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2008.08.28

お知らせ

拙ブログはPCトラブルのため、しばらくお休みします。まことにスミマセン。

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2008.08.26

WBCは大リーグ機構のプロモーションイベント!

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根っからの野球好きなので、野球ネタが続く。本日のスポーツ新聞に読売のWさんが来年春のWBCの監督に星野を後押ししたという記事が載っていた。

この勘違い爺さんは“星野君以外に誰がいるのか、オレにはいるとは思えない”と言い放っている。

野村監督ではないが、“♪♪馬っ鹿じゃなかろかルンバ!”である。巨人の現場が野球少年のファンづくりに一生懸命になっているというのに、親分がこんな馬鹿げたことを平気で言っているのだから、呆れてものが言えない。

これではジャイアンツブランドの低下は勿論のこと、日本のプロ野球からファンがどんどん離れていく。今は野球は大リーグ中心に見ているから、別に日本のプロ野球がどうなろうと全然構わないが、実際プロ野球に身をおいてプレーしている選手とか監督、コーチ、OB、解説者らは苦々しく思っているのではなかろうか。

昨日、日本テレビの番組に出演した星野が最後にまるでKYのことを言っていた。“私は失敗しても、失敗してもそれにめげずにチャレンジしてきたので、これからの人生もそうやっていきます”。“期待を裏切り申し訳ありませんでした”だけでやめておけばいいのに、こういうことを言う。ここで自分の生き方を披露してどうする。本当に“♪♪馬っ鹿じゃなかろかルンバ!”

この男はしゃべればしゃべるほど自分の評価が下がることがわからないらしい。これを聞くと誰でも“俺にはWさんがついている。WBCでもう一度指揮をとり、そこで失敗を取り戻す”と言いたいんだなと思う。そして、“星野は責任の取り方がまるでわかってない。この状況ではWBCの監督は辞退しますというのが筋だろう。まったく男らしくない。世間を甘くみている。”と反感を買う。

Wさんが星野を監督にしたがっているWBCにあまり期待しないほうがいい。日本の連覇は200%無い。だぶん、イチローは出ないだろう。たとえ出場しても2年前のように本気モードではやらないと思う。で、野手で中心となる大リーガーは最近さっぱり打てなくなったシカゴ・カブスの福留(左の写真)とアリーグ東部地区の優勝が現実味をおびてきたレイズの岩村、そして今や若手にレギュラー捕手のポジションをとられたマリナースの城島の3人。ヤンキースの松井は怪我のリハビリで出場しない。投手はレッドソックスの松坂、岡島、ドジャースの黒田、インディアンスの小林あたりか。日本からの選手はガラガラポンで相当入れ替わる。

そもそもWBCは何のためにやるのか?これを企画した大リーグ機構はオリンピックにおける野球のように国を背負って戦うことを目的にはしていない。ズバリいうと、大リーグをさらに発展させ、金を儲けるためのプロモーションイベント。試合はアジア、中南米にいる若手の有望選手を発掘し、大リーグに入団させるための下調べの格好の場であり、また現役スター選手のすばらしい技は大リーガーの卵である野球少年たちに大きな夢を与える。松坂がすごい契約金でレッドソックスに入れたのもWBCの好投が高く評価されたから。

米国人大リーガーたちはこういう背景をよく知っているから、米国の優勝にはこだわらない。シーズン前だし怪我のないようにそこそこのプレーをするだけ。前のめりになるのは韓国、台湾、日本の選手たち。とくにFAで大リーグ移籍を狙っている選手は自分をアピールする絶好の機会だから目いっぱいプレーする。

こういうWBCで日本選手が頑張っていい成績を残したら日本のプロ野球はどうなる?自分のチームの選手がFAで大リーグへいくのをいやいやながら承諾している巨人のWさんはそこでハタと考えた。

“采配の下手くそな星野を監督にしておけば、また日本は惨敗する。すると、参加した選手は大リーグの壁はまだ厚いなと感じるだろう。イチローは特別の存在で、皆が皆通用するわけではないことが身にしみてわかり、大リーガーになろうなんて身のほどをしらぬ考えをあらためる奴がでてくる。

野村なんかに監督をやらせたら、またデータを分析しまくって、弱い者が強い者を倒す戦い方をひょっとしてみせるかもしれない。あいつは大リーグのチームから監督を要請されたことのある男だから、ここはどうあってもつぶしておこう。星野は中日に嫌われ、阪神も今は岡田中心だから、俺にすり寄ってくるしかないだろう。星野には悪いがもう一回恥をかいてもらおう。日本のプロ野球の衰退は読売の危機だから、俺はこれを座視しているわけにはいかないのだ!”。

星野の仙ちゃん、W爺さんのやさしい言葉に騙されないで、監督を辞退したほうがいいよ!

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2008.08.25

強がり発言で星野はジ・エンド!

557北京オリンピックで銅メダルもとれず、惨敗に終わった野球の監督をつとめた星野の帰国記者会見における発言に不快感を覚えた人が大勢いるのではなかろうか。

“金メダルがとれず本当に申し訳ない”と謝罪しておきながら、“強い者が勝つんじゃなくて、勝ったものが強いんだと感じた大会だった”とか“日本はすぐたたきにかかる。そんなことをしたら若い人が夢を語れなくなる。たたくのは時間が止まっている人間だろう”などとわけのわからないことを言っている。

短期決戦だから強いチームが調子が悪くて勝てないことがある。だから、“日本は最強のチームだったのに怪我人が多くて万全でなく、負けてしまいました。弱くて負けたのではありません”と言いたい?こういう見苦しい言い訳をする人間を日本では一番嫌う。

ライバルチームの韓国、キューバ、米国と5回戦って2回くらい勝っておれば、そういうことも言えるが、全部負けていて弱くないと言い張ると誰の目にも“この男は素直でないな、結局言い訳ばかりしている”とうつる。これでは食の偽装問題で経営者が最初いい加減なことを言って責任逃れをするのとなんら変わりない。

こういうときは“トータルの力はほかのチームのほうが上でした。日本チームはまだまだ力をつける必要があり、これからはこういう課題に挑戦しなけらばいけないと痛感した”とでも言っておれば、聞いてる側も“日本は投手はよく押さえていたが、これだけで頂点に立つのは無理だったな。WBCで優勝したのだから、気合いを入れ直せばまたやってくれるだろう”となる。

