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2008.10.23

三の丸尚蔵館と三井記念美で名品鑑賞!

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一度美術館へ出向くと出品作が全部みれる西洋絵画とちがって、日本美術の展覧会には展示替えがつきもの。コストもかかり鑑賞の効率が悪いのだが、作品のコンディションを第一に考えなるべく展示期間を短くしたい所有者がいるなかで、多くの作品を揃え展覧会としての体裁を整えようとすると、展示替えが多くなるのは仕方のないことだから、あまり気にしてない。

やきものとか工芸品の場合は会期中出ずっぱりのことが多いが、絵画での展示替えは宿命みたいなもの。だから、見逃したら、ゆったりとした気持ちで次回の展示を待つようにしている。日本美術の鑑賞は長く生きることを前提とした長期戦。時間をかけて名品を追っかけることになるので、いつも書いているようにせっかちな人には向かないかもしれない。

会期が5ヶ月もある‘帝室技芸員と1900年パリ万国博覧会展’(三の丸尚蔵館、
7/19~12/14)は現在3期(10/4~11/9)に入っている。出品作の中にお目当ての絵があるので、また出かけた。ここは無料だから、いつも気が楽。今回は見るものが決まっているから、鑑賞時間は10分くらい。でも、作品のレベルが高いので充実感はものすごくある。

上は彫金家海野勝珉(うんのしょうみん、1844~1915)の‘太平楽置物’で、明治
33年に開かれたパリ万博へ出品するためにつくられた。これとはじめて対面したのは
99年末にあった‘皇室の名宝展’(東博)。もう一つの代表作である‘蘭陵王置物’と一緒に飾ってあった。

舞楽太平楽の演者のリアルな顔と床のところで折れ曲がっている後ろの横幅の装束を釘付けになってみたのをよく覚えている。いかにも皇室にある置物という感じで、精緻さのレベルが美術館でみる上物の置物と較べてもワンランク上。今回で4度目の鑑賞となったが、神業的な技量に毎度見惚れてしまう。

お目当ての絵だったのが真ん中の今尾景年作、‘花鳥之図’(六曲一双)。図録を見ていい屏風のような気がしたので、楽しみにしていた。これは左隻のほうで、太い幹の松を対角線的に配置し、その幹と上から垂れる枝に囲まれるように色鮮やかな錦鶏を描いている。そして、上では鳥が松とクロスするように飛び、緑の菊や水仙、藪柑子が金地に浮かびあがっている。画面構成が巧みな期待通りの屏風だった。

次に目指したのが‘森川如春庵の世界’(10/4~11/30)が行われている三井記念美。10/15~10/26だけに展示される下の‘佐竹本三十六歌仙切・藤原敏行像’を見るためである。この機会を逃すと、もう見れないかもしれないから、この1点のために1000円払った。前回見た作品は全部とばして、‘藤原敏行像’の前にまっしぐら。口びるの赤がほかの歌仙同様目につき、頬はふっくらして、あごひげをたくわえている。

これで佐竹本歌仙とは14人対面した。まだまだ、残っている。全員に会えることを夢見ていたい。

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コメント

日本美術は作品保護のため展示期間限定も仕方なしですが、
週刊新潮にロングランのボストン浮世絵のことが出ていました。
この後地方を巡回するんでしょ。
三の丸尚蔵館はいいですよね。
学芸員がきちんといるのか、毎回立派な図録もつくりますね。
しかし一つの作品をみるために千円払ったいづつやさん畏れ入りました!
美の探求者とはこうあらねばー。

投稿: Oki | 2008.10.24 22:18

to okiさん
三の丸尚蔵館の展示内容は定点観測し、追っかけ
リストに入れている作品の登場をじっと待って
いるところです。

なにしろ皇室の所蔵品とくれば、お宝でもトップ
クラスですから、鑑賞の醍醐味みたいなものがあり
ますね。おっしゃるようにいい図録をつくってくれます
から、ここに対する好感度は高いです。

三井記念美の佐竹本を見逃すわけにはいきません。
長く日本美術をみていますと、これがめったに出
ない作品というのが直感的にわかるのです。まだ
沢山残ってますが、一歩々という感じです。

投稿: いづつや | 2008.10.25 14:53

三井記念、今日行ってきました!
大満足、もう一度行かないとー。
図録が重いし読むところ沢山ですが、中京の文化の一端に触れられたようなー。
しかし中学時代から昼は野球、夜は茶の湯で別段おかしくなかった、とは中京はそういう風土があるのでしょうか?
音声ガイドを借りてビデオもみて二時間半すごしました。
これはどうしても畠山の益田の展覧会にも行かなければなりませんな。

投稿: Oki | 2008.10.31 22:19

to okiさん
美濃・瀬戸は有田とともに日本のやきものの
中心地ですから、この地域に住む人は小さい頃
から名品でなくともやきものには親しんでいる
のでしょう。ですが、森川如春庵は特別でしょ
うね。

投稿: いづつや | 2008.11.02 00:25

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