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2008.10.03

正木美術館名品展 禅・茶・花

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新橋にある東京美術倶楽部では現在、大阪の正木美術館の名品を展示した特別展‘禅・茶・花’(9/23~10/12)が開かれている。

この美術館は訪問したことはないが、室町時代に描かれた水墨画の名品があることは前から知っていた。開館して40年になるそうで、館外でそのコレクションが公開されるのははじめてらしい。大阪に出かけずに見られるのだから、これはラッキー!

展示品は書、やきもの、絵画など70点。どれも味わい深いものばかりで、これらをみればコレクター、正木孝之氏(1895~1985)が一級のコレクターだったことはすぐわかる。小野道風筆 ‘三体白氏詩巻’(国宝)などの書や墨蹟は例によって、書の雰囲気を感じる程度の鑑賞。やきものの収穫は本阿弥光悦の‘飴釉赤茶碗 銘園城’。形や深い飴釉の色は同種の‘銘紙屋’(東博の大琳派展に展示)によく似ている。

お目当ての水墨画でこれまで見たことのあるのは2点しかない。その一つが如拙の上の‘墨梅図’(重文、部分、室町時代)。思わず見とれてしまうのが梅の枝のフォルム。画面の上から下にむかってのびる梅の枝は緩やかに湾曲しているのに対して、下に見える梅は細い枝が上や斜めにまっすぐのびている。枝の見事な曲線美に加え、心を打つのが実に丁寧に描かれた白梅の花びら。今回、同じような墨梅図が3点一緒に飾られている。

真ん中の能阿弥の‘蓮図’も館自慢の名品。右上は大きく余白をとり、左におおぶりな蓮をトリミングしながらまとめる構成にとても魅了される。じっとみていると宗達の‘蓮池水禽図’(国宝、京博)が頭をよぎった。山水画で追っかけリストに入れていたのが大徳寺を拠点にした画僧文清が描いた下の‘湖山図’(重文)。

室町時代の禅僧たちは中国の浙江省にある西湖の風景に憧れていたから、この湖を西湖に見立てて感動したという。手前の安定感のある形をした松の下に、これから橋を渡ろうとしている男がいるが、小さいので単眼鏡でないと見逃してしまう。隣にある岳翁の‘春景山水図’もなかなかいい。角々した岩山の間から流れ落ちる瀧や霞のかかる広々とした遠景を時間がたつのも忘れて眺めていた。

後期(10/2~12)には、以前あった雪村の回顧展で見逃した‘瀟湘八景図巻’が展示されるので、再度出かけることにした。

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コメント

今日行ってきました。国宝三点もっている美術館なのですね。ぼくが一番惹かれたのは描かれた絵をもとに僧侶達が詩を詠みあった作品、粋なことしますね。おっしゃる能阿弥も感心します。このコメントは携帯でパソコンサイト見られる操作で書いています。

投稿: OKI | 2008.10.04 22:09

to okiさん
水墨画は如拙、雪舟、雪村、岳翁、文清といいの
が揃ってますね。

絵と詩がコラボしている中国の文人画をみて、
ミロはそれまで互いに対立していた見る絵画と
読む詩を合体させましたから、中国の絵は現代の
作家にも影響を与えてます。

後期も雪村を見にいきます。

投稿: いづつや | 2008.10.04 23:26

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