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2009.02.17

妙心寺展 その二

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東博の‘妙心寺’(1/20~3/1)は2/10から後期。意中の絵が出品されるので再度出かけた。前期(拙ブログ1/23)同様、書や僧侶の肖像画はさあーっとみて、関心のある絵画の前に長くいた。

上は国宝‘瓢鮎図’(ひょうねんず、室町時代)。如拙(1394~1428)が描いたこのユーモラスな絵を見るのは三度目。瓢は瓢箪で、鮎は鯰(なまず)のこと。最初、この絵をみたとき、瓢箪をもっている男の顔の輪郭がよくつかめなかった。そして、鯰と瓢箪の組み合わせは何を意味しているのかもピンとこなかった。鑑賞を重ねるにつれて、鼻が低く、蟹のように横に角ばった顔がすりこまれてきた。

風采のあがらないこの男は一体何をしているのか?足利将軍家につかえていた禅僧、如拙は四代将軍・義持から‘つるつるした瓢箪でぬるぬるの鯰をつかまえられるか?’という題で絵を描いてくれと依頼される。無理難題なテーマを‘あーだ、こーだ’と禅問答するのが禅僧たちの一番の楽しみ。でも、瓢箪のなかにどうやってあの大きな鯰を入れるの?男は瓢箪をしっかりつかんでなく、瓢箪は宙に浮かんでいるようにみえる。

東近美にも富岡鉄斎が同じ画題で描いた‘小黠大胆図’というのがある。ここでは男が猿に変わっている。猿智慧を使っても鯰はつかまえられそうにない。

後期のお目当ては真ん中の海北友松(1533~1615)の‘花卉図屏風’(重文、右隻)。友松の絵は建仁寺展(02年、京博)や京博平常展などでかなり見てきたが、この絵は縁がなかった。金地を背景に一花々が存在感のある牡丹が見事に描かれている。しばらく息を呑んでみていた。加山又造にも牡丹を沢山描いた大作があるが、友松のこの牡丹には叶わない。My好きな花鳥画に即登録した。

隣に飾ってある‘寒山捨得・三酸図屏風’は左隻がおもしろい。酢をなめて口をすぼめる三人の顔がとてもリアル。酢が苦手なので早々に移動した。

前期のときふれなかったが、この展覧会で最も有難かったのが白隠作品。図録には全部で17点載っているから、ミニ白隠展をやっているみたいなもの。東博では下の‘自画像’(静岡・龍澤寺)、‘達磨像’(愛知・正宗寺)、‘鼠師槌子図’(大阪市近美準備室)など6点。東博のあと巡回する京博(3/24~5/10)には13点展示される。

17点のなかに追っかけ作品2点があった。‘自画像’(東博のみ)と大分の万寿寺が所蔵する‘達磨像’(京博のみ)。特筆ものは万寿寺の大作‘達磨像’。これはこれまで寺から出たことがない。今後この絵をこうした展覧会でみることはおそらくないだろう。だから、図録を見た瞬間、京都行きを決めた。隣の方も乗り気である。

ここ数年、白隠を重点鑑賞絵師にし、永青文庫などへ出かけ白隠ワールドを楽しんできたとはいえ、大分はあまりに遠い。このコストと比べれば‘一点買い’京博鑑賞は安いもの。今回の17点はベストセレクションかもしれない。本当にいいのが揃っている。‘自画像’は愛嬌があるし、京博にでる‘半身達磨像’や‘法具変妖之図’も鑑賞欲をそそる。京博でこれらと対面するのが待ち遠しい。

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コメント

はじめまして。
いつも、展覧会の寸評など読ませていただいているものです。
ただいつも、ひとつ、気になっているのですが、ここであげられている画像は、どこから得られたもので、また許可を得られているのだろうかということです。

私共も仕事で印刷物に掲載する際、所蔵者の許可を必要とするようなものも多くあげられているので、とても気になるのです。また展覧会図録などから取るとすれば、それは発行者の許可も必要になろうかと思います。

もちろん博物館や美術館でカメラに納めてくるということは、通常できないことですし、画像を見る限り、そのようなものでもないような詳細なものです。
これほどまでに詳細な画像を頻繁にあげておられるブログなどは他に類がないように思いますので、いつも不思議に思っておりました。

投稿: Anthin | 2009.02.18 09:15

to Anthinさん
はじめまして。書き込み有難うございます。
4年前、ブログを開始したころ、画像について
はいろいろ調べ、詳しく知っておられる方の
ご意見を参考にしております。これからも
よろしくお願いします。

投稿: いづつや | 2009.02.18 09:51

瓢鮎図の男、本当にカニのように見えました。

投稿: 一村雨 | 2009.02.20 04:20

to 一村雨さん
この絵は人物の顔がぱっとみるとわかり
ませんね。目を慣らすのには最接近して見た
方がいいですね。一村雨さんも蟹をイメージ
しましたか。

投稿: いづつや | 2009.02.20 19:41

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