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2008.10.29

大琳派展 その八

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本阿弥光悦の蒔絵作品は10/28から‘竹蒔絵硯箱’(MOA)と上の‘群鹿蒔絵笛筒’(重文、大和文華館)が前半展示の2点と入れ替わった。東博蔵の‘舟橋蒔絵硯箱’などは会期中出ずっぱり。

二度目の対面となった‘群鹿’は息を呑んでみた。こういうすばらしいものをみると蒔絵は日本の宝という感じがする。硯箱のような縦横の広い面なら細工もしやすいだろうが、これは細長い笛。この表面に下から上に隙間を空けずさまざまな姿態をした鹿が鉛、金、螺鈿を使って描かれている。見る角度をいろいろ変えて光に反射して美しく輝くうすピンクや緑の螺鈿をみていると、平安王朝のファンタジックな世界に遊んでいるような気になる。

書は光悦だが、絵は宗達の手によるものではない‘四季草花下絵千載和歌巻’(個人蔵、10/21~11/3)は以前、一部をみたことがあるが、今回全部公開された。うす青、白、土色の三パターンの地が繰り返され、そこに大きな月やススキなどが描かれている。最後にでてくる金色の松林と飛翔する鶴の群れの場面が圧巻。こんないい和歌巻だったとは。これは大収穫。

光琳は絵描きとして世の中に認められただけでなく、デザイナーとしてもとびぬけた存在だった。その卓越した意匠感覚から生み出された文様は‘光琳模様’として衣装、工芸品など様々な分野で使われた。真ん中はスーパーデザイナー、光琳の最高傑作、‘八橋蒔絵螺鈿硯箱’(国宝、東博)。何度となく見て、このお宝の魅力が体に沁み込んでいる。

光悦の‘舟橋蒔絵硯箱’同様、最初橋に鉛が使われているのを見て、その材質感からちょっと重いなという印象をもったが、今ではこの橋を自在に曲げて5面に連続させるアイデアに感心させられている。香包にも光琳の比類ないデザインセンスが如何なく発揮されており、‘蔦図香包’(個人蔵、拙ブログ07/12/7)にはいつも見入ってしまう。

今回の琳派展は、絵画あり、やきものあり、蒔絵ありで申し分ないのだが、‘光琳模様’をあしらった衣装類も沢山でている。なかでも魅了されるのが光琳が江戸滞在中、深川の材木商、冬木家の妻女のために描いたとされる‘小袖 白綾地秋草文様’(重文、東博)と下の抱一の‘梅樹文様小袖’(重文、国立歴史民族博)。

今は秋だから、白地の余白をよくとりススキ,桔梗、菊、萩がバランスよく配置された光琳の小袖が心に響く。そして、抱一の白地に映える梅の赤にもぐぐっと惹きこまれる。抱一の赤は本当に体が熱くなるくらい感動する。

抱一の後半に登場した作品では、出光蔵の‘八橋図屏風’(1/18)とはじめてお目にかかる‘兎に秋草図屏風’(三井記念美)を楽しんだ。また、再会した‘鹿・楓図団扇’(細見美、06/10/29)の鹿にも心が和む。

もう一回訪問する予定なので、続きはまたそのときに。

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コメント

すてきなサイトですね。私も今回の琳派展には感銘を受けました。よろしければ、相互リンクしていただけませんか。ご検討くださいませ。

投稿: 高橋一(はじめ) | 2008.10.31 22:41

to 高橋一さん
はじめまして。書き込み、TB有難うございます。
琳派狂いなものですから、その八まで書いてしまい
ました。

お気に入りサイトに登録させていただきます。
これからもよろしくお願いします。

投稿: いづつや | 2008.11.02 00:30

こちらこそ、末長くよろしくお願いいたします。
私もいづつやさんのように、もっと緻密に琳派展をみなきゃと思いました。いづつやさんのお気に入り本の中では芸術起業論は私も目を通しました。村上隆の「ヨーロッパの美術史の文脈の中に位置づけること」を強調する考え方やビジネス的にリアルなスタンスが印象に残っています。これからも時々おじゃまさせていただきます。

投稿: 高橋一 | 2008.11.02 02:46

to 高橋一さん
村上隆の本は良く書けてますね。マーケティング
でいうところのコンセプトづくりとポジショニングが
しっかり出来ているのですから、たいしたもの
です。また、気軽におこしください。

投稿: いづつや | 2008.11.02 19:12

大琳派展を見た感動を書こうとデータを探していましたら貴ブログに行き着きました。
貴殿の知的好奇心と行動力、芸術全般への造詣の深さに敬意を表します。
琳派・古陶(本阿弥光悦)について貴ブログを拝見し参考にさせていただきました。
これからも記事、楽しみにしています。

投稿: コガ・ヤンスウ | 2008.11.03 14:20

to コガ・ヤンスウさん
はじめまして。書き込み有難うございます。
大琳派展は好評のようですね。意匠性、装飾性
に富んだ琳派をずっと愛していきたいと思って
ます。これからもよろしくお願いします。

投稿: いづつや | 2008.11.04 00:41

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