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2008.10.08

森川如春庵の世界

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10/4から三井記念美ではじまった‘森川如春庵の世界’(10/4~11/30)はパスするつもりだったが、展覧会の目玉である‘対決ー巨匠たちの日本美術’で見た光悦の‘黒楽茶碗 銘時雨’(重文、名古屋市博、上の画像)だけでなくほかにもいいやきものが出ているという情報が入ってきたので、急遽出かけることにした。

益田鈍翁(どんのう、1848~1938)とか森川如春庵(にょしゅんあん、1887~
1980)については、有名な絵巻や名碗の元所有者としてよく目にするので、日本の美術品コレクターとしては群を抜いた存在だったことは前々から知っている。でも、ちゃんと本を読んだわけではないから、断片的な知識のみで、森川如春庵のコレクションの全貌はNO情報。図録でチェックすると、如春庵は光悦の茶碗だけでなく、よく知っている美濃のやきものなどを相当数所有していたことがわかった。

光悦の茶碗は有名なのが2点ある。一緒に展示されるのは久し振りとのこと。‘時雨’は‘対決展’ではじめてみたが、真ん中の‘赤楽茶碗 乙御前’(おとごぜ)は以前、五島美であった‘茶の湯 名碗展’で対面した。如春庵は16歳のとき‘時雨’を、そして3年後に‘乙御前’を手に入れている。もちろん、親の金で。

16歳で‘お父さん、僕、光悦の時雨が欲しいんだ、買ってよ!’と親にせがむのだから、もう数寄者の道へまっしぐらという感じ。鈍翁は‘おまえさん、10代で光悦を2点もっていたのかい?!’と驚いたというが、鈍翁でなくともそんな話を聞けば誰でも、如春庵の審美眼の高さに仰天する。宗達の絵に光悦が和歌を書いた下の‘蓮下絵百人一首和歌巻断簡’も如春庵の旧蔵。なんだか東博の‘大琳派展’の続きを見ているよう。

会場の一角に‘佐竹本三十六歌仙絵 斎宮女御’(展示10/4~10/13、拙ブログ06/1/31)が特別出品されている理由が最初わからなかったが、図録を読んで納得した。この歌仙絵巻を切断した際、如春庵は一番籤を引き、意中の‘柿本人麿像’を手に入れている。この人は強運の持ち主だったようだ。質の高いコレクションは資金力だけでつくれるわけではなく、たしかに運も必要だろう。また、‘紫式部日記絵詞断簡’(重文)のような名品も集めている。

やきものはぐっとくるのがいくつもあった。なかでも‘鼠志野葦雁文額皿’、‘織部四方手鉢’に会えたのは大収穫。予想を大きく上回るとてもいい展覧会だった。

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コメント

畠山記念館の今の展示とはしごされると面白いかもですね。先日日本橋高島屋行ってきたので、三井記念ちょっと覗いたら音声ガイド貸し出してるのですね、いづつやさん使われましたか?

投稿: oki | 2008.10.10 21:15

to okiさん
畠山記念は予定に入れております。ガイドは
どの展覧会でも使いません。解説文はタイトルと
所蔵先しか見ず、作品の鑑賞に終始してますから、
文字疲れはほとんどありません。

佐竹本三十六歌仙の藤原敏行像(10/15~
10/26)は見逃せないので、もう一回行く
つもりです。

投稿: いづつや | 2008.10.11 15:07

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