美術に魅せられて! ナルキッソス
手元にあるギリシア神話関連の美術本で愛読しているものをいくつか紹介したい。
■私のギリシャ神話:阿刀田高(集英社文庫 02年12月)
■西洋絵画の主題物語Ⅱ神話編:監修、諸川春樹(美術出版社 97年5月)
■ふくろうの本ギリシア神話・神々の世界篇:松島道也(河出書房新社、01年5月)
■ 〃 ・英雄たちの世界篇:松島&岡部紘三(〃02年3月)
■すぐわかるギリシア・ローマ神話の絵画:監修、千足伸行(東京美術 06年3月)
‘西洋絵画の主題物語の聖書編と神話編’、および‘アートバイブルⅠ・Ⅱ’(日本聖書協会)は宗教画のバイブルみたいなもので、大変重宝している。おそらくキリスト教、ギリシア神話を題材にして描かれた絵で有名なものはほとんど載っていると思われる。昨年、海外の美術館めぐりをしたときは図版をコピーしまくって必見作品リストをつくった。
絵入りの本のほかによく読んでいるのは、
■知のカタログ ギリシア・ローマ神話:マイケル・マクローン(創元社 00年9月)
■ギリシア・ローマ神話ものがたり:エスタン&ラポルト(創元社 92年7月)
■図解雑学 ギリシア神話:監修、豊田和ニ(ナツメ社 02年8月)
拙ブログはスタートして4年を超えているから、ギリシア神話画も結構紹介してきたが、心がけているのは話があまり長くならないようにしていい絵をなるべく沢山共有すること。キューピッドのお次はナルキッソス。とっておきの2点は、
★カラヴァッジョの‘ナルキッソス’ : ローマ、バルベリーニ宮国立古代美(真ん中)
★プッサンの‘エコーとナルキッソス’ : ルーヴル美(下)
カラヴァッジョの回顧展が01年12月、岡崎市美で開催されたとき万難を排して、見に行った。感激の連続だったが、このナルキッソスの絵にも痺れた。これ以上にナルシズムを感じさせる絵はない。だから、ナルシストというとすぐこの絵に描かれている美少年を連想する。
プッサンの絵は昨年、ルーブルでお目にかかった。自分自身にこがれて息絶え、水辺に横たわるナルキッソスの姿がとても悼わしい。頭のそばには水仙がみえ、うしろの岩には木霊となったエコーがじっとナルキッソスを眺めている。
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