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2008.10.01

東博表慶館のスリランカ展

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東博表慶館で行なわれている‘スリランカ展’(9/17~11/30)に対する期待値は普通だったが、目を奪われる仏像や宝飾品などが結構あったので大きな満足が得られた。

日本以外の国にある仏像を見るのは3年前の‘大アンコールワット展’(そごう美、拙ブログ05/11/4)以来だから、最初はまだ目が慣れてないのに、入館していきなり立派な‘如来坐像’(上の画像、9世紀、銅造鍍金)が出迎えてくれた。先へ進んでいくとほかにも同じ姿の‘如来坐像’が7、8点展示してあるが、これが群をぬいてよかった。

同じく9世紀につくられた真ん中の‘観音菩薩坐像’が息を呑むほどすばらしい!これはチラシに使われていたから期待していたが、これほど魅了されるとは思わなかった。観心寺にある‘如意輪観音坐像’(国宝)のように右膝を立て、体をひねるポーズにとても惹きつけられる。ぐるっとまわってみると、そのフォルムはどの角度からでも美しくみえる。スリランカの国宝であることはまちがいない。

お宝はこれくらいかなと思っていたら、思わず足がとまるものがまだまだあった。‘観音菩薩坐像’同様、時間をかけてじっくりみたのが下の‘シヴァ・ナタラージャ像’(12世紀)。これはシヴァ神が踊っている姿。03年の森美開館記念展‘ハピネス’で970年頃南インドでつくられた同じタイプのものを見てその形に大変魅せられたから、今回も食い入るように見た。

火炎輪を背にして左足をあげて踊っている姿は動感にあふれている。手は4本あり、後ろの右手に持っているのは両面太鼓で、左手に持っているのは鉾。頭の文様は小さな噴水。ヒマラヤ山脈から流れ出るガンジス川の水を表す。顔のまわりからのびているのは首を持ち上げたコブラ。

神話によると、森に住む異教徒の聖者はシヴァ神を呪文で殺そうとした。まず、火の中から虎をだしてみたが、シヴァ神は簡単にやっつけ、虎の皮を腰に巻く。じゃー、大蛇ではどうだとしかけるが、これも難なく殺し、首に巻いてしまう。最後に悪魔をだしたところでどうにもならない。シヴァ神が右足で踏みつけているのがこの悪魔。

18~19世紀ごろの‘仏涅槃像’では細い線で表わされた流れるような衣文の襞に目が点になった。こういう細工ができるスリランカ人の高い技量と美意識に脱帽である。宝飾品の見どころは象牙でつくったものと剣。とくに剣は見てのお楽しみ!

スリランカを旅行することはないだろうから、ここでコロンボ国立博物館などが所蔵する名品を見れたことを心から喜んでいる。

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コメント

この展覧会、私も大満足でした。
出口にスリランカのパンフレットが何種類も
あったのでいただいて帰ってきた翌日、
たままた旅行社の人が来たので、スリランカの
ことを調べてもらったら、なんと、渡航禁止に
なっているらしいです。そんなぁ~。

投稿: リセ | 2008.10.04 01:34

to リセさん
どこの国にも立派な美術品がありますね。
国宝級の仏像がいくつもあるのでびっくり
しました。なかでも観音菩薩坐像のすばら
しいフォルムにしびれました。いい仏像
に会うとほんとうに嬉しくなりますね

インドでは最近テロをよく耳にしますが、スリ
ランカも治安が悪いのですかね?来年10月に
インド旅行を計画してます

投稿: いづつや | 2008.10.04 15:19

アジアの仏像って、大らかで
すてきだなぁと感じました。
渡航禁止なんですね。
いつかシーギリアレディに出会って
見たいと思いました。

投稿: 一村雨 | 2008.10.06 09:03

to 一村雨さん
スリランカにある仏像の名品をどさっと持って
きてくれた感じですね。インドやパキスタンに
ある仏像はヒンズー教が半分はいってますから、
おおらかで官能的なところがありますね。

いろんなタイプの仏像をみれて幸せです。
シーギリアレディをみてみたいですね。

投稿: いづつや | 2008.10.06 23:55

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» スリランカ−輝く島の美に出会う展 東京国立博物館 [つまずく石も縁の端くれ]
日本の仏像を見慣れていると、東南アジアの仏像って、なんだか奇異な感じがして、あまり興味が沸かなかったのだが、いづつやさんのブログによると、チラシにも使われている金色に輝く観音菩薩像が、観心寺の国宝如意輪観音像のようであったとのことで、これだけでも見よう...... [続きを読む]

受信: 2008.10.06 09:00

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