« ベルギーロイヤルコレクション展 その二 | トップページ | Bunkamuraのミレイ展 »

2008.09.11

源氏物語の1000年 あこがれの王朝ロマン

19
21
20
横浜美で開催中の特別展‘源氏物語の1000年’(8/30~11/3)への期待はそれほど高くない。追っかけリストに入っている‘源氏物語扇面散屏風’(広島・浄土寺)を見たくて出かけたが、これは10/10~11/3の展示だった。で、また足を運ぶことになりそう。

‘まあ見ておこうか’という展覧会のときは作品の展示時期を確認せずアバウト感覚で入館するから、結果的には効率の悪い鑑賞となる。でも、購入した図録をみると10/3~11/3に展示される狩野養信の‘源氏物語図屏風’とか勝川春章の‘雪月花’とか松岡映岡の‘宇治の宮の姫君たち’に惹きつけられるので結構楽しめそう。

展示作品には上の‘紫式部日記絵巻’、‘御堂関白記’、‘倭漢抄’などの国宝が5点も含まれてから、特別展にふさわしい内容だが、いずれも過去見たことがあるので、みている時間は短い。‘紫式部日記絵巻’(展示は9/6で終了)は酔っ払った公卿たちが女房に言い寄っている場面が描かれている。斜め二列に配置されている公卿が着ている黒の直衣(のうし)の柄をみるため、腰をかがめたり、角度をいろいろ変えてみた。

源氏物語の各シーンが描かれた扇子が一面に貼られた屏風とか金雲の切れ目に邸宅が沢山描かれた屏風をみるにはかなり体力を消耗するので、あまりのめりこまないようにしている。この手の屏風や‘洛中洛外図屏風’は一回は単眼鏡でじっくりみる価値はあるが、2度目はもうイイという感じ。出光美蔵の‘澪漂図’は05年にあった‘源氏絵展’にも出品されたが、コンディションがあまりよくないため、とても疲れた経験があるから素通りした。

気分が一番ハイになったのが最後のほうに飾ってある‘源氏物語絵巻’の復元模写、‘蓬生’(よもぎう)、真ん中の‘柏木一’、‘竹河一’。このすばらしい模写はこれまで拙ブログで‘柏木三’(05/11/14)、‘竹河二’(06/2/19)、‘東屋一’(07/11/30)を紹介した。‘柏木一’は悲しい場面。左側で顔を隠して泣いているのが女三宮。その前の法衣を着ているのが女三宮の父、朱雀院。手前にいるのが光源氏。

‘お父さん、私の出家を許して。ね、お願い!柏木と不倫して子供を生んだ以上、もう出家しかないわ、毎日が苦しいの!’と女三宮。朱雀院‘でもなー、お前、、’。光源氏‘出家なんかしないでくれ!女三宮’。かつて義理の母と密通して子をもうけた光源氏はわが身の因果に心が揺れ動いていることだろう。

下は構図のよさと美しい線描に目が釘付けになる安田靫彦の‘紅葉賀’。これは大収穫だった。また、鈴木春信の‘八景 石山秋月’や上村松園の‘紫式部図’にも魅了された。お目当ての絵はみれなかったが、復元模写、浮世絵、近代日本画家の手がけた源氏絵などぐっとくる作品がいくつもあったから、館を出るときは後期でもいい気分になれそうな予感がした。

|

« ベルギーロイヤルコレクション展 その二 | トップページ | Bunkamuraのミレイ展 »

コメント

こんにちは。

この展覧会もっと「源氏絵」を
前面にアピールすればより多くの
集客が期待できるように思えます。

思いもよらぬ作品に自分も出会え
大満足の展覧会でした。

(お礼)
例の件迅速な対応感謝感謝です。

投稿: Tak | 2008.09.12 14:13

to Takさん
源氏物語絵巻が徳川美と五島美から一点も出品
されないのは率直に言って?ですね。
復元模写が綺麗なので、これだけでもいいのですが、
一つくらいないと様になりませんね。でも、予想以上
に楽しめてますから、後期も気軽に行ってきます。

メールの件どういたしまして。

投稿: いづつや | 2008.09.12 23:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 源氏物語の1000年 あこがれの王朝ロマン:

» 「源氏物語の1000年」展 [弐代目・青い日記帳 ]
横浜美術館で明日から開催される 特別展「源氏物語の1000年 あこがれの王朝ロマン」のプレスプレビューにお邪魔して来ました。 世の中には「源氏物語」で生業を立てている方、沢山いらっしゃいます。そのような方にとっては、また所謂「源氏物語ファン」にとっては関東では唯一最大の「源氏千年紀のイベント」黙っていても横浜まで足を運ばれることでしょう。 ところが、一般の美術愛好家にとってはどうでしょう? 今年の5月にこの展覧会の記者発表会にお邪魔させて頂き、展覧会の内容について担当者か... [続きを読む]

受信: 2008.09.12 14:15

« ベルギーロイヤルコレクション展 その二 | トップページ | Bunkamuraのミレイ展 »