畠山記念館の赤のやきもの展
白金台にある畠山記念館へ定期的に出かけるのは琳派の絵とやきものの名品を見るため。琳派作品はほぼ目のなかにおさめたので、今の狙いは専らやきもの。
現在行われている“赤のやきものー金襴手・万暦赤絵・古赤絵・南京赤絵”(8/9~
9/23)には心待ちにしていたものがでているので、ワクワク気分で門をくぐった。
やっと対面でき感慨深いのが上の“金襴手六角瓢形花入”(重文、明時代)。均整のとれた美しい形と華麗な金彩にしばし息を呑んでみていた。瓢箪形の上のふらみには“萬”と“壽”が、下のほうに牡丹唐草の文様が金箔で焼き付けてある。低い火度で焼き付けた金は剥落しやすいのだが、コンディションはとてもいい。
金襴手はこれまでいくつも見てきたが、これが最上。やきもの本に載っている理由がよくわかった。“染付龍濤文天球瓶”のほかにもこんなすばらしい中国磁器があるのだからここのやきものコレクションは本当にすごい。金襴手はほかに、丸文小壺、寄向など7点ある。
真ん中は“古赤絵刀馬人文鉢”。古赤絵も金襴手同様、景徳鎮民窯で嘉靖年間
(1522~1566)にやかれた。躍動感のある馬に乗った武将が赤でのびやかに描かれている。嘉靖のあと万暦年間(1573~1619)に景徳鎮の官窯でやかれた万暦赤絵は人物や文様を濃密な色調でみせるのが特徴。下の染付地に赤、青、黄色、緑の極彩色で絵付けされた“万暦赤絵輪花共蓋水差”にもぐっと惹きこまれる。
ここの企画展はやきものがメインの展示だが、いつも畳のところに飾ってある掛け軸も楽しみの一つ。今回の目玉は新日曜美術館で紹介された鈴木其一の“向日葵図”(拙ブログ07/5/28)。これは何度見ても心に響く。赤絵の名品とこの絵が見れたので上機嫌。
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