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2008.08.08

東博の平治物語絵巻と六波羅蜜寺の仏像

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東博本館の国宝室に2年前取り上げた“平治物語絵巻(六波羅行幸の巻)”(拙ブログ06/2/20)が展示されている。会期は8/5~9/1。これは合戦絵巻のなかではとびきりいいものだから、年に一回は展示されているような気がする。

“対決ー巨匠たちの日本美術”(~8/17)に出品中の宗達作“扇面散屏風”(7/29)に描かれている武者や馬はこの絵巻を下敷きにしている。だから、“対決”をみて、国宝室にも寄れば楽しさがグッと増すことは請け合い。

この絵でいつも釘付けになるのが馬の姿態。体をよじったり足を跳ね上げたり、どの馬をとっても静かにしていない。これほどの暴れ馬を御する武者や従者は大変だろう。馬のダイナミックなフォルムとともに目を楽しませてくれるのが精緻に描写された武具甲冑。上は後白河法皇の皇子である二条天皇(17歳)が女装して大内裏を脱出し、逃げ込んだ平清盛のいる六波羅の門前の様子。馳せ参じた武士や公家たちでごったがえしている。

鮮やかな緑や赤の鎧を身にまとった武士たちはまっすぐ前を見ている者もいれば、隣同士でおしゃべりしている者もいる。“信頼は今頃、地団太を踏んで悔しがっているだろうな。天皇が女に姿を変えて脱出するとは思ってもみなかっただろう。これで公家の天下は終わり。これからは俺たち武士の時代だな。清盛様についていこうぜ!”とでも言っているのであろうか。

3つある“平治物語絵巻”のうち、“信西の巻”(重文、静嘉堂文庫)はこの2年の間にみることができたから、残るはボストン美にある真ん中の“三条殿夜討の巻”。でも、これと対面するのだいぶ先になりそう。00年、17年ぶりに里帰りしたときは、広島にいて日程の調整がつかず、諦めざるをえなかった。日本でみられることは当分なく、NY、ボストンを再訪しても、この絵巻と遭遇するかは?ミューズがいつか見せてくれると信じて、のんびり待つしかない。

下は1階で開催されている“六波羅蜜寺の仏像展”に飾ってある“平清盛像”(重文)。これは一度現地でみたことがある。チラシに使われている“地蔵菩薩立像”(重文)などほかの像はまるっきり覚えてないのに、口から六体の小仏が出るというユニークな造形が印象的な“空也上人立像”(重文、今回展示なし)と厚い唇と上目づかいに緊張させられるこの清盛像だけはよく覚えている。

清盛は実際、こんな顔をしていたのだろうか?2階と1階で“六波羅”つながりの美術品を堪能した。

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