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2008.12.18

千年紀ー源氏物語の色

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日本橋高島屋8階ギャラリーで行われていた‘千年紀ー源氏物語の色’(12/11~
12/16、入場無料)の余韻に浸っている。染織家吉岡幸雄氏が源氏物語の色を10年がかりで再現したという記事が12/9の朝日に載っていたので興味深々で日本橋に出かけたが、展示してあった布、和服100点の鮮やかな色彩に200%魅了された。

源氏物語54帖で色が表現された箇所(368色)を抽出し、その色を伝統的な植物染の技法にのっとって再現したのだという。まったくすごい仕事をされたものである。54帖の色は10月に出版された‘源氏物語の色辞典’(紫紅社)に掲載されているから、当分は毎日これを楽しもうと思っている。

今年は横浜美の‘源氏物語の1000年展’(拙ブログ9/1110/22)に2回通い、また、NHKの関連番組をしっかり見るなど、源氏物語に最接近していたので、ちょうどいいタイミングで平安王朝における衣装の色を目にすることができた。

徳川美と五島美が所蔵する国宝‘源氏物語絵巻’の復元模写が完成したとき(05/11/1406/2/1907/11/30)、そのすばらしい色合いに心を奪われた。と同時に、これを実現した修復家や最新の機器やCPを使って色の分析をし、側面から修復家の作業を支援した人たちに感謝しても感謝しきれないという気持をつよく持ったが、吉岡氏のこの偉業にたいしても頭が下がる思いである。

上は最初の‘桐壺’の帖。往時の女人たちは衣装を何枚も重ねて着、その襲(かさね)の色目を楽しんでいた。その色目は四季折々の草花の彩りを映しており、春は紅梅、桐、柳、桜、夏は藤、撫子、秋は女郎花、萩、菊、紅葉といったふうに多彩を極めている。

‘桐壺の襲’では五月に咲く桐の紫の花と葉の緑が再現されている。紫系の色は根が染料となる多年草・ムラサキは入手が困難で、染めが安定してないので思った紫を出すのは大変難しいそうだ。源氏物語では‘紫’が主役。諧調を変えた紫をじっとみていると、雅で高貴な雰囲気が伝わってくる。

真ん中の‘紅葉賀’の帖では、目の覚めるような赤と明るい黄色にぐぐっと惹きこまれた。染料のもとになる植物を変えて色の差を出している。紅葉というと赤のバリエーションはあまり無いように思うのだが、人々は自分の感性で紅葉をイメージし、色を変えて衣装を重ねていたようだ。

下は‘澪標’の帖に飾ってあった布の左半分。住吉詣をした源氏の一行にはさまざまな官位の人たちが随行していたことを想定し、一位から八位までの色を見せている。右半分が一位の色‘深紫’から四位の‘深緋’で、画像は五位から八位までの色。再現された八位の明るい青‘深縹’に目を奪われた。

会場には源氏物語の色が使われたショールとか風呂敷、ハンカチ、和紙、バッグ、眼鏡入れなども販売されていた。伝統の色がこういうふうに現代感覚のファッションにもうまく生かされているのをみると、日本というのはつくづく美術大国だなと思う。

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