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2008.10.21

イチロー発言はWBC監督選考に対する外圧!

133大リーグでは昨年まで万年最下位だったレイズが7戦までもつれたレッドソックスとの戦いを制し、アリーグチャンピオンとなり、全米の野球ファンの注目を集めているというのに、日本では盛り上がりに欠けるクライマックスシリーズをセパ別々に試合間隔をたっぷり開けてやっている。

23日からはじまる大リーグのワールドシリーズ(フィリーズ対レイズ)は岩村が出場するので、待ち遠しくてたまらないが、日本シリーズへのワクワク感はどこにもない。

日本プロ野球組織(NPB)がどうしようもなく権威主義でダメな組織だから、いつまでたっても改革が進まず、日本シリーズの価値を高める努力がちっともなされない。このつまらなさ加減はこれまで何度も書いた(拙ブログ05/10/1907/11/3)。

毎年のように日本人選手がワールドシリーズに出場し、そのプレーがBS放送で映しだされ大リーグがすごく身近に感じられるようになると、多くの野球ファンの関心はただ日程を消化しているだけの日本シリーズから、ワールドシリーズのほうに確実に移っていく。調査会社に依頼してリサーチでもかければ、このトレンドが浮き彫りになることは間違いない。

こんな日本のプロ野球界だから、WBCの監督選考でもファンの気持ちや世間の目とはまったくかけ離れたところで決着させようとしている。10/15に開催された検討会議に出席した野村監督が‘出来レース’、‘王は星野がいいと言っていた’と会議内容を暴露した。そもそも会議のメンバーを見れば、読売のW爺さんが陰でコントロールしていることくらい、野球が好きな人なら誰でもわかる。加藤コミッショナー(元外務省)はただの飾り。コミッショナーは昔から高級官僚の天下りポストと決まっている。Wさんのお墨付きを得て就任した。

会議の前に周到にWさんの部下と協議し、メンバーを選んだのだろう。王さんの人柄を利用して、星野を世間に納得させるというシナリオはとっくの前からできており、後はセレモニーを粛々とこなすだけ。こんな猿芝居は子供でもわかるのだが、スーパーKY集団だから、臆面もなくやる。

王さんはWさんの意向がわかっているから当然のごとく大人の対応をする。もともと王さんは改革を自分から率先して実行していくようなタイプではないし、Wさんの意に反するようなことは言わない。だから、口がさけても‘野村監督とかバレンタイン監督’は指名しない。結局、星野にダメ出しをする大勢の日本人のメンタリティーが分からず、出来レースの肩棒を担ぐはめになった。体調が悪いのだから、しばらく休んでいたらよかったのに。世界の王さんのイメージダウンになることでもWさんは平気で押しつける。まったくたちが悪い。

高田ヤクルト監督は元巨人のVナインメンバーだし、野村謙二郎は日本TVの解説者。星野がこの会議にでて意見をいうこと自体、世間の感覚からズレているが、W爺さんの頭には野球ファンや世間の目、そして星野を嫌っている北京五輪代表選手の気持ちなどはこれっぽっちもないのだから仕方がない。

野村監督がなぜ呼ばれたのか。これは企業の会議でもよくやる手。会議を主催する部署の‘この問題はあそこの部署には直接関係ないが、あとで俺たちになぜ声かけなかったのかと言われると面倒だから一応招集しておこう。あの部長はご意見拝聴というと機嫌がいいから’というやつ。

野村監督はこのうるさい部長の役どころで、いろんな人の意見を聞いたということにするために呼ばれたにすぎない。発言はさせてもらえるが、言ったことが真剣に討議されることはない。異質の人間が1人と巨人カラーに染まった5人だから、どうすることもできない。こういう雰囲気で、しかも自分の名前が全然出てこないから野村監督はつい‘出来レースじゃないか!?’と馴染みの野球記者にグチる。

この野村監督お得意のグチがシアトルにいるイチローの強烈なメッセージを引き出した。‘最強のチームをつくるという一方で、現役監督から選ぶというのは難しいでは、本気で最強のチームをつくろうとしているとは思えない’、‘大切なのは足並みをそろえること。(惨敗)の北京の流れから(WBCを)リベンジの場ととらえている空気があるとしたら、チームが足並みをそろえることなど不可能’。

これは‘星野さんが監督をやるのなら私は出ませんよ!’と言っているようなもの。パリーグ出身の大リーガー松坂、城島、井口、松井稼は皆、パリーグの野球を軽視している星野とは一緒にやりたくないだろう。イチローがどの現役監督のことを頭に描いているのかはわからないが、バレンタインか日本シリーズを制したチームの監督のことではないか。一番透明性のある選び方は日本一になった監督。原、落合、渡辺、梨田たちがWBCの指揮をとるなら誰もが納得する。

王さんは自分の経験から現役監督はキツイといっているが、全部の監督がそう思っているとは限らない。イチローや松坂、黒田など大リーガーを含めた最強のドリームチームを率いられるのは監督冥利につきると感じ、シーズン前が忙しくても有難い経験と前向きに考える監督もいるだろう。それにWBCがあるのは3年に一回のことだし。

8/26に書いた通り、米国の大リーガーたちはあまり本気モードでやらないことが想定され、監督はOBかもしれないが、日本のイチローがWBCをすばらしいものにするため本気で戦うと宣言すると、ヤンキースのジーターやレッドソックスのオルティーズらが共鳴する可能性もある。イチローはこう言っている。‘もう一度、本気で世界一を奪いにいく。WBC日本代表のユニフォームを着ることが最高の栄誉であるとみんなが思える大会に自分たちで育てていく’。

イチローがWBCをこのようにとらえていたとは思ってもみなかった。マリナーズという弱いチームにいるからフラストレーションが相当たまっているはず。だから、チームメイトと言葉の壁が無く、存分にリーダーシップが発揮できるWBCへの期待が人一倍大きいのかもしれない。ほかのスーパースターにも強い影響力を持っているイチローの発言は無視できないだろう。日本のプロ野球界にとって、これはまさに身内から発せられた外圧である。

イチローのWBCに対する熱い思いや野球ファンの声を無視して、責任の取り方がわからないアホな星野を監督に選ぶようでは、せっかく大逆転した巨人のイメージは半減し、野球を愛する人々の心は日本のプロ野球からますます離れていくだろう。

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コメント

五輪後のこと。日本野球チームの監督の弁を聞いて思ったことだが,北京大会の敗因として選手に責任があるとは,日本人のファンの多くは考えていなかったのではないか? テレビ出演を見て,監督が選手をかばうのは奇妙な場面としか映らなかった。

投稿: pensee | 2008.10.25 17:29

to penseeさん
はじめまして。試合をやっているのは選手
ですから、敗因の一つは選手の打撃力、
機動力の弱さであることは間違いありません。

誰がみても日本は総合力で韓国、キューバ
に劣ってましたね。それを、星野は自分が
選んだ選手を批判されたくないからかばうの
ですよ。そうやって、監督と選手は一体だっ
たといいたいのですね。

でも、実際はまったく一体になってません。
セリーグの投手ばかり起用して、ダルビッ
シュの力を本当は信用してません。この男
は裏表がありすぎです。多くの人は星野は
こんなつまらない男だったのかと思ってい
るのではないでしょうか。

投稿: いづつや | 2008.10.26 08:52

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