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2008.12.11

08年感動の美術鑑賞プレイバック! 小林かいち展

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今年も20日を残すのみとなり、予定の展覧会もほぼ終わりかけているので、拙ブログは本日より08年美術鑑賞の振り返りモードにフェイズイン。振り返りと言っても、そのとき取り上げた作品のリフレインではない。

国内では今年も大きな感動が得られた展覧会がいくつもあり、また、海外の美術館でも名作の数々に遭遇したが、画像3点という内規やほかの画家とのバランスで割愛せざるを得なかった作品がある。で、そんな絵にスポットを当てようというわけ。題して‘08年感動の美術鑑賞プレイバック!’。一番バッターは1~3月、竹久夢二美で行われた‘小林かいち展’(1/14)。

‘犬も歩けば棒にあたる’とはよく言ったもので、つい最近、過去に一度しか行ったことのない有燐堂本店(伊勢佐木町)に別の用件で行ったら、跳びあがるほどうれしくなる美術本があった。それは10月に出版された生田誠、石川桂子共編‘甦る小林かいち 都モダンの絵封筒’(二玄社)。

‘小林かいち展’では図録が無く、感激した絵葉書や絵封筒が常時見れなくて残念な思いをしていたが、この本にはここに出た絵封筒(75点)を含めて魅力的な意匠の絵封筒が244点紹介されている。山田俊幸編の‘小林かいちの世界 まぼろしの京都アールデコ’(国書刊行会、07年5月、07/8/28)とこの本が手に入ったので、これまで以上に‘小林かいちワールド’を楽しむことができる。これほど嬉しいことはない!

本を見て展覧会での感激が蘇えってきた。グッとくるのがあまりに多いので選択に迷うが、とくに惹かれたものを3点を取り上げた。
★舞妓シリーズの一点 (上の画像)
★七曜日シリーズの水曜 (真ん中)
★京名所十二ヶ月の五月鴨川 (下)

上の舞妓の衣装には200%KOされる。現代でも通用するモダンなデザインが1940年代に生み出されていたことに強い衝撃を受ける。こうした模様は着物(帯など)にも使われていたようだ。京都文化というのはやはりすごい!‘水曜’も心を揺すぶる。金で縁取った青の水面がゆらゆらしている感じで、そこに裸婦が横向きで浸かっている。まさにアールデコ調。

絵封筒のモティーフとしてはモダンガールや舞妓のほかに、花、ゴンドラ、キリスト教、風景、蝋燭、トランプ、クロスワード、流行歌などがある。初期の色使いは淡いものが多かったが、赤黒の2色を使い、金銀でアクセントをつける色彩へと変化し、さらに色数を増し、一層華やかな色調になっていく。

かいちの意匠のすばらしいところは、西洋のモダン感覚と余白をとる日本美術のエッセンスがうまく融け合っていること。京都風景を描いた‘京名所シリーズ’でうっとりするのが‘五月鴨川’。画面上に赤い提灯をみせ、真ん中からすこし右にずらした所に後ろ姿の舞妓を描いている。巧み構成にほとほと感心する。

ミューズが昨年、小林かいちに引き合わせてくれたことを心から喜んでいる。また、かいちの作品に出会えればいいのだが。

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