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2008.09.28

日本画にみる妖しい美人画!

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西洋画でも日本画でも女性を描いた絵をみるのが絵画鑑賞における大きな楽しみだから、これまで感動したり、印象深かった作品は頻繁に図版を眺めている。クノップフ、クリムトの心をざわざわさせる女性像を取り上げたので、日本画の妖しい美人画も並べてみたい思う。数は少ないがあることはある。

象徴派では、クノップフのほかにも、ロップス、デルヴィル、シュトゥックらは神秘的なエロティシズムを強烈に発している女性とか冷ややかでぬめっとした空気につつまれた想像上の女などを描いているが、なかにはあまり長く見てられない絵もある。これに対し、次の3点は絵の完成度が高く、心のざわざわ感が静かにしばらく続くといった感じの絵。

★上村松園の‘焔’: 東博(上の画像)
★鏑木清方の‘遊女’: 横浜美(真ん中)
★鏑木清方の‘妖魚’: 福富太郎コレクション(下)

‘焔’(拙ブログ07/5/29)はあの上村松園がこんな凄絶な絵を描いたの?と誰しも戸惑うに違いない。後れ毛をおはぐろをつけた歯で食いしばっている姿をみると、六条御息所は燃えさかる嫉妬の思いで体が震えんばかりだということが容易にわかる。感情のなかで最も激しい嫉妬をこれほど迫真的に描く松園の感性は本当にすごい。

‘遊女’は昨年、鎌倉の鏑木清方記念館で対面した。これは清方美人画のなかで最も妖しげなエロティシズムが漂っている作品で、火鉢に肘をついている遊女にクラクラっときた。胸をすこしはだけ、いかにも遊女の仕草だが、浮世絵の菊川英山や弟子の渓斎英泉が描いたデカタンス美人とちがって、肌は白く顔は美形なので、いつまでもこの絵の前にいたくなる。

‘焔’とこの‘遊女’は同じ年(大正7年)に描かれており、2年後に清方はこれまた妖艶な‘妖魚’を描いた。3年くらい前、東近美であった‘日本のアール・ヌーボー展’ではじめて‘妖魚’(六曲一双屏風)を見たとき、びっくり仰天した!‘ええー、これ清方の作品!?’豊満な体に長い黒髪がまきつくように垂れ下がる官能表現にまったく声がでなかった。

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