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2009.01.20

崩壊の危機にさらされるスフィンクス!

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17日の朝日新聞に‘スフィンクス危機’というショッキングな記事が載っていた。大阪大の教授は‘このままだと100年しないうちにスフィンクスの首が落ちる’と語っている。ええー!?それは大変!

この10年でカイロ近郊にあるギザのスフィンクス(上の写真、97年撮影)は相当傷んだようだ。胴体には大きな亀裂が走り、首から胸にかけて表面の岩がぼろぼろと崩れているらしい。97年、現地で見たときにも胴体の亀裂はあったが、これがさらに大きくなったのだろうか。

調査によると、この痛みは塩害が原因とのこと。スフィンクス周辺における農地の拡大により地下水位があがった。その水は岩にもともと含まれていた塩分を溶かし、その後蒸発、そして岩の隙間に再結晶化した塩が亀裂を広げ、岩を崩していく。また、強風の影響も大きい。強風が周囲の砂を巻き上げ、スフィンクスの首から胸のあたりの岩を削りとっているようだ。教授の話では、首のあたりは原形より最大で1メートルほど細くなっている可能性があるという。

塩害による古代遺跡の破壊はスフィンクスだけでなく、ルクソールにあるカルナック神殿にもみられ、柱や石壁に刻まれた壁画が崩れ落ちているそうだ。TV各局が競って制作する特番‘ピラミッドの謎!’、‘古代エジプト遺跡、世紀の大発見!’ばかりに関心がいき、こういう深刻な問題が起きていることはまったく知らなかった。現地の研究者や日本の専門家たちが対策をいろいろ検討しているようだが、被害がこれ以上拡大しないように取り組んでもらいたいものである。

ピラミッドとスフィンクスは古代エジプトのシンボルだから、12年前はじめてみたときは感動した。人気のオペラ‘アイーダ’が上演されるとき、スフィンクスは観客の目を惹きつける定番の壮大な舞台装置(真ん中)。だから、圧倒的な存在感を間近で感じながら、アイーダの聴きどころの♪♪‘エジプト軍の凱旋行進曲’などを思い浮かべていた。

スフィンクスを描いた有名な絵は下のアングル作‘オイディプス’(1808、ルーヴル)とモローの‘オイディプスとスフィンクス’(1864、メトロポリタン美、拙ブログ08/5/13)。アングルの絵は数年前、横浜美であったルーヴル美展に‘トルコ風呂’と一緒にやってきた。

アングルがこの絵を描いたのは28歳のときだが、亡くなる3年前の84歳にもまた描いている。二つの絵は同じ構成で、オイディプスの向きが違っているだけ。後の方は最初のとは逆に右向きになっている。これはボルチモアの美術館にあるが、一度見てみたい。

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