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2009.01.17

もっと見たいダリの不思議な絵!

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シュルレアリスム作品の鑑賞はルネサンス、印象派同様、ライフワーク。でも、その作品を全部見たい画家とそうでもない画家をわけている。

ダリ、ミロ、マグリット、デルヴォーが前者で、エルンスト、タンギー、マッソンが後者。クレーはとても気にっている画家だが、なかには退屈な絵もあるから、見たい度は80%くらい。

画集に載っている作品を全点制覇することを夢見ている4人のなかで、ダリとデルヴォーの絵が夢見心地というか不思議な世界に誘われるのに対し、ミロとマグリットはシュールはシュールでも、気軽で楽しい絵。

ダリ(1904~1989)は日本でも人気の高い画家だから、展示の規模は異なるものの、結構な頻度で回顧展が開催される。記憶に新しいのが06年、上野の森美であったもの(拙ブログ06/9/30)。

ダリの絵は広い空間を感じさせる画面にぐにゃっと曲げられた時計とか、極端に細い足をした象、馬、小さな蟻などが超細密に描かれているので、隅から隅までなめまわすように見てしまう。はじめはすごく緊張感を強いられるのに、見ていると少しづつぬめっとして弾力性のある画面に惹きこまれていく。

これはダリの描写力が並はずれて高いから。こういうシュールなイメージを下手くそな人が表現したら、作品にならない。見る者は丁寧に描かれているモティーフに目を慣らし、その形態の変容やモティーフ同士の関係、さらに全体の不思議な構成を自分なりに感じていく。だから、こういう密度の濃い絵では対象がしっかり描かれていないと非日常的な異時空間のなかに入っていけない。

では、精緻に表現されたダリの絵にどっぷり浸かれるかというとそれはない。まあ、30~50%がいいところ。これ以上入り込むと逆に精神的にあぶなくなる。ほどほどの付き合いを心がけているダリ作品でなんとか対面したいのは、

★‘ゆでた隠元豆のある柔らかい構造:内乱の予感’(1936):フィラデルフィア美(上の画像)
★‘海辺に現われた顔と果物鉢’(1938):アメリカ・ハートフォード、ワズワース・アシニアム美(真ん中)
★‘目覚めの直前、柘榴のまわりを一匹の蜜蜂が飛んで生じた夢’(1944):スイス・ルガノ、ティッセン=ボルネミッサ財団(下)
★‘聖アントニウスの誘惑’(1946):ベルギー王立美(06/2/27

最も魅せられているのがスイスのルガノにある絵。これは一度日本にやってきたことがあるそうだが、かなり昔の話だからまったく縁がない。魚の口から飛び出す虎が見たーい!ベルギー美を再訪する可能性は少ないから、‘聖アントニウス’もなかなか難しい。なんとか対面したいのだが。

‘海辺に’と似た絵がマドリッドのソフィア王妃アート・センターにあるから、ひょっとするとマドリッドのほうを先に見るとこになるかもしれない。フィラデルフィア美には追っかけ画が数点あるが、この‘ゆでた隠元豆’もその一枚。絵の前ではかなり圧倒されそう。

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