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2008.10.12

大琳派展 その四 尾形乾山

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尾形乾山の作品はやきものが17点、絵画が4点の計21点。後期(10/28~
11/16)に出品される藤田美蔵の角皿2点以外は会期中展示される。

これまで、乾山のやきものは昨年の‘乾山の芸術と光琳展’(出光美)など大きな回顧展があるたびに欠かさず見てきたので、再会するものが多い。だから、乾山ワールドをまた楽しむといった感じ。

‘色絵定家詠十二ヶ月和歌花鳥図角皿’は上の個人蔵、MOA、出光美蔵と3つあるが、今回でているものが構図の取り方や描写の丁寧さでは一番いい。四つの皿は1~4月に詠まれた歌を絵画化したもの。‘二月’(右下)の花と鳥にとりわけ惹かれている。

全体的に余白の多い白の素地に、スッキリした印象を与える緑や朱を使って詩情豊かに山々や木、草花を描き、その中に愛らしい鳥を一羽、ないし数羽配置している。こういう角皿が手元にあっていつも眺めていられたら、どんなに幸せか。

会場の一角に角皿が4点並べてある。兄の光琳が絵付けをした‘銹絵観鷗図’(重文、東博)と‘銹絵牡丹図’(MIHO MUSEUM)、そして乾山自身が描いた‘色絵桔梗図’(拙ブログ07/12/7)と‘色絵桜図’。‘桜図’を春の時分にみると爽快な気分になるだろう。

同じことが真ん中の白い桜が咲き誇る‘色絵吉野山図透彫反鉢’(MOA)にも言える。口縁を切り込み、円形の透をあけた乾山の反鉢には桜や紅葉や紫陽花を描いたものがあるが、春の桜を選んだのは隣の‘色絵龍田川文向付’(大和文華館)が紅葉の形をしているから、紅葉ばかりでは面白くないと思ったからだろう。この龍田川文は大きくて見ごたえがあり、以前みた逸翁美蔵同様、心に響く。

大和文華館からは定番の名品がもう二つ出品されている。空を飛ぶ菱形の鳥と赤ん坊の手のような波頭がどこかユーモラスな‘武蔵野隅田川図乱箱’(重文)と光琳との合作‘銹絵山水楼閣図四方火入’。

絵画の‘定家十二ヶ月花鳥図’(4点)は出光美でもお目にかかったからさらっとみて、下の‘立葵図屏風’(二曲一双)に急いだ。94年に名古屋市博であった琳派展のとき、この絵は展示替えのため見れなかった。以来、いつかこの目でと思い続けてきたが、ようやくそれが実現した。

図版のイメージとは違って意外に大きな屏風だった。光琳も‘孔雀立葵図屏風’で立葵を描いているが、乾山の立葵のほうがより意匠化されている。また、光琳に比べ色数が多いだけでなく、一つ々の花びらや葉はエレガントかつ装飾的に描かれている。

白の花の中にさらにうす茶色の点を加えるところや黒に近い青の葉に使われた緑のたらし込みなどは現代でも充分フィットする意匠感覚。本当にすばらしい立葵だった。今、この絵の余韻に浸っている。

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