星野は60歳をこえてこんなことがわからないの?見損なった!ちびっ子野球少年でも投手はいいのに打撃力、機動力でほかにチームに劣っていると感じている。でも、星野は自分が選んだメンバーだから、そういうことを指摘されたくない。いつから、この男はこんなに傲慢になったのか。

メディアによく登場する人間で威張ったもの言いをするのが日本には3人いる。“石原慎太郎、読売のナベツネ、そして星野仙一”。昔の政治家は皆こんな態度だったが、流石に最近はこういういかにも“俺は政治家だ”という人は少なくなり、腹の中はちがうだろうが表面的には丁寧にしゃべるようになった。

星野はインタビューで嫌なことを突っ込まれるとすぐ感情をあらわにして、威圧的な言葉で切り返す。だから、こういう謝罪会見でも、一方的に批判されるのが我慢ならないのであろう。で、“たたくのは時間が止まっている人間だろう”と強弁する。これでは救われない。

“時間が止まって、現実の野球が見えず、現場感覚がズレているのはあんただよ!われわれは選手のことをいちいち責めてない。3つもエラーしたGG佐藤にはしっかりしろと怒りたくなるよ。でも、彼は守備が下手なわけではない。シーズン中にエラーは2個しかしてない。

緊張のあまり体が硬くなっていたのだから、コーチ陣がもっとリラックスさせてやればよかったのだ。プレッシャーを緩め、チームを結束させ、攻めまくる雰囲気をつくるのが監督、コーチの役割なのに、それができなかった。そういうリーダーシップのなさ、采配のまずさを批判しているの!”と言いたくなる。

こんなことを言っている星野はもうジ・エンド。即刻、表舞台から退場してもらいたい。あんたがいなくても野球界には現役、OBに有能な人材が沢山いるからご心配なく。

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2008.08.24

横須賀美のライオネル・ファイニンガー展

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今年の西洋画で注目していた“ライオネル・ファイニンガー展”(横須賀美、8/2~
10/5)を見た。1871年にNYで生まれたドイツ系アメリカ人、ライオネル・ファイニンガーの回顧展が日本で開かれるのははじめて。横須賀美のあと、愛知県美(10/17~
12/23)、宮城県美(09/1/10~3/1)にも巡回する。

これまで、ファイニンガーの作品を見た経験はせいぜい両手くらいだから、今回出品された初期から晩年までの138点を興味深くみた。最初の部屋にあったシカゴ・トリビューンに掲載された風刺漫画がおもしろい。ファイニンガーが風刺画からスタートしたとは知らなかった。

いくつもある人物画が未来派やキュビスムの影響を受けていることは明白。お気に入りは頭が異常に小さい男や女の歩く姿が皆横向きのシルエットで描かれている“カーニバル”(ベルリン国立美)と上の“青い魚を持つ釣師Ⅱ”。3月に訪問したシカゴ美でも“カーニバル”と同じ題名の絵に出くわし、“ファイニンガーにこんな愉快な人物画があったのか!”と刺激を受けたばかりだが、またまた楽しませてもらった。

構成が巧みな“青い魚”にとても魅力される。人物は角々とした描き方で、背景の海や画面上部に描かれた船のむこうの空は横に広がる鋭角的な色面で表現されているが、画面の硬さを黄色や白やうすピンクの明るい色彩で和らげている。また、キュビスム風に描かれた顔が印象深い“自画像”にも惹きこまれる。

会場を進むにつれて、ファイニンガーらしい絵がひとつふたつと現れてくる。これまで見たファイニンガーの絵というと、古い村、教会や家々をモティーとして透明な色彩と直線的な色面を重ね合わせて描かれた風景画。そのイメージはキュビスム的風景画というか抽象的風景画。

真ん中は尖がり度が緩く、四角形の色面の重なりがとても柔らかい“街にそびえる教会”(ドイツ銀行)。そして、下は切れ味鋭い斜めの線と光と影のコントラストが心にずきっと響く“夜の聖マリア教会”(フォン・デア・ハイト美)。これが体のなかにしみ込んでいるファイニンガーの絵に一番近い。

教会の絵とともに多いのが船や海の光景を描いたもの。一度みたことのある愛知県美蔵の“夕暮れの海Ⅰ”や虹の黄色とヨットの白い帆が目に心地いい“虹Ⅱ”に足がとまった。質の高い作品をいくつもみれたのでファイニンガーにぐっと近づけたような気がする。

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2008.08.23

アネット・メサジュ:聖と俗の使者たち

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六本木ヒルズの森美術館で現在、“アネット・メサジュ:聖と俗の使者たち”(8/9~
11/3)が行われている。現代アートは好みに合い満足が得られるかどうかはいつもリスク半分なのだが、今回は館内にわりと長く居た。

この作家についての情報は皆無。出かけてみようと思ったのはHPに書かれていた“フランス現代美術界を代表する、女性アーティスト”というプロフィル記事と展覧会のタイトル“聖と俗の使者たち”に惹かれたから。

一体どんな作品が展示されているのか、歩きはじめはいつものように緊張する。いきなりぬいぐるみを羽織った鳥の剥製が目にとびこんできた。題名は“寄宿者たち”。“コレクターの秘密の部屋”をちらっと覗いたあと、さらに先に進むと動く作品“つながったり分かれたり”がある。

人物とか動物のぬいぐるみがごろんと横になったり、足や手を紐で結ばれ天井に吊るされている。じっと見ていると一定の間隔で紐が上下に動いたり、床をごそごそしている。逆さに吊るされた人間は首がなかったり、また、床にはぶよぶよの皮膚を思わせるグロテスク風のものがあったりするから、ちょっと緊張するが、なにせ物はぬいぐるみだから心拍数がそれほど上がることもなく、尻ごみはしない。

動く作品では上の“ふくらんだりしぼんだり”も目を楽しませてくれる。体から切り離された手や足、丸い袋、クッション、奇怪な物体などが空気を注入されて大きくなり、不規則に左右前後に動きだす。小さい頃よく出かけた海水浴で浮き袋を膨らませたり、空気を抜いてしぼませたりしたことが懐かしく思い出された。

また、空間の下のほうで赤い大きな布が風になびく幻想的な作品“カジノ”にも惹きこまれる。これは操り人形の“ピノキオ”に想を得て生み出されたもので、05年ヴェネチア・ビエンナーレのフランス館に展示され、金獅子賞を受賞したらしい。作品について作家自身がビデオで語っていたから興味深く見ていた。

