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2009.03.04

田中丸コレクション 九州古陶磁の精華 

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期待の‘九州古陶磁の精華 田中丸コレクションのすべて’(茨城県陶芸美、1/24~3/15)を見るため、笠間までクルマを走らせた。有名なやきものコレクションの公開だから、もっと早くみたかったが、近くにある茨城県近美の安田靫彦展(2/7~3/22)と一緒にみようと出動を調整していた。

福岡玉屋百貨店の経営者、田中丸善八(1894~1973)のコレクションはこれまであったやきもの展で散発的にはお目にかかったことはあるが、今回のように150点もまとめてみるのははじめて。質の高さは予想していたが、期待にたがわぬすばらしい古陶磁が沢山あった。

九州は昔からやきものアイランドだから、各地に伝統の窯がある。唐津、高取、上野(あがの)、八代、薩摩、現川(うつつがわ)、伊万里、鍋島、柿右衛門など々。数の多いのが唐津(38点)、柿右衛門(28点)、伊万里(26点)、鍋島(22点)。

唐津焼をこれだけ多くみたのは04年、出光美であった‘古唐津展’以来。唐津のなかでもっとも惹きつけられるのが絵唐津。名品がいくつもある。上の‘菖蒲文茶碗’(重文)と‘木賊文茶碗’(とくさもん)は出光にも出ていた。‘菖蒲文’は3年前、重文に指定されている。鉄釉で描かれた菖蒲のシンプルな形が印象的で、すっと立ち上がった半筒形にも魅了される。

しっかり見たのは算盤玉のような形をした真ん中の‘点斑文水指’。これも出光で見た。もう一点ある同タイプの‘草文水指’同様、渋い灰色がとても美しい。鼠志野のグレーも心を揺すぶるが唐津のグレーもなかなかいい。

鍋島は上品な色合いとハッとする意匠が目を楽しませてくれる。収穫がいくつもあった。最もぐっときたのが下の‘色絵蕎麦花畑文皿’。葉を緑と黄色、茎を赤い線で表わした蕎麦畑が綺麗な意匠となってリズミカルに描かれている。参りました!

‘毘沙門亀甲文’とか‘水車文’とか‘三瓢文’といった定番の文様に加え、シールのような薄黄色の瓢箪マークがぐるっと配されている皿や大きくカーブする水仙の絵柄などを夢中になってみた。鍋島をみたあとはいつもいい気分になる。

柿右衛門では、もとリヒテンシュタイン公家が所有していたという‘色絵梅樹人物文六角壺’と余白をいっぱいとり、そこに舟遊びに興じる童子を描いた‘色絵唐子舟遊図皿’に足がとまった。

あまり縁がなかったやきものでサプライズだったのは長崎の現川焼。‘刷毛地色絵抱銀杏文輪花皿’の斬新な意匠に目が点になった。また、現代アートで見るような色彩の組み合わせに頭がクラクラする長与焼の‘三彩皿’を知ったことも大きな収穫。

なお、この展覧会はこのあと次の会場を巡回する。
兵庫陶芸美:3/21~5/24
サンリツ服部美:6/9~8/30
富山市佐藤記念美:9/12~10/25

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コメント

こんばんは。
いつ、行かれるのかなと思っておりました。
本当に眼福と言って良い内容でしたね。
普段お目にかかれない九州各地の焼物名品に
出会えるめったとない機会だったと思います。

投稿: meme | 2009.03.08 20:09

to memeさん
九州のコレクターですから、いいものを沢山もって
いますね。初見の鍋島とか現川が収穫でした。

今年のお目当てのやきもの展は前半で終了しちゃい
ました。あとは、7月、東博である‘染付展’を
気楽に待つことにします。

投稿: いづつや | 2009.03.08 21:03

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