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2008.08.19

NIPPONの夏(後期)

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三井記念美術館で開催中の“NIPPONの夏”は後期(8/13~9/15)にもお目当ての絵を含む31点があらたに登場するので、再度足を運んだ。前期(拙ブログ7/23)に魅了された薩摩切子やぽっぴんは最後まで展示されているから、後期だけの鑑賞でも
200%楽しめる。

最初の部屋で足がとまったのは円山応挙の“瀑布亀図”。前期の“瀑布図”は滝壺の下にある岩と水しぶきの描写がすこしゴチャゴチャしていたのに対し、この滝の絵は構成がすっきりしており、すごく惹きつけられる。そして、お楽しみは隣にある“江戸山王社天下祭絵巻”。

これはたばと塩の博物館であった“風俗画と肉筆浮世絵展”(07年3月)でお目にかかったのでよく覚えている。山車のテーマが“龍神”だから、龍や珊瑚樹のドデカイ造り物を引っ張っている。その後を行進している男たちが頭にタコ、カツオ、鯛、鮑の被り物をのっけているのがとても愉快!

お目当ての絵は最後の部屋に飾ってあった。ずっと追っかけていた歌麿の肉筆画
“夏姿美人図”(上の画像)が遠山記念館へ出向かなくてみられるのだから、有難い。背景には何も描かれていないが、ちらっと見せる衝立と足もとに置かれた団扇と虫籠が真ん中に立つ女を引き立てている。化粧の仕上げをしているこの女が着ている紺の着物とうす緑の帯の下にむかってゆるやかにカーブするフォルムがなんともいえず綺麗。

これで、歌麿の三大肉筆美人画を全部みることができた。ちなみにあとの2枚は“立姿美人図”(東博、07/10/31)と“更衣美人図”(重文、出光美)。

真ん中の勝川春章の“婦女風俗十二ヶ月図 五月蛍火図”(部分、重文、MOA)はぞっこん惚れている絵。これはMOAの平常展にもそう頻繁には出品されないので、今回2点でてきたのは大ヒット!ほかの絵師の肉筆画との違いはなんといっても顔の白さと着物の絵柄の精緻な描写。揃いで見たときの感動は半端じゃあなかった。

これは蛍の光で本を読むという中国の故事を風俗画にして描いている。昔、“蛍雪時代”という受験雑誌があったなァー!わかる人には懐かしいだろうが、知らない人にはそれって何?

後期にでている花火の絵は下の広重の“江戸名所 両国夜ノ景”と豊春の“中洲納涼図”。前期にあった北斎の花火はにぎやかで活気に満ちていたが、広重は夏の風物詩、花火を橋の上から静かに楽しんでいる人々の様子を詩情豊かに描いている。

花火の絵だけでなく、大好きな北斎の“絵本隅田川両岸一覧”(07/6/2)と再会できたのも嬉しいかぎり。前後期を通じて質の高い浮世絵をいくつも見れたのは大きな喜び。この美術館の企画力にはいつも感心させられる。

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