真ん中は“たよったり自立したり”。上から垂れ下がるネットの森のような感じで、ネットが床につくところには防水用の砂袋とかゴミ袋を連想させるものがあり、途中ゴム人形、写真、文字が書かれた紙などが絡まっている。タイトルのイメージと作品がすぐ頭のなかで消化されないが、あまり深く考えないで、ぐるっと回って次のコーナーへ向かった。

下は“キマイラ”。神話本で知っている怪獣キマイラはライオンの顔、羊の胴、竜の尾をもっているが、これは蝙蝠タイプのキマイラ。真ん中の顔は苦手なホラー映画に登場する人間とか研ナオコをイメージさせる。また、黄色や青など色鮮やかな袋でサークルをつくり、その中心に上から袋の束をぶら下げる“観察中”と床から積み上げられた本の上にぬいぐるみをかぶった剥製の鳥を置き、本と本の間に動物のぬいぐるみを挟んだ“寓話と物語”にも足がとまった。

作品全体と通じてアネット・メサジュの表現したい“聖と俗の使者たち”は半分くらい伝わってきた。作家の名前と作品が心のなかに強く刻まれたことは間違いない。

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2008.08.22

星野ジャパンはこんなに弱かったの!?

550_2星野監督率いる野球日本代表は準決勝の韓国戦に逆転負けした。

女子マラソン同様、皆の期待にちっとも応えてくれず、これでライバルのキューバ、韓国、米国に1勝も出来ず、破れ去った。明日の3位決定戦にも勝てず、メダルなしに終わるかもしれない。

昨年のアジア予選で五輪出場権を決めたときの日本の強さはどこへいったのか?あのとき、韓国は確か出場権がとれず、最終予選にまわったはず。その韓国はこれまで負けなし。明日の決勝戦で優勝してもけっしておかしくない強さを見せつけている。

2年前のWBCの準決勝で日本に負けたから、その二の舞は御免とばかりに、7回2対2の同点にもちこみ、8回イスンヨプの2点ホームランなどで4点を入れ、日本を突き放した。これで日本は韓国に2回も負けた。“リベンジします!”はどこへいったの?自称野球評論家だから、星野ジャパンの敗戦を斬りたくなる。

打撃が振るわないのはその通りだが、五輪のような大舞台ではいいバッターでもはじめて対戦する投手に対しそう打てるものではない。予選の時、落ちるスライダーにてこずった韓国の若きエースから2点とったのだから、この試合は勝ちゲームだった。

問題は投手陣の継投。星野監督の継投策は完全に守りに入っている。これでは勝てない。杉内、川上と繋いだのはいい流れだったのに、そのあとが?なぜカナダ戦に好投した成瀬を6回だけで引っ込め、7回に藤川を投入したのか?左に弱い韓国打線なのだから、成瀬を6,7回投げさせ、8回を藤川、9回を上原にする。これがベストの継投策ではなかったか!

それなのに、7回藤川、8回岩瀬ときた。岩瀬は調子が悪いのだから、投げさせることはない。ここは誰が考えても岩瀬より涌井。でも、星野の頭には“岩瀬は今度はやってくれる”がこびりついているのだろう。韓国が20歳投手の若い力で勝利をもぎとろうとしているのだから、日本も生きのいい若手で打ち負かすしかない。星野はオリンピックというのは若いアスリートがそのすばらしいパワーと技を見せる舞台であることがまるでわかってない。人々は勝ち負けの結果に関心を寄せているのではなく、選手が見せるその美しく力強い技に感動しているのである。

パリーグにはダルビッシュをはじめ優秀な若い投手が何人もいるのに、星野はかれらの力を信じきっていない節がある。やはり自分が監督をしていたときよく知っていたセリーグの投手しか頭にないのだろう。セリーグ出身者はいまだにパリーグの野球を低くみているから始末が悪い。

また、現役の監督でないため、セリーグでもパリーグでも今現在の投手の本当の力をつかみきれてない。で、もともと度胸がいいほうでないから、プレッシャーがかかると安全策ばかりとりたがる。だから、また岩瀬投入になる。誰もが“何で岩瀬を投げさせるの?”と思っても、本人は守りに入っているから、これでいいのだと言い聞かせている。年をとると勝負に一番必要な勇気がなくなるのである。岩瀬も頑張れなかっのは残念だが、ベテランに頼りすぎる監督が悪いに決まっている。

勝負ごとは攻めないと勝てない。星野はどうも肝心のゲームでプレッシャーに弱い。リーグ優勝は3回したが、日本シリーズには一度も勝ってない。だから、まわりは星野の監督術を買いかぶりすぎで、期待しすぎなのである。態度がデカく、メディアの前で思い入れたっぷりのパフォーマンスをするから、皆“星野はすごいのかな”と思うだけ。実績からいえば野村・森監督のほうがはるかに上。

これで星野とか田淵、山本のおじいさんたちはダメなことがわかったから、彼らには表舞台から退場していただき、これからは若手の監督が野球界を盛り上げてもらいたい。監督の世代交代を進めるため、来年春におこなわれる第二回WBCの監督、コーチには阪神タイガースの岡田とか元大リーガーの長谷川といった能力のある人たちに指揮をとってもらうのがいいかもしれない。

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祝 ソフトボール 悲願の金メダル獲得!

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ソフトボールが決勝戦までの2試合で負けていた米国をついに破り、悲願の金メダルを獲得した!拍手〃。

ソフトボールのメダル決定の方法はややこしい。二日前、日本は米国に負けたのに、その日にあったオーストラリアとの試合に勝ったため、再度米国と対戦することになった。先発したのは、3連投のエース上野。前日、2試合21イニングを一人で投げ抜いたのに、またマウンドに立つのだから、すごい頑張り。

米国の長身のエースに初回から三振をバッタ〃とられたから、今回も無理かなと思っていたら、日本にツキが回ってきてホームランなどで2点とり、4回の時点で2-1でリードした。こうなると、応援にも力が入る。一番ハラハラドキドキだったのが6回裏。1死満塁の大ピンチだったが、後続をフライにしとめリードを守りきった。ピンチの後にチャンスありで、7回表に相手のエラーにつけこんで1点をもぎとり、点差を2点と広げた。

さあー、大変!あと1回抑えると金メダル。先頭打者がセンター前にクリーンヒットで出塁するも、上野は3つのアウトをたった3球でとった。最初のアウトをショートのファールフライでとったあと、一番バッターの強烈なライナーをサードが俊敏な動きで好捕。これでほぼ勝利をつかんだ。最後はイージーなサードゴロ。

