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2008.11.11

大琳派展 その九

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大勢の人を集めている‘大琳派展’(東博)は会期が残りわずかになってきた(11/16まで)。この展覧会は出品作を全部見ようとすると、どうやりくりしても3回の訪問が必要。あらたな作品は15点(プラス展示替え10点)と少ないが、琳派狂いとしては一点たりとも見逃すわけにはいかないので、また足を運んだ。

相変わらず会場内は混雑している。でも、作品の前の列が全然動かないということはないから、人を掻き分け進んでいくと1時間くらいで新登場の絵をみることができた。15点のうち、はじめて見るのは宗達の水墨画‘撫子杜鵑図’(なでしこほととぎす)、‘兎図’の2点のみなので、作品へのワクワク感というのはあまりなく、名画と再会する喜びを噛みしめようという気持ちのほうが強い。

上は光琳の‘竹梅図屏風’(重文、東博)で、はじめて対面した時のことは拙ブログ05/2/23に書いた。これはあまり大きくない屏風。視線が集まるのが右の二本の竹に囲まれた梅の木。枝の一部が真ん中で折れ斜め下にのびていたり、細い枝が交差し、そこに咲いている梅の花は木全体の印象深いフォルムとともにしっかり目に焼きつけられる。

光琳は技量の高い絵師だから、構図を決めてからは、あまり時間をかけずささっと筆を走らせ、一気に描いたのであろう。一見すると平面的な画面だが、質感が伝わってくる竹が太さを変え、さらに墨に濃淡をつけて描かれているので、奥行きのある空間になっていることに気づく。

真ん中は会期中展示されている抱一の‘夏秋草図屏風’(重文、東博)。これは光琳の‘風神雷神図屏風’とともに東博にある琳派作品では皆がすぐ思い浮かべる名作。よく音楽や音が聞こえてくる絵に出くわすことがあるが、この絵からは風の音が聞こえてくる。ススキがかなり左にまがっているから、ときおり強い風が吹いているのかもしれない。

サティの音楽を流しながら、左の秋草の絵をみているととてもいい気分になる。構成で惹きつけられるのが右上に描かれている群青の水流と左の葛の葉が対角線的に配置されて、右の大きな白百合を挟んでいるところ。

下は今回一番長く見ていた鈴木其一の‘夏秋渓流図屏風’(重文、根津美)。画像は左隻の秋のほうで、右隻が夏の渓流(06/6/14)。師匠の抱一同様、其一も夏と秋の光景をモティーフにしたが、絵の趣はだいぶ異なる。

この絵の主役は渓流とこげ茶色の樹幹がすごくインパクトのある木々。琳派というと華やかで柔らかい画風をイメージするが、これは同じ琳派でも構成がかっちりしていて、筋肉質の男性を連想させる木々が立ち並ぶなかを広がりのある渓流が岩に流れを変えられながら滔々と流れていく。

あたり一面は生き生きとした新鮮な空気につつまれている感じで、土坡の緑、岩面の金色、水流の目の覚める青、幹のこげ茶の色の組み合わせはとても斬新でシャープ。其一のその時空をこえた現代的な感性にはほとほと感心させられる。また、この絵にKOされた。

名作を目いっぱい見せてくれたこの展覧会には感謝してもしきれない。もう大二重丸である。

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