしゃべればいいのに!’と思う。部屋の中が静かな雰囲気だから、声をひそめるのがマナーだと心得ているのかもしれない。

展覧会を楽しんでいるとき、まわりの人たちのおしゃべりが気に障ることはない。美術館の人がよく‘もう少し静かにしてください’と注意しているが、心のなかでは‘隣りにいる者が何も気にしてないのに、なぜいい気分で絵の感想を述べ合っているところに水を差すの? 絵とは関係ないことをキャッキャッしゃべっているわけではないだろう!’と美術館側に不快感をいだいている。

日本の美術館では、美術品の鑑賞は声を出さないで見るのがマナーといったおかしな常識がはばをきかせている。絵に感動して、その抑えられない気持ちを声にしてどこが悪いの?その人をみて、‘純すぎない?そんなに大げさにしゃべらなくても、こっちはもっと静かにこの絵の前にいたいんだ’と嫌な気分になる人は確かにいるだろう。でも、そういう人が大半だとは思わない。

以前、練馬区美で絵を見ていたとき、幼稚園児が入ってきた。彼らの反応がおもしろい、その絵を見て‘すげぇー、すげぇー’を連発し、隣の部屋でもまた‘すげぇー、すげぇー’。引率のお姉さんがその度に‘シー、静かに!’とこちらに申し訳なさそうに頭を下げている。だから、‘僕ちゃんはこの絵がすごいんだ、よかったね’と笑って声をかけてあげた。

日本の子供たちは大人から‘静かに!’と注意されているのに、昨年訪問したロンドンのテート・モダンにいた小学生は一般客にお構いなしに床にどかっと座ってミロやマグリットなどの絵を思い思いに描き写していた。先生や美術館員は子供たちが友達どうしでワイワイしゃべりながら手を動かしているのをみて何も言わない。

大人たちも‘子供たちが絵の勉強をしにやって来たんだ’と気にする様子もなく、近・現代絵画やオブジを熱心に見て回っている。こういう光景が欧米の美術館では当たり前なのである。陽気なイタリア人もいればアフリカから来た人もショートパンツにスニーカーのアメリカの老人もいるし、また時には小さい子たちが絵の勉強で部屋の大部分を占領することもある。公的な美術館がシーンと静まりかえった空間だなんて誰も思ってない。

テート・モダンよりもっと大勢の人がいるルーヴルでは、世界中からやってきた観光客や美術好きの人で館内はごった返している(上の画像)。ここではカメラのシャッターをきる音はするし、‘モナ・リザ’の部屋では‘見たよ!やっと見たよ!これがあのモナ・リザなんだ’、‘やっぱりすごいわね、微笑んでいたワ’などなど感動の会話が飛び交っている。

絵には思わず声を上げたくなるほど真に迫る絵もあるし、言葉を失うほど静謐な絵もある。皆がびっくりするほどの大声をあげて感動している人がいてもいいではないか。それで自分の絵に対する感じ方が増幅されることもあるのだから。

|

« ルーヴル美術館展  プッサン ロラン ハルス | トップページ | WBC 日本 キューバに快勝! »

コメント

面白い指摘ですね。
電車内での会話はいいけど携帯の通話は駄目というのも日本でしか見ない現象だなあと思い出しました。

publicという概念がない国では公的な場にふさわしい振る舞いに対する共通認識がないので、野放図のマナー完全無視になるか、誰かが少しでも不快に思う行為は全面禁止という神経質な締め付けに走るしかないのでしょうね。

投稿: 件 | 2009.03.17 01:25

to 件さん
美術館のなかでのおしゃべりにはもっと寛大で
あっていいと思っているのですが、日本の美術館
は柔軟な対応ができません。美術館を図書館と
勘違いしているところが多いです。

ピカソやミロの絵を静かにみてもちっとも楽しく
ないですね。美術館は静かなことより楽しい空間
でないと人は集まらないと思います。

投稿: いづつや | 2009.03.17 20:05

私も美術館内の異様な静けさは不自然だと感じています。
鑑賞した感想を話し合う事は極当たり前の行為であり、他者の迷惑になるような大声で話しているわけでないのに美術館員がすかさず「他のお客様のご迷惑になりますからお静かに」と言われた後は、鑑賞する気が失せてしまいます。

あと、「館内は響きますので靴音にご注意ください」の張り紙には唖然とするばかりです。

そこまで静かに見せたいなら口用にガムテープ用意し、館内土足厳禁にでもしろ!と言いたい。
いえ、むしろ美術館側が建設時に床を音のしない材質で作るべきではないか!怒りさえ感じます。
あの「見せてやっている」的な態度何とかなりませんかねー。
美術鑑賞を高尚な趣味と捉える関係者の高慢な態度こそ「お控えください」デス

投稿: 明るい未来 | 2009.08.22 23:50

to 明るい未来さん
美術館のなかでのおしゃべり、とくに大きくな
ければ問題ないと思うのですが、日本の美術館は
過剰に反応します。楽しい展示空間という発想が
ないから、これは永遠に治らないでしょうね。

美術館関係者は保守的で権威主義というのが常識
です。お客様サービスを充実させるとか、新しい
展示空間を考えるということに関しては、普通の
企業に比べるとびっくりするくらい遅れてます。

ですから、美術館にはあまり期待せず、ほどほど
のつきあいをするのが賢明かと思います。

投稿: いづつや | 2009.08.23 13:47

はじめまして、たいげんと申します。

実は今日美術館で「お静かに」と注意を受け、大変不快な思いをしてここに辿り着きました。自分の国、日本は大好きな祖国なんですが、後進性に辟易することがままあります。いつもではないですが、たまに静かにしろ的な顔を係員にされることがあります。このページを見て癒されました。ありがとうございました。

投稿: たいげん | 2010.02.11 00:48

to たいげんさん
はじめまして。書き込みありがとうございます。
美術館は来館者のおしゃべりに過剰反応しすぎ
ですね。もっと自由で楽しい展示空間になって
欲しいのですが、日本では難しいでしょうね。

イタリアの美術館では監視員が皆集まってぺちゃ
くちゃしゃべっており、‘勝手にみてよ’という
感じ。こういうのがいいですね。

投稿: いづつや | 2010.02.11 11:02

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 美術に魅せられて! 美術館の中でしゃべるのは悪いこと?:

« ルーヴル美術館展  プッサン ロラン ハルス | トップページ | WBC 日本 キューバに快勝! »