放送席のNHKの名アナウンサー、工藤さんは興奮気味に金メダル獲得を絶叫し、解説者の前監督宇津木さんは歓喜の涙!もう興奮のるつぼ。やっとやっと手にした金メダルだから、選手をはじめ監督、コーチ、そしてこれまでの大会で惜しくも涙をのんだ人たちにとって、これほど嬉しいことはないだろう。水泳や柔道やレスリングのような個人競技の優勝も感動するが、団体競技の優勝というのは皆の喜びがひとつとなって大きくはじけるから、こちらも本当によかったなと祝福したくなる。

若い頃、社内のソフトボール大会に出たことがあるが、優勝の常連だった○○工場Aチームの投手の球は当てるのが精いっぱいで、ヒットがまるっきり打てなかった。とにかくソフトは投手が勝利の鍵を握っている。上野投手の頑張りに、野手がよく応え、3点をもぎとった。あの五輪3連覇の米国を破ったのだから、大快挙である。これで日本の金メダルは9個になった。

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2008.08.21

畠山記念館の赤のやきもの展

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白金台にある畠山記念館へ定期的に出かけるのは琳派の絵とやきものの名品を見るため。琳派作品はほぼ目のなかにおさめたので、今の狙いは専らやきもの。

現在行われている“赤のやきものー金襴手・万暦赤絵・古赤絵・南京赤絵”(8/9~
9/23)には心待ちにしていたものがでているので、ワクワク気分で門をくぐった。

やっと対面でき感慨深いのが上の“金襴手六角瓢形花入”(重文、明時代)。均整のとれた美しい形と華麗な金彩にしばし息を呑んでみていた。瓢箪形の上のふらみには“萬”と“壽”が、下のほうに牡丹唐草の文様が金箔で焼き付けてある。低い火度で焼き付けた金は剥落しやすいのだが、コンディションはとてもいい。

金襴手はこれまでいくつも見てきたが、これが最上。やきもの本に載っている理由がよくわかった。“染付龍濤文天球瓶”のほかにもこんなすばらしい中国磁器があるのだからここのやきものコレクションは本当にすごい。金襴手はほかに、丸文小壺、寄向など7点ある。

真ん中は“古赤絵刀馬人文鉢”。古赤絵も金襴手同様、景徳鎮民窯で嘉靖年間
(1522~1566)にやかれた。躍動感のある馬に乗った武将が赤でのびやかに描かれている。嘉靖のあと万暦年間(1573~1619)に景徳鎮の官窯でやかれた万暦赤絵は人物や文様を濃密な色調でみせるのが特徴。下の染付地に赤、青、黄色、緑の極彩色で絵付けされた“万暦赤絵輪花共蓋水差”にもぐっと惹きこまれる。

ここの企画展はやきものがメインの展示だが、いつも畳のところに飾ってある掛け軸も楽しみの一つ。今回の目玉は新日曜美術館で紹介された鈴木其一の“向日葵図”(拙ブログ07/5/28)。これは何度見ても心に響く。赤絵の名品とこの絵が見れたので上機嫌。

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2008.08.20

サントリー美の小袖展

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サントリー美の“小袖展”(7/26~9/21)を楽しんだ。この展覧会は館の年間スケジュールで知ったときから関心が高かったのだが、5月モディリアーニ展を見るため名古屋市にでかけた際、時間がなくてパスした“松坂屋京都染織参考館名品展”(名古屋市博)と同じものであることは最近わかった。

小袖を中心に振袖や浴衣なども含めてこれほど沢山の絵柄を見たのははじめて。3期に分けられた会期中に全部で230点ほどでてくる。また、着物のほか、意匠の雛形本や蒔絵硯箱、簪、鼈甲櫛、屏風も楽しめる。

江戸時代に生み出された小袖に使われた意匠は四季をイメージさせる花や草木、鳥をあしらったものから和歌や物語などの古典文学を思い出させるもの、そして婚礼などの祝いの席に相応しい豪華なものなど様々なヴァリエーションがある。

着物をしょっちゅう見ているわけではないから、目の前に現れる柄に一々反応してしまうが、目が慣れてくると、おのずと足をとめて長くみている意匠とさっとみるものがでてくる。上は鮮やかな青地とすっきり丸文に惹かれた“花色地丸文散らし模様縫箔”(江戸時代後期)。

真ん中は琳派狂いにはすごく魅了される“流水に菊模様小袖”(江戸中期)。S字の流水を軸にダイナミックな水しぶきと大きな菊を組み合わせた大胆な意匠がどっと目に飛び込んでくる。インパクトの強さではこれが一番だった。

夏を感じさせるものでは、描かれた蛍を夢中になってみた“宇治風景模様小袖”と下の涼しげな“網に魚介模様浴衣”が印象深い。伊勢海老、蛸、フグなどのとりあわせがとても新鮮。

雛形本にでてくる斬新なフォルム、高いデザイン性、余白のある構成といった装飾的な意匠をみると、装飾性が日本美術のエッセンスだなとつくづく思う。名古屋で見逃したときは残念な気持ちがしていたが、思わぬところでリカバリーでき幸せな気分。

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2008.08.19

NIPPONの夏(後期)

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三井記念美術館で開催中の“NIPPONの夏”は後期(8/13~9/15)にもお目当ての絵を含む31点があらたに登場するので、再度足を運んだ。前期(拙ブログ7/23)に魅了された薩摩切子やぽっぴんは最後まで展示されているから、後期だけの鑑賞でも
200%楽しめる。

最初の部屋で足がとまったのは円山応挙の“瀑布亀図”。前期の“瀑布図”は滝壺の下にある岩と水しぶきの描写がすこしゴチャゴチャしていたのに対し、この滝の絵は構成がすっきりしており、すごく惹きつけられる。そして、お楽しみは隣にある“江戸山王社天下祭絵巻”。

これはたばと塩の博物館であった“風俗画と肉筆浮世絵展”(07年3月)でお目にかかったのでよく覚えている。山車のテーマが“龍神”だから、龍や珊瑚樹のドデカイ造り物を引っ張っている。その後を行進している男たちが頭にタコ、カツオ、鯛、鮑の被り物をのっけているのがとても愉快!

