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2008.09.17

浮世絵ベルギーロイヤルコレクション展(後期) その三

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太田記念美で開催されている‘浮世絵ベルギーロイヤルコレクション展’(9/2~
9/28)は前期があっという間に終わり、今日から後期。お目当ては前期の印象が強い春信、国芳の‘金魚シリーズ’、そして歌麿の‘高名美人見たて忠臣蔵’。

今回の春信作品は本当に楽しい!後期は7点。そのなかで初見の‘娘を背負う奴’、‘洗濯’、上の‘五常 信’に足がとまった。‘奴’の後ろに流れる川の描き方は東博の‘見立菊慈童’と似ており、水の流れと同じような勢いで奴は娘を背負って駆けている。春信や師宣はどうしてこんなに動感表現が上手いのか!

‘洗濯’を見ていて、ドガの‘アイロンをかける女たち’(拙ブログ2/17)をふと思い出した。どちらの絵も普通の人々のなにげない日常生活のひとコマを描いている。ドガは浮世絵の構図や色彩だけでなく、題材も参考にしたのだろうか?

今、横浜美で行われている‘源氏物語の1000年展’に出ている春信の‘八景 石山秋月’と‘五常 信’は紫式部が琵琶湖を眺めている向きが右と左で違うだけで構成は基本的には同じ。嘘でない真実、誠実という意味の‘信’に石山寺で源氏物語を執筆する紫式部が使われたのはなぜ?二枚を比べてみると左向きの‘五常 信’のほうがどういうわけか落ち着いてみられる。

前期思わず笑った北斎の戯画、‘鳥羽絵’がまた2枚出ている。真ん中は‘出語’、前の舞台では体をうしろにそり返し大声でわめいている女に対し、後ろの男は口をつむんで不機嫌そうにしている。演じられているのは‘あんた、あの女と浮気したのね、悔しいー’、‘勝手に気をまわしやがって、知るもんか’といった夫婦喧嘩の場面だろうか?お囃子方の口の描き方が三者三様なのが面白い。

国芳の‘金魚’は3点。前期同様あまりのおもしろさに夢中になる。見てのお楽しみ!

歌麿の代名詞である美人大首絵のうち‘当時三美人’は消えたが、‘高島おひさ’と‘富本豊ひな’は最後まで展示されている。この3点は以前もう少し摺りのいいのを見たので今回は‘高名美人見たて忠臣蔵’(全部で12点、うち後期5点)に鑑賞エネルギーを集中させている。

下は構成を感心して見ていた‘十二段つづき 八だんめ’。二人の女のかぶる傘の黄色に魅せられるが、じっくりみるとおもしろいのが後ろの光景。前景の二人の大きさに比べると極端に小さく籠引きの男を中景の左端に描き、さらに遠くの人々は米粒くらいにし、その向こうの富士山はどーんと見栄えよく大きく描く。

歌麿は美人画でも風景画でもトンボや貝殻の絵でもなんでも描ける。天才というほかない。‘忠臣蔵’シリーズをこれだけ多くみられたのは大きな収穫だった。

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