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2008.11.08

徳川美の室町将軍家の至宝を探る展

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3日前のmemeさんの記事で知った‘室町将軍家の至宝を探る展’(10/4~11/9)を見るため、急遽名古屋の徳川美術館を訪問した。

5月にここであった‘桃山・江戸絵画の美’(拙ブログ5/15)に大満足だったので、もう今年はいいなと思っていたら、秋にも10年に一度クラスのすごい企画展が開かれていた。すべり込みセーフでこのビックな展覧会をなんとか見ることができた。たばこと塩の博物館の情報に続いてまた助けていただいたmemeさんに心より御礼申し上げます。

何としても出かけなければと思ったのは上の国宝‘宮女図’(元時代、伝銭選筆)と真ん中の‘油滴天目’(重文、南宋時代、九州博)が出品されていたから。‘宮女図’のことは最近とんと忘れていた。理由はこれは個人がもっているものなので、8割近く諦め気分なのである。

同じく長らく追いかけている徽宗の描いた‘桃鳩図’(国宝、05/5/29)も個人蔵だが、こちらは4年前、根津美であった‘南宋絵画展’にわずか5日だけ展示された(日程が合わなかったので鑑賞できず)。頭の中から消えていた‘宮女図’がmemeさんのブログに突如現れた!もう出かけるしかない。これを見逃したら、もう二度と見られないだろう。

一見すると、この人物は男性?!実は男装の宮女で、手の指の爪先を見ている。やさしそうな横顔や細い指や鳥紗帽から出た後ろ髪がとても繊細に描写されているから、徐々に女性画鑑賞モードになってくる。腰の帯にはさんでいる横笛などをみると男の衣装に慣れてない感じで、腰が少し‘く’の字になっているのもまぎれもない女性の姿。この宮女の小指にしばらく悩まされそう。

‘油滴天目’は期待通りの名碗だった。大阪市立東洋陶磁美蔵の国宝(07/10/23)同様、油滴の斑文が光に当たって輝く様がなんとも美しい。息を呑んで眺めていた。天目はほかに徳川美蔵の10点と文化庁蔵の‘灰被天目 銘 虹’があるが、はじめてお目にかかった‘虹’が心を打つ。

中国絵画で‘宮女図’とともに収穫だったのが梁楷(りょうかい)の下の‘布袋図’(重文、香雪美)。梁楷は‘寒山捨得図’(MOA、前期展示、07/2/14)にもみられるように、笑い顔と動感の描写が実に上手い。大きな腹の底から笑っている布袋さんに圧倒されてしまった。本当にいい絵を見た。

また、再会した李迪の‘雪中帰牧図’(国宝、大和文華館)や玉澗の‘洞庭秋月図’(重文、文化庁)、‘遠浦帰帆図’(重文、徳川美)、夏珪の‘山水図’(重文、畠山記念館、06/11/2)など南宋絵画の名品にも魅了される。

展示は明日一日しかないが、関心のある方はお見逃しなく。あの高名な美術史家、辻惟雄氏も隣で熱心に鑑賞されており、少し話をしたら、‘宮女図’が特別展に出品されるのは47年ぶりとおっしゃっていた。

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コメント

おはようございます。
何と「宮女図」は、めったに拝めない作品なのですね。
良かった、見られて。

>宮女の小指にしばらく悩まされそう。

分かります。妖しいのではなく、繊細、優美、可憐といった風情の作品でした。

辻先生も来名されていたのですね。
名古屋に住んでたら、再訪してました。

投稿: meme | 2008.11.09 10:11

to memeさん
‘宮女図’は47年ぶりの出品とのこと。
これまで見れなかったはずです。memeさんが
記事にされなかったら、見逃すところでした。
本当に感謝しております。

辻先生も学芸員の方と一緒に時間をかけて
一点々みておられました。

投稿: いづつや | 2008.11.09 17:00

宮女図は京博の常設によく出ますよ。中国絵画のコーナーに2年連続で出てました。

投稿: あーうる | 2008.11.25 02:15

to あーうるさん
返事が遅れて申し訳ありません。
徳川美の学芸員の方も京博で見られたと
おっしゃってました。で、特別展として出品
されたのは47年ぶりだったようです。

ここ4年くらい京博の平常展を定点観測し
ているのですが、見落としたのか、官女図は
ひっかかりませんでした。もし、過去4年の
うちに展示されたのでしたら、本当に迂闊だ
ったなという感じです。これからもよろしく
お願いします。

投稿: いづつや | 2008.12.06 23:44

こちらこそよろしくお願いします。京博の平常展が5年見れなくなるのが残念です。

投稿: あーうる | 2008.12.08 02:57

to あーうるさん
京博の平常展示にはいい作品がよくでます
から、これが見れないのは本当につらい
ですね。

投稿: いづつや | 2008.12.08 17:35

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