お目当ての絵は最後の部屋に飾ってあった。ずっと追っかけていた歌麿の肉筆画
“夏姿美人図”(上の画像)が遠山記念館へ出向かなくてみられるのだから、有難い。背景には何も描かれていないが、ちらっと見せる衝立と足もとに置かれた団扇と虫籠が真ん中に立つ女を引き立てている。化粧の仕上げをしているこの女が着ている紺の着物とうす緑の帯の下にむかってゆるやかにカーブするフォルムがなんともいえず綺麗。

これで、歌麿の三大肉筆美人画を全部みることができた。ちなみにあとの2枚は“立姿美人図”(東博、07/10/31)と“更衣美人図”(重文、出光美)。

真ん中の勝川春章の“婦女風俗十二ヶ月図 五月蛍火図”(部分、重文、MOA)はぞっこん惚れている絵。これはMOAの平常展にもそう頻繁には出品されないので、今回2点でてきたのは大ヒット!ほかの絵師の肉筆画との違いはなんといっても顔の白さと着物の絵柄の精緻な描写。揃いで見たときの感動は半端じゃあなかった。

これは蛍の光で本を読むという中国の故事を風俗画にして描いている。昔、“蛍雪時代”という受験雑誌があったなァー!わかる人には懐かしいだろうが、知らない人にはそれって何?

後期にでている花火の絵は下の広重の“江戸名所 両国夜ノ景”と豊春の“中洲納涼図”。前期にあった北斎の花火はにぎやかで活気に満ちていたが、広重は夏の風物詩、花火を橋の上から静かに楽しんでいる人々の様子を詩情豊かに描いている。

花火の絵だけでなく、大好きな北斎の“絵本隅田川両岸一覧”(07/6/2)と再会できたのも嬉しいかぎり。前後期を通じて質の高い浮世絵をいくつも見れたのは大きな喜び。この美術館の企画力にはいつも感心させられる。

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2008.08.18

惨敗女子マラソンは誰の責任?

531_2北京オリンピックでは男子にくらべ女子が頑張っている。

柔道は2個の金メダルを含む5個のメダルをとったし、レスリングも4人全員がメダルを獲得した。

だが、柔道、レスリングと同じくらい期待されていたマラソンは惨敗に終わった。多くのマラソンファンは野口が連覇を達成し、土佐も銅メダルを獲るのではと期待していたのではなかろうか。

マラソンが大好きなので過去のオリンピックではいつも興奮して応援していた。が、今回はレースにのめりこむことが全然なく、“野口みずきが何事もなく走っていたら、優勝した38歳のトメスク(ルーマニア)に独走させることなく、ぶっちぎりの強さを見せて、ゴールのテープを切っていただろうな”と思いながら見ていた。

こんなにつまらないマラソンは久しぶり。見ているうちに陸連幹部と野口と土佐の監督に対する怒りがこみあげてきた。彼らは一体何をしていたのか?野口の足の肉離れが判明したのがレースの8日前。そして2日後に出場しないことを決めた。野口自身が一番つらいのだから、慰めの言葉しかかけようがない。ただ、レースに期待している者としては“なんとも惜しい!出れば金メダルに一番近かったのに”という思いは強く残る。

でも、監督が“予期せぬ怪我が発生しました”と説明しても、“それは残念ですね”とはならない。これまでの大会で、オリンピックへの出場権をとった選手が準備段階の怪我で本レースを欠場したことは一度もない。最善の準備をしてレースにベストの状態で臨めるようにトレーニング計画をつくり、それをマネージメントするのが監督の仕事なのに、野口の監督はこれが出来ず、野口をつぶしてしまった。お粗末極まりない!それでもプロのコーチかと言いたくなる。

野口はアテネのあと、一度故障して、長いこと走れなかったのだから、激しいトレーニングを過度にすると怪我することはわかっていただろうに。再発防止を胸に刻んだはずなのに、本番直前にダウンするのだから、傍からすると野口チームは一体どうなってんだ?ということになる。野口本人が“まだ、走りたい”と言うのを、“もういいよ、このあたりで少し休もう”と説得するのが監督の役割ではないか。

シドニー、アトランタでメダルを獲得した有森やシドニーで優勝した高橋を指導した小出監督はそのあたりは上手かった。シドニー大会の前、マスコミに出演してこんなことを言っていた。“高橋は今、一番強いよ!誰にも負けない。いい勝負ができるのは○○と△△くらいかな”。ライバルを徹底的に分析して、高橋との走力の違いをきっちり把握して、どういうレースをすると勝てるかを事前にシミュレーションしていた。このことを本人にも言って聞かせていたに違いない。

北京大会に出場した選手の走りっぷりをみて、野口の力は図抜けていたのではないかと思えるので、野口チームはどうして自信をもって準備期間をすごさなかったのかと残念でならない。要するに監督が無能だったということである。そして、野口チームの危機管理能力の無さをこれまた見過ごした陸連の責任も大きい。おそらく、陸連は野口チーム、土佐チーム、中村チームの練習状況については其々の監督に任せっきりでどういう状況にあるのか十分把握してなかったのであろう。

各チームは自分たち流でトレーニングし、陸連への報告もせず、秘密主義を通す。土佐の監督は7月の時点で、いやもっと前から土佐の外反母趾がひどくなり、本番は走れないことはわかっていたのではないか。本人も7月から長い距離を走ると本番に出場できなくなるので、まともな走り込みはしてないと思う。

皆が期待していた野口が欠場し、土佐がレース前から実質リタイア状態というのは異常である。10ヶ月も1年も前から出場を決めておきながら、こういう事態になるのだったら、補欠選手の選び方とか準備のさせ方をもっと検討する必要がある。また、代表選手3人の練習計画を陸連がチェックし、チームとのコミュニケーションを図らないとまた同じことが起こる。

マラソン界には昔から派閥があって、仲のよくないことも、今回メダルが獲れなかったことの一因ではないか。女子柔道、競泳、女子レスリングのように選手同士の横のつながりとか選手とコーチ、サポートスタッフとの絆も大事にしないと、これまで築いた伝統が一気に崩れるような気がする。今回の惨敗を真摯に受け止め、4年後のロンドン大会で強い女子マラソンを復活させてもらいたい。

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2008.08.17

祝 女子レスリング 伊調 五輪連覇!

