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2009.02.15

東博平常展の名品!

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サントリー美で開催された‘蒔絵展’のその二を書いたとき(拙ブログ1/27)、AKIOさんから三嶋大社が所蔵する国宝‘梅蒔絵手箱’(鎌倉時代、上の画像)が東博の平常展に出品されていること(12/23~3/22)を教えてもらった。東博には頻繁に出かけているのに、本館1階の右側は刀以外NOチェックだったので、このアシストはとても有難い。AKIOさん、感謝々です。

手箱とともに鏡箱や白粉箱など内容品も一緒にあった。蓋の表の意匠は想像していた以上にすばらしい。高蒔絵技法を使い、左下の几帳を背景にして梅の木を大きく描き、咲き乱れる梅花を取り囲むように水面に浮かぶ雁とそこから飛び立って空を舞う雁を配している。この構成にすごく惹かれる。

もうひとつ、一生懸命に見てしまうものがある。銀板の象嵌による葦手文字、‘榮、傳、錦、帳、雁’。この文字は唐の詩人、白楽天が友とともに昇進をとげた慶びを詠った詩からとられている。美しい梅や雁の列から自然な情趣を感じさせるだけでなく、葦手装飾によって暗示された文学的な表現をも読み取らせようとするのである。

見る者の心のなかに意匠による美的感覚と言語による認識を同時におこそうというのだから、これはかなり洗練された表現方法。日本美術は本当にすごい!嬉しいことに隣に東博のお宝‘片輪螺鈿蒔絵手箱’(07/11/6)や‘男山蒔絵硯箱’も飾ってあった。

1階のちょうど反対側にある近代日本画のコーナーに足を運ぶとお気に入りの作品が展示してあった(1/27~3/1)。小林古径の‘踏絵(異端)図’(真ん中)と前田青邨の‘お水取り’(下)。ここへはもう4年半くらい定期的に通っているから、古径の名作、‘異端’、‘出湯図’、‘阿弥陀堂’、‘住吉詣’、‘麦図’も二まわり目に入ってきた。‘異端’は題名からくるイメージに反して、明るい色彩の絵。とくに足元の板の黄色に目を奪われる。

‘お水取り’は10年くらい前、十六段全部見たことがある。今回は下の‘十四段 達陀’など13点の展示。これは平木浮世絵財団蔵のはずだが、ここへ寄託しているのだろうか。お水取り(3/1~3/14)は実際に見たことがなく、いつもTVで二月堂の舞台で火のついた松明を振り回す恒例の行事(3/12)みるだけ。

‘お松明’の火の粉を浴びると健康になるとか、幸せになれるというのだが、あの熱そうな火の粉はほんとうに大丈夫なのだろうか?先の健康より、今‘アチチッ!’となってはご利益どころではなくなる。いつもどうでもいいことに関心がいく。‘達陀’は迫力満点。兜のような帽をかぶった二人の練行衆は真ん中で火が燃えさかる松明を床にたたきつけている。

青邨はもう一枚‘唐獅子’がでている。これも二度目の対面。左の獅子はこんなに口を開けていたっけ?という感じ。同じ作品なのに、時の経過とともに見方が変わってくる。鑑識眼があがり、対象の描き方がよくみえるようになったのか?それとも細部に目が行き過ぎているのだろうか?

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コメント

情報がお役に立てて光栄です。
私は関西在住ですが国宝巡りがライフワークであり、展示に合わせて2〜3ケ月に一度は関東に来ており、その際東京博は必ず立ち寄っています。東京博の国宝は2点を残して殆どお目にかかっていますが、それでも毎回新たな出会いや発見があり刺激を受けるところです。
国宝以外の美術巡りの候補選定には、いつもこのプログを参考にさせて頂いております。これからも宜しくお願い致します。

投稿: AKIO | 2009.02.16 00:37

to AKIOさん
梅蒔絵手箱を堪能しました。構成のよさと高い
蒔絵技術に見とれてしまいます。情報有難うご
ざいました。

東博の国宝は2点を残すだけですか、それは
すごいですね。私もAKIOさん同様、‘日本の
国宝’(週刊朝日百科)に載っている国宝を全部
見るのが夢です。

念願の作品に会い、蛍光ペンで済みマークをつけ
ていくときは達成感があります。国宝との出会い
も名山登頂とか、名園めぐりと一緒ですね。
これからも感動した国宝をなるだけ沢山紹介す
るようにします。また気軽にお越しください。

投稿: いづつや | 2009.02.16 11:12

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