« 畠山記念館の渋ーいやきもの! | トップページ | 楽しみ満載の東博平常展! »

2008.11.06

秋の日にとっておきの柿の絵!

175
177_2
176
昨日の柿の蔕を思わせる茶碗にコラボして、柿を描いた作品を取り上げることにした。

果物は毎日食べており、秋の定番である柿も回数は少ないがおいしくいただいている。ほどよい甘さのある柿は果物の中では一番固いから、歯が悪い人には食べにくいかもしれない。食べるときに気をつけているのは苦い種に歯がかからないようにすること。でも、あの苦い味に口のなかを占領されることがよくある。

秋の風情をテーマにして描かれた日本画のなかに何点かいい柿の絵がある。お気に入りは次の3点。
★横山大観の‘晩秋’: 足立美(上の画像)
★小林古径の‘しゅう采’: 山種美(真ん中)
★小野竹喬の‘夕空’: ウッドワン美(下)

‘晩秋’は冬の到来が近いので柿の実が少ない。枝の上にいるシマリスはその柿をもう半分くらい食べている。リスは動きがとても早いが、ものを食べるときもとにかく忙しい。残りの柿もすぐ食べられてしまいそう。柿の紅葉が好きだった大観には赤と緑のコントラストが印象深い‘柿紅葉’(永青文庫)という傑作があるが、‘晩秋’では墨と抑え気味の赤を使って柿の木や実を描いている。静かで寂しさの漂う秋の光景が見る者の心をとらえて離さない。

真ん中の‘しゅう采’は本当にいい絵。東山魁夷の‘年暮る’が冬の雪を深々と感じさせてくれるように、秋になると古径のこの柿の絵を無性に見たくなる。松尾芭蕉の‘柿食えば、、、’ではないが、秋をイメージするのはやはり柿と紅葉の赤。柿をこんなに上手に描く画家は古径のほかには酒井抱一しかいない。抱一の‘花鳥十二ヶ月図’(三の丸尚蔵館)に描かれた‘十月 柿に小禽図’同様、この絵に200%参っている。

カラリスト、小野竹喬の‘夕空’も大好きな絵。画面全体に美しい茜色の空が広がり、それを背景にして、右半分の柿の実が逆光により黒々と描かれている。左の木の葉は落ち、柿の実も半分くらい無くなっている。晩秋の夕空の感じがしみじみ伝わってくる名作である。この絵は9年前、岡山県の笠岡市にある竹喬美術館であった回顧展で見た。そのとき以来、色彩感覚のすばらしい竹喬の虜になった。だから、もう一度大回顧展に遭遇したいと思い続けている。

来年は安田靫彦展が久し振りに茨城の五浦美で開催されるから、小野竹喬もそろそろかなと勝手な予想をしている。

|

« 畠山記念館の渋ーいやきもの! | トップページ | 楽しみ満載の東博平常展! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 秋の日にとっておきの柿の絵!:

« 畠山記念館の渋ーいやきもの! | トップページ | 楽しみ満載の東博平常展! »