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女子レスリングの伊調馨(いちょうかおり、24歳)が63キロ級で金メダルに輝いた!吉田と同じく五輪連覇である。拍手〃。これで日本が獲得した金メダルは8個になった。

昨日の吉田に比べると、伊調の優勝はかなり際どかった。初戦、2回戦はフォール勝ちし、流石と思わせる強さをみせたが、準決勝は冷や冷やものだった。相手選手に再三足を取られ、思わぬ苦戦を強いられた。試合が1対1で3ラウンドまで進み、ポイントを先にとられ、これは負けるかなと思ったらすぐにポイントをとり同点になった。が、同じポイントなのに、どういうわけか伊調の勝ちになり、決勝に進出した。

決勝戦でも伊調の調子は今ひとつ。1ラウンド、2ラウンドとも両者ポイントをあげられず、立った状態の相手に対して攻撃しやすい態勢から試合を進めるというルールで決着をつけることになった。これはおもしろいやり方。まず、審判が目をつむって箱の中から青か赤の玉をとりだす。

1ラウンドでは赤玉だったので、赤のユニフォームを着ているロシアの選手が伊調の片足を両手でつかみ、そこから攻撃がはじまる。攻撃が絶対有利なのに、伊調は30秒間これに耐えたため、逆に伊調にポイントがついてこのラウンドをとった。2ラウンド目は青玉がでたから、今度は伊調は攻める番。笛がなるとすぐ、相手をひっくり返し、優勝が決まった。

解説者の話によると、伊調の足がいつもの試合に比べ全然動いてないという。決勝までの3試合でスタミナを消耗したのだろうか。1ラウンドの試合時間が2分というのは素人の考えからすると短いように思うが、“だったら、一度マットの上でやってみたら。30秒たったらヘトヘトになるから”と言われそう。

体重が重いクラスの試合での2分間はかなりきついハズだし、金メダルのプレッシャーも体全体にのしかかる。それで、伊調の動きが悪くなったのかもしれない。でも、そんな苦しい試合をしながら、最後は勝つのだからたいしたもの。立派なオリンピックチャンピオンである。

これで、伊調にも五輪3連覇という大きな目標ができた。ロンドン大会でも表彰台の一番高いところに上がってもらいたい。

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2008.08.16

祝 女子レスリング 吉田 五輪連覇!

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本日からはじまった女子レスリングで55キロ級に出場した吉田沙保里(25歳)がアテネに続き金メダルを獲得した!拍手〃。

今年1月のW杯で連勝記録が119で途切れたとはいえ、圧倒的な強さをもっている吉田なら、素人目にも優勝間違いないと予想していたが、決勝戦で中国の選手をフォール勝ちしたあと涙を流して大喜び。勝って当たり前のような顔をすると思っていたが、すごく感激していた。王者の心のなかは傍でみるより、ずっと苦しい状況にあったようだ。

アテネ大会のとき、女子レスリングの試合を全部見たわけでないから、TVの前での応援はまずどんなルールで勝ち負けが決まるのかを頭に入れることからはじまる。試合時間2分のラウンドを3回やり、先に2ラウンドをとったほうが勝ち。各ラウンドはポイントの差で決まる。ただし、ポイントでリードされていても、フォール勝ちすれば、その時点で試合は終了。技とポイントの関係はよくわからないが、吉田が鋭いタックルをして相手のバックに回ったら3ポイントくらいついていた。相手を円形の試合場から外に出すと1ポイントになる。

4試合戦った吉田は動きが早く、相手選手に比べるとその強さは別格の感じ。それでも、初戦はちょっと緊張気味で解説者は“慎重に戦っている”とコメントしていた。6年間負けたとこのない選手が一度負けだだけで、試合で不安な気持ちがよぎるというのだから、勝負の世界は厳しい。

で、吉田は負けたあと、これまで最大の武器だったタックルを見直して、タックルを返されないようにトレーニングを積んだという。一度挫折を経験し、本人は相当苦しんだようだが、それをばねにして持ち味であるタックルに磨きをかけ、五輪連覇を果たした。見事というほかない!

インタビューで“ロンドンで3連覇を狙います”と力強く答えていた。なんとも頼もしい言葉。女子レスリング界における伝説の女王の道を着実に歩んでいる。

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2008.08.15

祝 男子柔道 石井 100キロ超級金メダル獲得!

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柔道の石井慧(さとし、21歳、国士館大)が100キロ超級で見事金メダルを獲得した!拍手〃。

これで金メダルは2個。、銀、銅メダルがないので、メダルの数としては過去最低だが、7階級の2つを制したのだからまあまあではないか。柔道連盟の幹部だって、本音をいうと金メダル以外はあまり価値をみとめていないのだから、アテネの3つよりは少ないが、内心ほっとしているだろう。

戦前の予想で優勝候補にあげられていたのは昨年の世界選手権でチャンピオンになったフランスの19歳の大男、リネール。だから、石井は無理かなと思っていた。ところが、石井の動きは初戦からものすごくよく、技がきれていた。一方、リネールは予想に反して準〃決勝で敗れてしまった。

石井にとって最大の難敵は3試合目のロシアのベテラン、トメノフ。だが、タフな石井は後半スタミナの切れたトメノフに押さえ込み一本勝ちした。この時点で解説者の篠原氏は“今日の石井はこれまでみたなかでは一番いい。必ず金メダル獲ります!”とためらいなく石井の優勝を断言してしまった。専門家からすれば最後に残った顔ぶれをみると、戦う前からどんな試合になるか想像がつくのだろう。

結果はその通りで、7時からはじまった準決勝、決勝では石井には相手の攻めでひやっとすることがなく、難なく勝った。この優勝で石井は井上、鈴木に次ぐ重量級のヒーローになった。石井の柔道ははじめてみたが、この選手には大物の風格がある。19歳で全日本選手権に優勝したことは知っていたが、これほど強い選手とは思わなかった。でも、豪快に決まる内また、大内刈りなどをみて、十年に一人の逸材だということは即わかった。

インタビューでよくしゃべるので、篠原氏が“石井はあまりしゃべらないほうがいい!”とコメント。これは笑えた。これからの重量級は石井 vs リネールを軸にまわることは間違いない!二人の対決が楽しみである。

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2008.08.14

祝 女子柔道 上野 五輪連覇、北島 2冠連覇!

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昨日、女子柔道の上野雅恵(29歳)が70キロ級を連覇したのに続き、今日は期待通り、北島が200メートル平泳ぎで優勝した。拍手〃!

