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2009.03.14

ルーヴル美術館展  プッサン ロラン ハルス

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ルーヴル美術館には膨大な数の美術品があるから、見たい名品を心ゆくまで楽しむためには相当の時間を要する。まさにルーヴルとのお付き合いは長期戦。昨年の訪問で重点鑑賞画家にしていたのはラ・トゥールやニコラ・プッサンやクロード・ロラン(拙ブログ08/3/31)。

日本でプッサンやロランの名作を見る機会はこれまで無かった。だから、作品の前では食い入るようにして見た。今回、その二人の絵が2点やってきたが、どちらも館の図録に掲載されているのだから嬉しくなる。まったくすばらしい!

★プッサンの‘川から救われるモーセ’(上の画像)
★ロランの‘クリュセイスを父親のもとに返すオデュッセウス’(真ん中)
★ハルスの‘リュートを持つ道化師’(下)

プッサンは同じテーマで3つ描いており、これは1638年の最初の作で、10年後に描かれたものもルーヴルにある。もう一点はそれから3年後の絵でロンドンのナショナルギャラリーが所蔵している。上の作品はあとの2点にくらべて画面のなかで川が占める割合が多く、幼児モーセが流されてきたのだなということが容易にイメージできる。

中景に3人が乗った舟や川岸に立つ男たちが描かれ、水面には舟の影や後ろにみえるピラミッドの三角形が映っている。プッサンの歴史風景画の特徴は空間の広がり。はるか遠くまで人物や木々、山々が克明に描かれている。

ルーブルやメトロポリタンの回顧展でプッサンの名画に沢山出会えたのは一生の思い出。絵そのものを200%楽しんだだけでなく、絵を通じて古代ローマに起こった事件や聖書やギリシャ神話にでてくる話により近づけたことも大きな収穫。

大きな画面には山々や古代の建物を背景に鮮やかな赤や青、黄色、紫の衣装をまとった古代彫刻のよう人物が大勢描かれているので、目の前で何が起こっているのかいろいろ想像をふくらませることができる。これがプッサンの絵の魅力。

ロランの絵は昨年紹介したもの。一緒にみた‘港ー靄の効果’や‘クレオパトラのタルソス上陸’同様、いつまでも絵の前にいたくなる。船が入ってきた港の海面にゆらゆらと動く白い波を見ていると、海のすぐ側にいるような錯覚にとらわれる。描かれている場面がギリシャ神話だろうが、クレオパトラの上陸だろうが、それは何でもいい。中央の船の後ろからのびてくる美しい金色の光が心をとらえて離さない。

ハルスの笑う道化師と‘ジプシー女’はインパクトのある絵なので一度見たら忘れられない。道化師の笑ってる顔とリュートを弾く手は丁寧に描かれているのに対し、衣装の赤の飾りはタッチが粗くなっている。近代の肖像画をみるようなこのすばらしい絵が日本で見られるのだから、幸運なめぐり合わせである。

3回にわたり9点を紹介したが、このほかに足がとまったのはヴァン・ダイクの‘プファルツ選帝侯の息子たち’(08/3/29)、ライスダールの‘嵐’、カラッチの‘聖ステパノの石打ち’、ヨルダーンスの‘4人の福音書記者’。

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