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2009.01.24

感動の加山又造展! その一

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近代日本画家のなかでは最も好きな加山又造(1927~2004)の回顧展が国立新美ではじまった。会期は1/21~3/2。

又造が04年に亡くなってからこの4年の間に開催された3度の回顧展(拙ブログ05/6/16)はいずれも出かけ、この天才画家の代表作はかなり見ているので、出品作
(108点)は再会するものが多い。加山又造の絵を見るのは東山魁夷と一緒で何度みても感激する。プラス、期待していた追っかけ作品が数点含まれてたので気分は最高!お陰で画集に載っている作品の9割が鑑賞済みになった。

お気に入りの作品が多く一回では書き足りないので、2回にし、数点ある展示替えで再度訪問したときにもう一度書きたい。最初に取り上げるのは次の3点、
★千羽鶴(1970) : 東近美(上の画像)
★雪(1978) : 東近美(真ん中)
★月光波濤(1979) : 個人蔵(下)

華麗な装飾美を目いっぱい感じさせてくれる‘千羽鶴’(左隻、1/21~2/16)は一緒に展示してある‘春秋波濤’(1966、東近美、07/2/20)、‘雪月花’(1967、個人蔵、06/3/11)とともに大好きな絵。‘千羽鶴’を見られた方は誰もが光悦&宗達作、‘鶴下絵三十六歌仙和歌巻’(重文、京博、08/10/9)を連想するだろう。琳派のDNAは抱一、其一で終わったのではなく、現代琳派の絵師ともいうべき加山又造にしっかり受け継がれている。

自然の美しい造形を様式化して象徴的に表現する日本画のなかでも、加山がとくに惹かれたのが大阪の金剛寺にある‘日月山水図屏風’(07/9/10)。‘春秋波濤’と‘雪月花’では、これをただ写すのではなく、様式化した波文をトポロジー感覚で描き、平板な山のフォルムと完璧に融合させた。これぞ現代の感性にフィットした又造流‘日月山水図’。そのすばらしさに言葉を失う。

三部作‘雪月花’の‘雪’も心を揺すぶる。これは美しい料紙とかな文字が心を虜にする‘西本願寺三十六人家集’(国宝、08/5/25)を写しており、洗練された抽象日本画の世界に誘ってくれる。長いことこの大作を待っていたがやっと見れた。言うことなし!はじめて見る絵では‘天の川’(1970)にもグッと惹きこまれる。左上から斜めに緑の野原と草花を描く画面構成は宗達の抽象的な絵‘蔦の細道図屏風’を彷彿とさせる。

加山の水墨画でぞっこんなのが‘月光波濤’。岩にぶち当たって砕け散る波しぶきの描写がすごい。何時間でも絵の前にいたくなる。これは次の絵とともに水墨画の記念碑的な作品である。
★横山大観の‘生々流転’(1923):東近美
★横山操の‘越路十景’(1968):山種美
★東山魁夷の‘灕江暮色’(1978):長野県東山魁夷館
★王子江の‘雄原大地’(1996):茂原市美

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コメント

こんにちは
私は今回、加山の絵をはじめてまとまって見ました。
画風の変遷を追うことができて、この画家が
より近くなりました。
私にとっても、「ぞっこん」な画家がまたひとり
増えました。

投稿: 一村雨 | 2009.01.26 05:21

to 一村雨さん
雪舟や宗達、光琳が加山又造の絵を見たら、きっと
‘お前はすごい絵を描くな!’と言うのではない
でしょうか。水墨画、琳派と日本画のエッセンスを
吸収しそれを現代の感性で表現するのですから、
本当にすごい才能です。

加山又造という画家はこういう絵師たちと一緒に語ら
れるくらいの存在だと思います。

今回の回顧展には有名な絵はほとんどでてます。国立
新美は広いですから、展示の仕方としては理想的です。
2/18から展示される‘華扇屏風’に200%惚れてます
ので、また出かけます。

投稿: いづつや | 2009.01.26 10:36

こんばんは。

私も初めて加山の作品を
まとめて今回目にし、予想を
はるかに上回る迫力に
ただただ圧倒されっぱなしでした。

いづつやさんがプッシュされるだけのことはあります!

投稿: Tak | 2009.01.26 21:11

to Takさん
琳派狂いですから、加山又造が描く琳派風の絵には
200%夢中になります。また、水墨画の大作も心を
揺すぶります。

国立新美がやっと東京でわが愛する加山又造の
回顧展を開催してくれました。会場が広いですから、
屏風などを存分に楽しめますね。もう一度でかけます。

投稿: いづつや | 2009.01.26 23:25

こんばんは。
十何年か前に行った展覧会で「月光波濤」を見ました。
波しぶきの迫力と月の美しさに30分くらいその屏風の前から離れられませんでした。
今回の展覧会でもこの絵が出展されるとわかって、とても嬉しいです。絶対行くつもりです。

投稿: なみこ | 2009.02.01 00:11

to なみこさん
もうずいぶん前のことなのですが、茅場町に
あったころの山種美で‘月光波濤’の小型版
を見たのが加山又造へのめりこむきっかけ
でした。

そして、3年前、念願の‘月光波濤’と対面
しました。ほんとうにこの絵はしびれますね。
明治以降に活躍した日本画家が描いた水墨画
のなかでは一番惹かれます。

投稿: いづつや | 2009.02.01 10:54

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