« 野村監督とイチローに救われた王さん! | トップページ | 大琳派展 その八 »

2008.10.28

大琳派展 その七

191
151
152
東博の‘大琳派展’(10/7~11/26)に今日から宗達の‘風神雷神図屏風’(上の画像、拙ブログ06/9/27)が登場した。これで、われらが雷神ちゃん、風神ちゃん4点(宗達、光琳、抱一、其一)が全部揃った。時をこえてこれらの作品が響き合う展示空間にいられる幸せをしみじみ噛みしめている。

抱一までは明らかに一見すると同じ風神雷神図のように見えるが、其一はこのモティーフをかなり変奏している。其一のは屏風ではなく、襖8面に描かれており、風神雷神の周りの雲の描き方が3人とはまったくちがう。

墨のたらし込みで表現されたこの雲は風神のまわりでは風で斜めに流れるのに対して、雷神のところではボリューム感と動きを墨のにじみやかすれにより巧みに表現している。94年の琳派展でこの絵と会ったときは、光琳の方に気がいっていたので印象が弱かったが、今回は等伯の‘松林図’を彷彿とさせる雲にすごく惹きつけられた。

宗達の原画では、風神より左の雷神がお気に入り。宗達の雷神はどういうわけか‘ケ、ケ、ケ、、’と笑っているように思えてならない。光琳、抱一の雷神からは笑い声は聞こえてこないのに、宗達の雷神ちゃんはすごく人間くさいから、親しみやすい。

光琳の風神雷神図(06/4/15)で目を楽しませてくれるのが金地に映える鮮やかな緑や赤やピンク。雷神にユーモラスさはないが、‘俺のこのポーズ、カッコいいだろう!’と言ってるようにみえるし、風神も‘太腿のところや腹のうすピンク色見てくれた。俺、色のセンスいいだろう’と胸張っている感じ。こちらもすぐ‘わかっているとも!ご両人’と合いの手をいれたくなる。抱一の風神雷神はイマイチの感じ。どうも輪郭線が光琳にくらべるとのびやかでないのが気になる。

今回見た新規の作品は51点。これに同じ絵でも場面が変わったり、シリーズものでほかの作品がでているのが20点あるから、これらを見るだけでも結構時間がかかる。会場は大勢の人であふれかえっている。腰の曲がったおばあさんを見ると‘琳派はこんなお年寄りまで惹きつけるのか!‘とすこしびっくりする。

真ん中は光琳の‘西行法師行状絵巻第四’(三の丸尚蔵館)。これは宗達の原画第二ヴァージョンを模写したもの。美しい萩の花、跳びはねている鹿、うす青、緑、白の棒のような横線が目に心地いい。

以前からいつか見たいと思っていたのが下の其一の‘流水千鳥図’(島根県美)。とくに惹かれるのが下のポップな流水のフォルム。光琳の‘流水図広蓋’(大和文華館)にみられるモダンな意匠感覚をしっかり継承し、草や千鳥と組み合わせている。まさに継承と変奏。其一は本当にたいした絵師である。

|

« 野村監督とイチローに救われた王さん! | トップページ | 大琳派展 その八 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大琳派展 その七:

« 野村監督とイチローに救われた王さん! | トップページ | 大琳派展 その八 »