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2009.02.14

アーツ&クラフツ展 その二

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アーツ&クラフツ展は英国、ヨーロッパ、日本の3部構成。19世紀後半、英国に起こったアーツ&クラフツ運動がそのあとヨーロッパにも広まったことは知識としては頭の中に入っているが、鑑賞体験のあるデザインはウィーンにおけるモーザー、ホフマン、ヴァーグナー、ドイツのベーレンスのものしかない。だから、今回ハンガリー、ロシア、デンマーク、ノルウェー、フィンランドでつくられた家具、陶芸などがみれたのは大きな収穫。

人々が生活する建物の形とか毎日使う食器類とか家具、布地のデザインにはやはりその国の文化とか歴史がそのまま現われる。目を惹いたのがノルウェーの椅子に見られる模様、ヴァイキングの力強さみたいなものが感じられてとても興味深かった。

3部の日本の民藝運動によって発見された朝鮮のやきものや日本国内の生活雑器、衣装、家具、飾り物、そして富本憲吉、河井寛次郎、濱田庄司、バーナード・リーチ、黒田辰秋、芹沢銈介らの作品は大変充実している。ヴィクトリア&アルバート美の学芸員の美に対するセンスは流石、レベルが高い!

最も目を奪われたのは同館が所蔵する上の‘琉球装束・小袖’。紅型染めの目の覚めるような鮮やかな色彩に声を失った。渋谷の日本民藝館でいい紅型染めを見ることがあるが、それらと劣らぬほどのすばらしい装束。盛岡でつくられた表面に丸い粒のついた茶釜や山形の鉄瓶など民藝館にある馴染みのものに出会うとだんだん鑑賞のリズムがでてくる。

紅型染めと同じくらい感激したのが真ん中の‘堤焼 海鼠釉壺’。宮城県堤町で焼かれたこの壺ははじめてみたが、黒の地にかかる白の海鼠釉に圧倒された。こういうサプライズがあるから民藝品めぐりはやめられない。

民藝運動の象徴的な建物である三国荘の再現展示を時間をかけて見た。ここに飾ってあるものはアサヒビール大山崎山荘美術館でみたことがあるが、当時の部屋が再現されているから感慨深い。

その中にバーナード・リーチの‘ガレラ釉筒描ペリカン図大皿’(拙ブログ08/10/20)や下の黒田辰秋作、‘貝象嵌色字筥’を見つけた。久し振りにみた黒田辰秋の光輝く螺鈿にうっとり。

また、河井寛次郎の代表作‘白地草花絵扁壺’(京近美)、濱田庄司の‘赤絵角皿’(益子参考館)、芹沢銈介の‘沖縄絵図六曲屏風’(ヴィクトリア&アルバート美)、棟方志功の‘ニ菩薩釈迦十大弟子’(京近美)などの名作が目を楽しませてくれる。民藝好きにはうれしい展示空間だった。

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コメント

海外の作品をみて、その後日本の作品を見るとやっぱり物作り日本という印象持ちますね。

投稿: Artistyle | 2009.02.14 23:32

to Artistyleさん
海外の手仕事のなかにも精緻ですばらしい
ものが数多くありますが、日本のものは作意
があまりみえず、シンプルで実用の美が漂っ
てますね。とても味わい深いです。

投稿: いづつや | 2009.02.15 10:32

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