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2008.12.29

08年感動の美術鑑賞プレイバック! ルーヴル

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例年、元旦に国内の美術館で開催される展覧会情報を載せているが、来年の2月28日から国立西洋美で‘ルーヴル美展ー17世紀ヨーロッパ絵画’がはじまる。出品作71点がずらっとでているチラシをみると、現地で足がとまった名画がいくつも含まれているから、展覧会としてはかなり楽しめそう。

目玉はまたまたフェルメールで、人気の‘レースを編む女’。感想記でとりあげたものも3点ある。ラ・トゥールの‘大工ヨセフ’(3/30)、ダイクの‘パラティナ選挙侯たちの肖像’(3/29)とクロード・ロランの‘クリュセイスを父親のもとに返すオデュッセウス’(3/31)。‘レースを編む女’同様、多くの視線を集めそうなのが‘大工ヨセフ’。これがまた見れるのは嬉しい限り。

ほかで、注目の作品はプッサンの‘川から救われるモーセ’、ル・ナン兄弟の‘農民の家族’。パリに行かないで、これほどの名画が鑑賞できるのだから有難い。同じ時期、国立新美でもルーヴルの工芸品が展示されるが、景気の悪化で節約志向が強くなっているから、こちらはパスされる?

話が少し横にそれるが、来年の展覧会環境は大変厳しいのではないかと思っている。一般的にいって、1400円の観覧料を数の多さで納得させるような企画展には人が集まらないことは目に見えている。展示内容は厳しくチェックされるはずだから、海外からやってくる西洋絵画の場合だと、いつも言っているが画集に載っているような作品が最低3点くらいないとダメだと思う。

それが見せられない展覧会だと話題にならず、その結果、多くの人を集める美術館と人がさっぱり入らない美術館の二極化現象が進む。来年はこういう傾向が一層強まるような気がする。

ルーヴルで是非取り上げておきたい感動の名画は次の3つ。
★カルパッチオの‘エルサレムでの聖ステパノの説教’(上の画像)
★レンブラントの‘バテシバ’(真ん中)
★ドラクロアの‘民衆を導く自由の女神’(下)

ナショナルギャラリーにあったジョルダーノの‘ペルセウス’と同じくらいのサプライズだったのが、カルパッチオ(1455~1525)の聖人画。このヴェネツィア生まれの画家の作品はミラノのブレラ美やヴェネツィアのアカデミア美で見た経験はあるが、それほど強く印象に残ってない。

でも、‘聖ステパノの説教’には200%参った! 明るい色調とエルサレムの町を広々ととらえる画面構成におもわず惹きこまれる。前景に説教をする聖ステパノとそれを取り囲む人々を大きく描き、その向こうに小さく人物を配し、空間の広がりをつくっている。聖ステパノはユダヤ教の律法をおかしたとされ、人々に町から連れ出され石打ちの刑で殉教した。

‘バテシバ’はルーヴルにあるレンブラント(1606~1669)作品では一番印象深い。その気持ちは最初にここで見てからずっと変わってない。美しい顔と豊満な肉体をもったバテシバは聖書にでてくる女性という感じではなく、レンブラントと同時代を生きた女性そのもの。

バテシバのまわりは闇につつまれ、彼女の足を手入れしている年老いた女性が左下にみえるだけ。自然と視線が集中するのが左からの光が照らし出すバテシバの滑らかな肌。この絵が目に焼きついているのはバテシバが顔を横向きにしているからかもしれない。

ルーヴルの定番、ドラクロア(1798~1863)の‘自由の女神’はじっとながめているとだんだん気分が高揚してくる。革命の熱気がひしひしと感じられる人物の動感描写と女神がもつ旗の目の覚める赤と青のコントラストが心を揺すぶる。そして、あのフランス国歌♪♪が聞こえてきた。

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