上野は谷本のように非常に落ち着いていたから、金メダルが取れそうな予感がした。この口数の少ない柔道家は立ち技、寝技どちらも強い。相手の柔道着の袖を掴んだ手をみると、握力も相当ありそう。厳しい目つきをしており、その雄姿は男で言ったら相当腕の立つサムライといったイメージ。

準決勝の相手はアテネ大会の決勝で破った選手。今度もまた、終始自分のペースでやっつけた。決勝のキューバの選手との試合は開始46秒、あっというまにくちき倒しで一本勝ち。アテネのとき、メディアが上野の柔道環境をいろいろ報道していたから、上野家が旭川の柔道一家であることを知った。上野は三姉妹の長女で、二人の妹もオリンピック出場を狙ってがんばっているらしい。

両親の応援、姉妹の結束力が上野の健闘につながっているのだろう。それにしても、五輪連覇はすごい。谷本同様、ロンドンまで頑張って、男子の野村のように3連覇をめざしてもらいたい。

北島の200メートル平泳ぎ優勝は誰もが心のなかでは確信していたのではなかろうか。スタートしてから、ゴールまで安心してレースをみられた。泳ぎ方はほかの選手に比べて無駄がなく、のびのびしている。泳法の解説を聞くと、水の抵抗をできるだけ少なくした理想的なフォームらしい。確かに、素人目にもきれいでスピード感のある泳ぎであることがわかる。

コーチほかいろんなスタッフが北島の泳法を分析し、それにもとづいて厳しいトレーニング方法をつくるのだろうが、それをきっちり消化していく北島の対応力もすごい。肉体能力が強化され、タイムが向上すると競技していても自信がつき、精神的に余裕がでてくる。心技体がひとつになった理想的な状況で試合に臨むことをアスリート誰もが願うが、これを実現し結果を出せるのはほんの一握りの選手だけ。

オリンピックという大舞台で勝つためにはまず、高い技術、強い肉体を持っていることが絶対条件。今、北島の力はとびぬけている。まだ、25歳だし、これからも科学的なトレーニングを続け、怪我に気をつければ、次のロンドン大会でも二つの金メダルを狙える。

今回の有言実行はアテネのデジャ・ヴュ(既視感)体験をしているよう。ロンドンのときも同じことがおこるかもしれない。

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2008.08.13

ホテルオークラのアートコレクション展

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ホテルオークラが毎年行うチャリティーイベント、“秘蔵の名品 アートコレクション展”(8/8~8/30)を見てきた。今年は“パリのエスプリ・京の雅・江戸の粋”のテーマで西洋絵画、日本画80点が展示されている。この展覧会を5年続けて見ているのはいつもサプライズの作品があるから。

西洋画の収穫は大成建設と村内美が所蔵するドービニーの風景画。遠景に描かれた夕陽の輝きに大変惹きこまれた。こういういい絵が印象派展などにも出品されず、専門家や美術通の間で鑑賞の対象となっているのだから、美術の世界というのは奥が深い。モネの絵ではチラシに使われている“睡蓮”(アサヒビール蔵)と毎年登場している感じの“カミーユ夫人”が一際目立つ。

日本画は奇想派、江戸琳派、浮世絵、大観、栖鳳と盛り沢山。そのなかでも若冲2点は有難い。上が昨年、千葉市美であった“若冲とその時代展”にも出品された“旭日松鶴図”で、真ん中が初見の“松下群鶏図”。大きな絵の“松下群鶏図”は手元の画集には載っていないが、生き生きとした3羽の鶏の精緻な描写と松の枝のデフォルメされたフォルムを釘づけになってみた。

今年も途切れることなく若冲の作品と遭遇する。ボストン美の“松に鸚鵡図”、“対決ー巨匠たちの日本美術”で“仙人掌群鶏図”、“石灯籠図屏風”、“雪中遊禽図”、“旭日鳳凰図”、そいて今回の2点。“求めよ、さらば与えられん!”ではないが、代表作の大半を鑑賞済みとはいえ“若冲を見たい!”という気持ちを切らさないのがいいのであろう。

下の鏑木清方の“夏ざしき”も収穫の一枚。図版で見る以上にすばらしい美人画なので嬉しくなった。若冲同様、清方もすこぶる順調!“道成寺・鷺娘”(鎌倉大谷美)、“夏の女客”(茨城県近美)など新規の絵が7点も現れてくれた。ミューズに感謝!

会場の最後のコーナーにいい浮世絵が飾ってある。普段はなかなか見る機会がない北斎の“諸国名橋奇覧”と広重の“東海道五十三次名所図会”。“名橋奇覧”は全部で11枚の揃い物だが、これまで“かめゐど天神たいこばし”など半分しか見てなかったので、今回全部みれたのは大収穫。広重のいくつかある“東海道”シリーズのひとつ、“名所図会”も揃い物にお目にかかるのははじめて。夜泣石が出てくる“日坂”などを夢中になってみた。

今年もサプライズがいくつもあるアートコレクション展だった。

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2008.08.12

祝 女子柔道 谷本 五輪連覇!

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女子柔道の谷本がやってくれました。63キロ級でアテネに続き、見事北京でも金メダル獲得!拍手〃。これで金メダル3連発。しかも、3人とも五輪連覇の快挙である。

谷本歩実(27歳)はアテネのとき、谷亮子とともにその強さと明るい笑顔が強く印象に残った選手。今回も4試合全部一本勝ちだった。準決勝までの3試合は押さえ込みによる一本勝ち。寝技が得意なので、相手の体を崩してさっと押さえ込みに入る。

寝技が得意な選手とそうでない選手の違いは自分の足に下になった相手が足をからめてきたときの対処の仕方。谷本は準決勝で対戦したキューバのゴンザレスが必死に足をはさんできても難無く自分の足を抜き押さえ込みに入る。この連続した足や手の使い方が実にスムーズ。選手の多くが足を抜くのに手間をとり、審判の“立て”で一本のチャンスを逃がすのとはエライ違い。

決勝の相手、フランスの大柄なドコスは難敵に思われた。試合開始1分経過し、解説者の山口氏が“この試合は一瞬たりとも目が離せませんね”と言っていたら、突進してきたドコスを谷本は一瞬の内またで投げつけた。まさに、これぞ柔道!という絵にかいたような一本勝ち。相手の体が浮いたとはいえ見事な内またであった。“私には寝技だけではなく、切れのいい立ち技もあります。皆さん、見てくれました”という感じ。

負けたドコスは放心状態で、畳の上に座ったまま。審判に促されてようやく立ち上がった。柔道は焦って、また不用意に前に出ていくと相手のカウンターの投げを食らってしまう。負けるときはこういうケースが多い。谷本はアテネ大会翌年の世界選手権(カイロ)でドコスに敗れたというから、雪辱を果たせて嬉しいだろう。

五輪連覇は女子ではあの谷亮子に次いで二人目。本当に強い選手である。まだ、27歳なので、ロンドンでも金メダルを狙える。笑顔が可愛く、好感度の高い柔道家だから、これからは谷亮子に代わって、女子柔道のリーダーになってもらいたい。

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2008.08.11

祝 内柴・北島 五輪連覇!

