« WBCのコーチ陣決定! | トップページ | 驚愕の石田徹也展! その二 »

2008.11.14

驚愕の石田徹也展! その一

196
197
198
一年前、衝撃的な出会いをした現代アーティスト、石田徹也の回顧展(11/9~
12/28)が今、練馬区立美で開かれている。これは高山辰雄展とともに開幕を首を長くして待っていた展覧会。

作品70点のうち、21点を静岡県美が所蔵している。石田徹也が04年、31歳で亡くなったあと、焼津市に住んでおられる遺族が作品を寄贈したのか?それとも美術館が購入したのか、そのあたりの事は知らない。ほかはCB COLLECTION蔵7点、第一生命2点 、残りの40点は個人蔵となっている。個人蔵というのは遺族のことなのか、遺族の手を離れてほかの人の所蔵なのかはわからない。まだご両親が持っておられるのではないかと勝手に想像している。

六本木で16点みたとき(拙ブログ07/11/15)、06年に刊行された‘石田徹也遺作集’(求龍堂)を購入し、この画家の代表作を目に焼きつけた。それらが目の前にあるのである。これほど早く鑑賞できるとは思ってもみなかった。

石田徹也の絵をみて驚愕することが二つある。一つはシュルレアリスト、マグリットの作品を思い起こさせる豊かなイメージ力。もう一つは速水御舟ばりの対象の質感をとらえる精緻な描写。マグリットも御舟も大好きな画家だから、石田徹也にものめり込んでしまう。まずは、日本のマグリット、石田徹也から。

CMのクリエーターが参った!と言いそうな作品がいくつもあるから、見てて本当に楽しい。上は画集で知り、見たくてしょうがなかった‘飛べなくなった人’。絵を見てしまうと、自分でも考えあぐねれば思いつきそうな気もするが、すぐそういうことを思う自分が恥ずかしくなる。

そう、こんなアイデアは並の人間からは生まれてこない。この飛行機は小さい頃漫画でみた‘零戦’のイメージ。そして、翼と胴体に描かれたマークはミッキーマウス。錆びついた戦闘機と可愛いミッキーマウスの組み合わせがおもしろい。

真ん中は最もマグリットの絵を想起させる‘燃料補給のような食事’。これがもし売りに出されたら、海外のコレクターが高値で落札することは間違いない。日本のアーテイストがこんなすばらしいシュルレアリスム絵画を生み出したことが嬉しくてたまらない。これ一枚で石田徹也は世界的なアーティストになったと言っても過言でない。

生活のテンポが早く、なにかと忙しい都会のサラリーマンにとって、食事にあまり時間をかけていられない。通勤途中や昼食時に立ち寄るスタンドで飲むコーヒーやソフトドリンクはこんなイメージかもしれない。誰でも感じるこうした光景をガソリンスタンドの給油とダブらせるというアイデアがまったくすごい!

下は画集に載ってなかった作品、‘トヨタ自動車イプサム’。これは数少ない陽気な絵のひとつ。新車を売りだす自動車会社の宣伝マンたちの仕事ぶりをマグリット流の画風で表現している。マラソンの駅伝競技に出るランナーみたいにゼッケンをつけ、そこに新車のセリングポイントやキャッチコピーを書いている。目を楽しませてくれるのが足元のミニチュアカーと頭に被っているタイヤやボディーのつくりもの。

また、TVを前と後ろに背負っているネクタイ姿の男性の絵とか、お酒を飲んで顔を赤くした若いサラリーマン3人が飛行機になって空を飛んでいる絵などにも魅了された。

|

« WBCのコーチ陣決定! | トップページ | 驚愕の石田徹也展! その二 »

コメント

まったく知りませんでしたが、面白そうな画家ですね。こんな日本人がいたとは。しかも若くして亡くなられている。いづつやさんの知見の広さに改めて感服しました。「飛べなくなった人」は、ひょっとすると村上隆のキャラクター"DOB"へのオマージュ(もしくは反発)なのでは、という気もしました。

投稿: 高橋一 | 2008.11.15 22:22

to 高橋一さん
こんばんは。マグリットが好きなものですから、
石田徹也の作品にいっぺんにのめり込みました。

質感をリアルにとらえる細密描写に驚いてます。
高い技量と並はずれた集中力がないと
こんな絵は描けないでしょうね。31歳で亡く
なるなんて、ほんとうに惜しいことをしました。

投稿: いづつや | 2008.11.16 00:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65878/43115743

この記事へのトラックバック一覧です: 驚愕の石田徹也展! その一:

» 石田徹也、ピカソ、ボストンの浮世絵 [流行モノ雑学で遊ぶ]
きのう3つの展覧会をはしごして、例の如く足が棒になった。ボストン美術館浮世絵名品展、巨匠ピカソ展、石田徹也、いちばん強烈な印象をのこしたのは、石田徹也展。 [続きを読む]

受信: 2008.11.20 19:40

« WBCのコーチ陣決定! | トップページ | 驚愕の石田徹也展! その二 »