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2008.10.20

バーナード・リーチの動物文やきもの

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民芸派の陶芸家、濱田庄司、河井寛次郎とくれば、バーナード・リーチを取り上げないわけにはいかない。リーチ(1887~1979)の作品はこれまで二つ紹介した。ともにお気に入りの動物を描いたもので‘楽焼大皿兎’(1919、日本民藝館、拙ブログ07/9/25)と‘ガレナ釉筒描蛸図大皿’(1925、東近美工芸館、05/12/27)。

動物図はほかにもいくつかの美術館でみたが、その中でとくに魅せられているのは次の3点。
★ガレナ釉筒描ペリカン図大皿:1925、アサヒビール大山崎山荘美(上の画像)
★鉄絵組合せ陶板‘獅子’:1930、大原美(真ん中)
★ガレナ釉筒描山羊図大皿:1952、日本民藝館(下)

リーチは1920年から故国イギリスのセント・アイヴスに若き友濱田庄司(リーチが7歳年上)と一緒につくった窯で、当時廃れていたスリップウェアと呼ばれるガレナ陶器の復興に取り組んだ。蛸やペリカンはこの時の作品。セント・アイヴスはイギリスの最西端コーンウォー州の小さな漁業の町。

このペリカン図は本当にすばらしい。首を曲げて胸を前に突き出す格好をした母鳥が三羽の雛を育む様が微笑ましく、母鳥の大きな愛情を感じる。同じカレナ釉の皿では大原の‘人魚図’や大山崎山荘の‘グリフィン図’なども大皿の底面に躍動的に生き生きとした姿で描かれている。

陶板の‘獅子’を大原美で見た時の衝撃はいまでも忘れられない。これもリーチ・ポタリー(製陶所)でやかれた。目を見張らされるのが左右の陶板4枚にバランスよく配された鋭い爪をした足と尾っぽ。ひねった胴体の周りに波の様な図案を連続させ、獅子の獰猛さをより印象づけているところにも感心させられる。

リーチは日本に13回やってきているが、下の‘山羊図’は1953年の来日の前年にセント・アイヴスで制作されたもの。リーチはこのとき65歳。黄色の地に勢いよく走る山羊だけが描かれており、そのシルエットがとても美しい。

リーチが60年間生活し制作に励んだリーチ・ポタリーは02年の頃、すっかり荒廃し売りに出されるという存亡の危機に直面したが、イギリスと日本の有志からの寄付により修復が進み、今年の3月に一般公開がスタートしたという。これからは教育施設として、また現代陶芸家の作品を展示する場所として活用されるとのこと。とてもいい話である。

日本の美術館でリーチの作品を沢山持っているのは日本民藝館、大原美、大山崎山荘美。民藝館に常時展示してあるのはそう多くないが、大原と大山崎山荘は結構あるからリーチ芸術を満喫できる。もうひとつ個人コレクターの美術館を以前TVでみたことがあるが、どこだったか記憶が蘇らない。

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