« 星野ジャパンはこんなに弱かったの!? | トップページ | 横須賀美のライオネル・ファイニンガー展 »

2008.08.23

アネット・メサジュ:聖と俗の使者たち

552
553
551
六本木ヒルズの森美術館で現在、“アネット・メサジュ:聖と俗の使者たち”(8/9~
11/3)が行われている。現代アートは好みに合い満足が得られるかどうかはいつもリスク半分なのだが、今回は館内にわりと長く居た。

この作家についての情報は皆無。出かけてみようと思ったのはHPに書かれていた“フランス現代美術界を代表する、女性アーティスト”というプロフィル記事と展覧会のタイトル“聖と俗の使者たち”に惹かれたから。

一体どんな作品が展示されているのか、歩きはじめはいつものように緊張する。いきなりぬいぐるみを羽織った鳥の剥製が目にとびこんできた。題名は“寄宿者たち”。“コレクターの秘密の部屋”をちらっと覗いたあと、さらに先に進むと動く作品“つながったり分かれたり”がある。

人物とか動物のぬいぐるみがごろんと横になったり、足や手を紐で結ばれ天井に吊るされている。じっと見ていると一定の間隔で紐が上下に動いたり、床をごそごそしている。逆さに吊るされた人間は首がなかったり、また、床にはぶよぶよの皮膚を思わせるグロテスク風のものがあったりするから、ちょっと緊張するが、なにせ物はぬいぐるみだから心拍数がそれほど上がることもなく、尻ごみはしない。

動く作品では上の“ふくらんだりしぼんだり”も目を楽しませてくれる。体から切り離された手や足、丸い袋、クッション、奇怪な物体などが空気を注入されて大きくなり、不規則に左右前後に動きだす。小さい頃よく出かけた海水浴で浮き袋を膨らませたり、空気を抜いてしぼませたりしたことが懐かしく思い出された。

また、空間の下のほうで赤い大きな布が風になびく幻想的な作品“カジノ”にも惹きこまれる。これは操り人形の“ピノキオ”に想を得て生み出されたもので、05年ヴェネチア・ビエンナーレのフランス館に展示され、金獅子賞を受賞したらしい。作品について作家自身がビデオで語っていたから興味深く見ていた。

真ん中は“たよったり自立したり”。上から垂れ下がるネットの森のような感じで、ネットが床につくところには防水用の砂袋とかゴミ袋を連想させるものがあり、途中ゴム人形、写真、文字が書かれた紙などが絡まっている。タイトルのイメージと作品がすぐ頭のなかで消化されないが、あまり深く考えないで、ぐるっと回って次のコーナーへ向かった。

下は“キマイラ”。神話本で知っている怪獣キマイラはライオンの顔、羊の胴、竜の尾をもっているが、これは蝙蝠タイプのキマイラ。真ん中の顔は苦手なホラー映画に登場する人間とか研ナオコをイメージさせる。また、黄色や青など色鮮やかな袋でサークルをつくり、その中心に上から袋の束をぶら下げる“観察中”と床から積み上げられた本の上にぬいぐるみをかぶった剥製の鳥を置き、本と本の間に動物のぬいぐるみを挟んだ“寓話と物語”にも足がとまった。

作品全体と通じてアネット・メサジュの表現したい“聖と俗の使者たち”は半分くらい伝わってきた。作家の名前と作品が心のなかに強く刻まれたことは間違いない。

|

« 星野ジャパンはこんなに弱かったの!? | トップページ | 横須賀美のライオネル・ファイニンガー展 »

コメント

こんにちは。

「カジノ」良かったですね。
上から観られるのは日本だけだそうです。
15分間が短く感じられる作品でした。

投稿: Tak | 2008.08.28 14:36

to Takさん
タイトルに惹かれて出かけたのですが、作品の
なかに結構入り込めました。フランス人作家
らしく、作品は深刻すぎず、楽天すぎずという
感じでとても面白かったです。

カジノは良かったですね。ちょっと想いつかな
い発想なのですごく刺激を受けました。

投稿: いづつや | 2008.08.28 15:48

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65878/42250780

この記事へのトラックバック一覧です: アネット・メサジュ:聖と俗の使者たち:

» 「アネット・メサジェ展」 [弐代目・青い日記帳 ]
森美術館で開催中の 「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」展に行って来ました。 六本木ヒルズの展望台(東京シティビュー)と森美術館の入館料が一緒になっているせいで、展覧会目的で美術館に足を運ばれたのではないであろう方々時折見かけます。それでも折角だからと一周しご覧になられるのが常。 ところが、今回の「アネット・メサジェ展」は様相が違います。 会場から逆走し退出される方を何人か見かけました。「美術館」だと思って入館したにも関わらず如何せんこれ↓ですから。無理もありません。 ... [続きを読む]

受信: 2008.08.28 14:33

« 星野ジャパンはこんなに弱かったの!? | トップページ | 横須賀美のライオネル・ファイニンガー展 »