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2008.09.08

東博平常展の名画! 鏑木清方・春信・歌麿

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東博の平常展に登場する作品のうち、浮世絵はまだ初見のものが多いが、1階左の近代日本絵画の場合、4年も通っているとこれまで見た絵にでくわすケースが多くなってくる。8/19~9/28に展示される5点はいずれも鑑賞済み。だから、絵の楽しみ方は東近美における岸田劉生の‘麗子肖像’とか安井曾太郎の‘金蓉’などの洋画の定番名画と同じになる。

今回心穏やかに見たのは小林古径の‘出湯’、安田靫彦の‘二少女’、上の鏑木清方の‘黒髪’(右隻)。なかでも‘黒髪’にぞっこん。こういう絵をみているとき、男の心の中はちょっとざわざわする。腰をかがめ川の水で髪を洗う女とその横で髪を梳る(くしけず)女を手前の木の影からこっそりみている感じ。ちょうど西洋画に描かれる‘水浴するスザンナ’を長老が覗き見するのと似ている。

今でている浮世絵の展示期間は8/26~9/21。定番の春信は‘五常・智’、‘風俗四季哥仙・菊月’、そして真ん中の‘見立菊慈童’。春信の絵には海の情景や河の流れがよくでてくるが、この‘見立菊慈童’に描かれた水流が一番見る者を惹きつけるかもしれない。座って菊をとっている女の子の前は小さな滝のようになっており、滝壺の水の流れは上の緩やかな流れと違って勢いがあり、飛び散る水しぶきの音が聞こえてくるよう。

また、隣に飾ってある秋らしい画題の鳥居清長の‘子宝五節遊・重陽’や北斎の‘風流子供遊五節句・きく月’にも心が和む。北斎の絵ははじめてみた。

いつもお目当ての歌麿は3点ある。下は長いこと対面を待っていた‘当時全盛美人揃・兵庫屋内花妻’。もう一点ある同じシリーズの‘越前屋内唐土’も含めて、歌麿は全部で10点描いたようだが、手元の画集には‘兵庫屋内花妻’しか載ってないので、あとの8枚が東博にあるのかどうかわからない。だぶん、ないだろう。

‘花妻’で視線が集まるのは女が胸元で文をぎゅっとねじっているところ。歌麿の美人画が見てて飽きないのは女がいろんなポーズをとっているから。‘文を顔の前にあげて読んでいる女’、‘ポッピンを吹く女’、‘化粧鏡の前で髪を梳いている女’など々。黄色の背地に浮き上がる花妻を時間を忘れて眺めていた。

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