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2008.10.07

古伊万里展&橋本雅邦展

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松岡美術館の現在のメイン展示は‘古伊万里展’(9/30~12/23)であるが、これはだいだい見ているので、鑑賞の軸足は隣の部屋の‘橋本雅邦展’(9/30~11/9)のほうにある。1月、川口市美で念願の雅邦の回顧展を見たから、ここのコレクションは雅邦作品の締めに位置づけていた。

作品は14点。図録には上の‘雨中山水図’など3点しか載ってないから、まあ5点くらいかなと想像していたら、3倍近くあった。そのなかでとくにグッとくるのが‘雨中山水図’。回顧展に出品された作品やほかで見たものを含めても、上位ランクにあげたい名品である。

激しい雨が降るなか、笠と蓑をまとった男が棹を肩に、急ぎ足で山道を進んでいる。この動感表現にとても惹きつけられる。そして、打ちつける雨脚を表す白い斜めの線が印象的。山水画で雨の情景を広重の‘東海道五拾三次之内 庄野 白雨’のように描いたのはほかに見たことがない。雅邦の頭のなかには浮世絵の雨の表現があったのかもしれない。構成も秀逸。深い霞が漂っている山頂付近と雨が降っている下との間に横にひろがる明るい光が描かれているので、雨の情景が浮かび上がってみえる。ずっと見ていたくなる山水画だった。

古伊万里展はパスしてもよかったが、ものにはついでということがあるから、一通り見た。軽く見るつもりでも、大好きな古九谷様式の黄色や緑の世界を目の前にすると、気持ちはすぐ、‘見るぞ!’モードに切り替わる。

真ん中の‘色絵芭蕉柳図輪花鉢’は‘これぞ、九谷!’と思わせる絶品。芭蕉、柳や幾何学文様が黄色や深い緑、青で描かれている。22点の古九谷に酔ったあとは余白の白にゆったりした気分になれる柿右衛門。ここにも館自慢の名品が揃っている。お気に入りは下の‘色絵唐人物図大壺’と‘色絵花鳥文六角壺’(拙ブログ05/9/30)。

ほかでは定番文様の栗鶉文や花鳥文に足が止まった。今回の収穫はまだ見てなかった鍋島の‘色絵紫陽花図皿’と‘色絵岩牡丹図皿’。白の素地にスッキリ描かれた紫陽花と牡丹をうっとりしながら眺めていた。つくづく鍋島は品があるなと思う。やきもののなかでも大皿や大壺は圧倒される。青の発色がすばらしい‘染付鳳凰文八角大壺’、豪華な‘色絵鷲雉子図大皿’を息を呑んでみた。

さらっとまわる予定だったが、いいやきものの前ではそうもいかない。古伊万里の名品を存分に楽しませてもらった。

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