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2009.01.12

束芋 ハウスにズキン!

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銀座一丁目にあるギャラリー小柳で‘束芋 ハウス’(12/20~2/14)を見た。束芋(たばいも)のアニメは06年、原美術館で開催された‘ヨロヨロン展’(拙ブログ06/8/7)についで二度目。

はじめてお目にかかった‘公衆便所’(06年)とか‘真夜中の海’(06年)などがあまりに刺激的だったので、またいつかこのアーティストの作品をみたいと強く思っていた。でも、束芋は現代アートの作家だから、その作品は日本画や西洋絵画みたいに身近ではない。

人気若手アーティストの作品を集めた展覧会に束芋が含まれているのを時たま見つけ、出動しようかなと心が揺れ動くこともあるが、ほかの作品にリスクを感じて、結局足が動かない。今回のように‘束芋の新作をどうぞ!’というのが一番有難い。

束芋はギャラリー小柳に所属しているとのこと。ふだんギャラリーめぐりをすることがないから、どこが人気の作家をかかえているかといったギャラリー勢力図にはまったくうとい。新作‘ハウス’は07年につくられた作品。6分くらいのアニメで、ドールハウスをつくっていく過程をみせてくれる。

手前から大きな手が出てきて、各部屋に家具、調度品、飾り物が並べられていく。上が建物全体(3階)で、下は1階右の部屋ができあがったところ。手を異常にデカくしているのは実際にハウスをつくっていくところをイメージさせたいからだろう。根をつめた作業にイラつくのかときどき手首のあたりをかきむしる。このあたりが束芋ならでは芸の細かいところ。

でも、淡々と部屋をつくっていく場面だけでおもしろい?単調すぎない?そこはちゃんと考えてある。後半になってどういうわけか蛸が右の窓から入ってきて、スッと消える。何なの?このシュールさは!という感じ。そしてまた出てくる。今度は可哀そうに熱湯をかけられ茹でダコとあいなる。終わり方がまたおもしろい。建物の中央が裂け、上から下に大量に水が流れ落ちる。で、部屋のものは皆流され消えてなくなる。

いってみれば積み木崩しみたいなもの。ドールハウスの遊び方の本質をついている。モティーフが銭湯とか公衆便所、通勤電車といった公的な場面からドールハウスという私的な遊びに変わっても、ルンルン気分のなかに前触れもなく不条理で毒気のあるものがすっと入ってきたりするところは同じ。

束芋の日常生活の切り取りかたは石田徹也と似たところがあるが、二人の違いは束芋の毒とか狂の部分が普通に味わう楽しい気分とか笑いの感情によって包みこまれ、体の中に長くとどまらないのに対し、石田の作品から伝わってくる感情には孤独感が漂い、見る者の心の深いところをつつく。

束芋の作品にもっと近づきたいが、今はこのペースでよしとしよう。その才能を高く評価されている作家だから、いずれまた楽しむ機会があるだろう。

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コメント

こんばんは。
ズキン!と来ましたか。
小柳は素敵なギャラリーです。
束芋さん以外のアーティストの時も、是非どうぞ。

投稿: ogawama | 2009.01.14 00:03

to ogawamaさん
ギャラリー通いに慣れてませんので、なにか
落ち着きません。束芋の新作、おもしろかった
です。タコがでてきたり、手を激しくかきむし
るところなど。

前回の天気予報‘今日は、中学生、高校生が降
ってくるでしょう!’で束芋に200%嵌まりま
した。

印象派同様、シュルレアリスムはライフワーク
ですから、束芋のシュール感覚、毒っぽさに
すごく興味があります。今、若手アーティスト
のなかでは一番好きです。

ほかで注目しているのは昨年出会い、話をした
ミヤケマイ(現在パリに遊学中)と瀧下和之。
町田久美に前はすごく関心があったのですが、
西村画廊でみた作品が期待する作品のイメージ
と違っていたので、興味が急速にしぼんでます。

ogawamaさんは現代アートの作品をいろいろみ
られているでしょうから、おもしろい作家がい
たら教えてください。

投稿: いづつや | 2009.01.14 08:56

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