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2008.11.12

UKIYO-e TOKYO の隅田川の四季展

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ららぽーと豊洲のなかにあるUKIYO-e TOKYOで行われている開館ニ周年特別展‘隅田川の四季’(後期11/5~24)を見てきた。平木浮世絵財団がこのショッピングセンターに常設展示コーナーを設けて以来、定期的に通い、質の高い浮世絵コレクションをエンジョイさせてもらっている。

前回の鑑賞は6月の‘広重の六十余州名所図会’(拙ブログ6/7)だったから、すこし間隔が空いた。後期の作品数は52点。前期もそのくらいの数がでていたのだろう。タイトルが隅田川なので、当然広重作品が多くあることを期待していたが、その読みがズバリ当たり、26点あった。しかも嬉しいことにこれまで見たことのないものがぞくぞく目に前に現れた。特筆ものは摺りの状態が大変いい‘名所江戸百景’13点。

名所江戸百景は太田記念美が所蔵するものがベストと言われているが、ここのも同じくらい色が鮮やか。だから、一点々夢中になって見た。上は有名な‘大はしあたけの夕立’。にわか雨を表す斜めの墨線と下の深い藍色に目が釘付けになる。藍のグラデーションのすばらしさはこの絵だけでなく、‘佃しま住吉の祭り’、‘永代橋佃しま’などにも見られる。これらと遭遇しただけでもここへ足を運んだ甲斐がある。

浮世絵は数は少なくても一級の摺りの絵をみればそれで大満足。ボストン美やベルギーロイヤルコレクションなど海外の美術館から里帰りした浮世絵をみる度に、浮世絵鑑賞の最大の楽しみは鮮やかな色にあるなと実感するが、国内でもいい摺りのものはあるところにはある。‘六十余州’もすばらしかったが、ここは上質の‘名所江戸百景’もちゃんと揃えていた。こういう好体験が重なると、東博同様、定点観測が欠かせなくなる。

真ん中は同じく広重の‘東都名所 隅田川花見之図’。大勢の人が行き交う道は土手で少し高くなっているので、手前中央から三人の男女が細い道を上がっている。広重はこのように空間を立体的に描写するのが天才的に上手い。‘名所江戸百景’でも人々が坂道を登ったり、下ったりするところや神社の石段を下から上がってくる場面がいくつかでてくる。

風景画の名手は北斎、広重だけではない。渓斎英泉の‘江戸八景 隅田川の落雁’や下の歌川国芳の‘東都富士見三十六景 隅田堤の夕富士’も魅力あふれる名作。‘隅田堤’は構図がすばらしい!見る者の視線をまず、堤の上で腕を差し出している二人に集め、そのままその目を左の大きな傘のような木のなかにおさまっている富士山に移動させる。自分も夕闇せまるこの場にすっ飛んで行き、浅草寺の五重塔の向こうに見える富士を一緒に眺めていたい気分である。

ほかでは季節はずれるが大きな花火絵も見所のひとつ。これぞ江戸の花火エンターテイメント!見てのお楽しみである。

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コメント

いづつや様
風情のある作品を掲載していただき有難うございます。大の広重好きなのですが、隅田堤の夕富士のような作品も大好きで、現代人にもかかわらずノスタルジックな気分になるのはなぜなのか・・。ともあれ、感謝、感謝です。
(本稿とは直接関係ありませんが、私も牡蠣は大好きです。英国も今は牡蠣が旬です)

投稿: 青江 | 2008.11.23 01:06

to 青江さん
返事が遅れて申し訳ありません。
広重だけでなく、国芳の絵も楽しんでいた
だけたことを心から喜んでいます。まだまだ、
広重と歌麿に集中してます。

パリでカキは食べたことはあるのですが、
ロンドンではまだです。いつか舌鼓を打ち
たいですね。

投稿: いづつや | 2008.12.06 23:35

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