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2008.11.01

たばこと塩の博物館の近世初期風俗画展

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渋谷パルコ前にあるたばこと塩の博物館で現在、行われている‘近世初期風俗画 躍動と快楽’(10/25~11/30)はmemeさんのブログで教えてもらった。まったく見落としていたので、感謝々。

作品は会期中28点(展示替えあり)と多くはないが、びっくりするほどいいのを揃えているのは、この博物館が11/3に開館30周年を迎えるから。どの美術館でも節目の年に開催される特別展は出かけるに限るが、作品のなかに追っかけている‘醍醐花見図’(重文、10/25~11/12)と‘洛中洛外図(歴博甲本)’(重文、11/18~
11/30)が含まれているので、楽しみが倍増といったところ。

二つを所蔵する国立歴史民俗博があるのは佐倉市。遠くまで出かけるのはちょっとしんどいから、いつか会えるだろうと気長に待つ作戦だったのに、思わぬところで見れることになった。何事も‘待てば海路の日和あり’である。

秀吉が花見をする場面を描いた‘醍醐花見図’は秀吉をはじめ、北政所やお付きの女、家臣らが比較的大きく描かれているので見やすく、絵のコンディションもそこそこ保たれている。これに替わって展示される‘洛中洛外図’もとても楽しみ。

風俗画では画面全体に様々な場面が細かく描かれて、人物も大勢登場するから、色がはげ落ちたり、くすんでいると、見ててすごく疲れる。だから、いつもコンディションのよくない絵はさらっとみて、色がよく残り明るい画面の作品を中心に見ている。

今回は一場面々がクリアに目のなかに入ってくる作品がいくつもある。再会した‘風俗図屏風’(拙ブログ07/4/25)とか上の‘四条河原遊楽図’(部分)など。‘四条河原’は相撲の場面。相撲が描かれた風俗画は意外に少なく、洛中洛外図には出てこない。この博物館蔵の‘月次風俗図’にも相撲がみられる。どこに描かれているかは見てのお楽しみ。

真ん中は‘清水寺遊楽図’(部分、MOA)。MOAへは何度も行っているのに、これとは縁がなかったが、やっと対面できた。舞台で金色の派手な衣装を着て踊っているのは女歌舞伎一座の面々。舞台の前で見ている男に目をやると大きなきせるで喫煙している。

ここはたばこの会社が運営している博物館だから、煙草を吸う場面が描かれた風俗画をいろいろ見せてくれる。下はサントリー美蔵の‘邸内遊楽図’。これも明るい画面なので細部までしっかり楽しめる。左半分に見どころが多い。庭では女たちが洒落た模様の着物を身につけ踊りに興じ、その輪舞を遊女が渡り廊下のところから眺めている。

当然のようにこの女はきせるをもっている。そこから視線がすぐ移るのが隣の風呂から上がった男女が酒を飲んだり、きせるで一服している場面。また、湯上りで体がほてっているためか太腿をチラッとみせ、まったり気分の着物姿の女にも心がざわざわする。

最後のコーナーに女性数人を画面いっぱいに大きく描いたのが並んでいる。お気に入りは以前見たことのある‘桜下弾弦図’(06/3/6)。後半(11/13~30)に登場する作品も是非みたいので、また足を運ぶことにした。

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コメント

本当に状態の良い屏風ばかりで、細部まで
じっくり見ることが出来てうれしかったです。
だから、あれだけの枚数しかなくても、2時間
じっくりと眺めてました。
桜下弾弦図のまわりはすばらしいオーラが出ていた
ように感じました。

投稿: 一村雨 | 2008.11.04 05:11

to 一村雨さん
memeさんのブログをみて早速出かけました。
京博、サントリー、出光、国立歴史民俗博蔵
の有名な風俗画がこれほど集まっているとは
思ってもみませんでした。クリーンヒットで
すね。

投稿: いづつや | 2008.11.04 23:23

こんばんは。
洛中洛外図のような風俗画は登場人物が多いため
見ているといくら時間があっても足りません。

小林忠先生に「もったいない」と言わしめただけの
内容です。
会期中あと2回くらい行ってみようと思ってます。

投稿: meme | 2008.11.05 20:29

to memeさん
この展覧会はNOチェックだったので、memeさん
のアップに感謝々でした。明るい風俗画が多かっ
たのは気合いが入っている証拠ですね。

後期の楽しみは歴博甲本です。東京でみれるのが
何よりです。

投稿: いづつや | 2008.11.05 23:26

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アンテナには、引っかかっていなかったのだが、先日の飲み会で、お勧めの展覧会として紹介されたもの。この日は30周年記念ということで入場料半額のたった150円。超お徳だった。とにかく、キンキラキン〜の作品が多い。洛中洛外図屏風(歴博D本)の金雲なんか、まったく落...... [続きを読む]

受信: 2008.11.04 05:09

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