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8日に開幕した北京オリンピックで柔道の内柴と競泳100m平泳ぎの北島は五輪連覇の偉業を達成した!拍手〃。

昨日、柔道66キロ級に出場した内柴正人(30歳、上の写真)は初戦からすごく動きがよく、前回のアテネ大会で優勝したときのように順調に勝ち進んでいくので、途中からこれは連覇するかもしれないと思えてきた。

でも、準〃決勝では、残り一分ぐらいまでウズベキスタンの20歳の生きのいい選手にポイントでリードされていたから、ちょっとあせった。が、解説者の篠原氏が“相手はバテている、まだ十分逆転するチャンスはあります”と言っていたら、その通りになった。

内柴はスタミナがあり、5分間フルに動きまわる。30歳だから、そう簡単なことではないと思うが、日頃からすごいトレーニングをしているのだろう。決勝戦はあっさり勝った。内柴は五輪代表を勝ち取るのに苦労したが、こうやって本大会の畳のうえにあがると、アテネの経験が役に立つ。プレッシャーにピリピリしているところがまったく感じられず、相手をどうやって仕留めようかというな戦いぶりだった。

前日、金メダルを期待された60キロ級の平岡ははじめてのオリンピックでガチガチに緊張し、声も発せず、初戦でなんてことはないアメリカの選手に“指導”で負けたのとは対照的な試合運び。大舞台ではやはり強靭な精神力を持っている選手でないと栄光はつかめない。

それを水泳で見せつけてくれたのが本日の100メートル平泳ぎ決勝で見事優勝した北島康介(25歳、下)。鳥肌がたつようなすごいレースだった。50メートルをトップで折り返したのは隣のレーンのダーレオーエン(ノルウェー、23歳)だったが、ターンから水面にあがってきたときはもう北島がリードしていた。あとはゴールまで力強い泳ぎで、ほかの選手をよせつけなかった。タイムは世界新の58秒91。

アテネのときと同様、皆に期待させておいて、その通りに勝ってくれる。こういうところは北島は大リーガーのイチローとそっくり。オリンピックの金メダル獲得というのは見てて本当に興奮する。内柴といい北島といい強い選手はほんとうにカッコいい。北島が200メートルでも金メダルをとれるように全力で応援したい。頑張れ!北島

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2008.08.10

東博浮世絵エンターテイメント! 歌麿・北斎・広重

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現在、東博の浮世絵コーナーに展示してあるのは28点(7/29~8/24)。そのなかで多いのが歌麿。“対決ー巨匠たちの日本美術”に登場している“歌麿 vs 写楽”を意識してか、7点もある。

足が止まるのは上の“青楼仁和嘉女芸者部 大万度 萩江おいよ 竹次”、“金魚遊び”、“鮑取り”(拙ブログ07/7/14)。歌麿初期の傑作、“青楼仁和嘉”は長いこと対面を待っていた絵。金糸の豪華な衣装をやっと見れた。

二人は芸者で“萩江節”という三味線の一派の名取。立っているのがおいよ、座っているのが竹次。吉原では俄狂言(にわかきょうげん)、略して“俄”という町を練り歩くカーニバルみたいなものが例年8月に行われており、二人は演目“大万度”をこれから演じるため、準備をしているところ。背中から長く垂れた細い金糸のむこうには緑地に描かれた鶴の紋様がみえる。

歌麿は俄を6枚の揃い物として仕上げたあと、同じ題名で半身像三人を配したものを4枚描いている。手元の画集に載っている後のシリーズ“唐人 獅子 角力”(大英博物館蔵)は上の絵以上に魅力があるので、いつか見てみたい。夏にもってこいの絵が“鮑取り”。隣に春信のあぶな絵、“海女”を飾っているのも気が利いている。

ここ3カ月続けて展示してある北斎の“花鳥図”をみていると楽しくなる。今回は真ん中の“芙蓉に雀”と“百合”(07/2/15)。“芙蓉に雀”を雀の飛ぶ姿と画面のなかの位置をいろいろシミュレーションしながら見ていた。似たような構成の“紫陽花と燕”で燕は右斜め上から飛んできているのに対し、芙蓉の真横に描かれた雀は上から垂直に落下してきた感じ。芙蓉は地面からまっすぐにのびているので、垂直の動きを強調するため、雀をこれにあわせた形にしたのかもしれない。

広重の“東海道五拾三次”からは“金谷”と下の“日坂”の2点。“日坂”の画面中央、道にごろんと置かれているのは“夜泣石”。立体的な空間を感じさせるゆるく曲がったU字の坂道とまわりの松の木をみるたびに感心するのが広重の構成に対する図抜けた感性。ほんとうにすごいと思う。

初見で200%感動した絵があった。勝川春章の“大谷広治の鯉つかみ”と鳥文斎英之の三枚続の大作、“蛍狩り”。見てのお楽しみ!

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2008.08.09

蕪村の蘭亭曲水図屏風と運慶様の彫刻

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“北京故宮 書の名宝展”(江戸東博、7/15~9/15)に出品されている王義之の最高傑作“蘭亭序”(拙ブログ7/26)といい具合にコラボする絵を現在、東博平常展でみることができる。それは与謝蕪村が描いた上の“蘭亭曲水図屏風”(六曲一双、右隻、展示は8/24まで)。

これはMIHO MUSEUMの回顧展では会期が合わずみれなかったが、東博蔵なので、いずれ平常展でお目にかかれるだろうと思っていたら、意外に早くリカバリーできた。しかも、絶好のタイミングで。

会稽山(浙江省紹興県)のふもとにある蘭亭という庭園でおこなわれた漢詩の宴はゲーム感覚。清流が曲りくねる曲水の岸辺に座って、ただ詩をつくるのではおもしろくない。で、上流から盃を流してもらい、自分の前に流れてくるまでにつくる。できなければ、罰としてお酒を沢山飲まなければいけない。こんなルールで王義之と仲のよい文人41人が思い思いに詩をつくって楽しんだ。

画面には文人は右・左隻で14人、お手伝いの子供が5人描かれている。右上の岩の間をみると盃をのせた小さな板が流れている。盃がいくつあるかは見てのお楽しみ!屏風の上に書かれているのは天龍寺の坊さんの筆による“蘭亭序”。少し目が慣れてきたので、出だしの“永和九年歳癸丑暮春”くらいまでは読めた。

本館1階で行われている特集陳列は正面入って右の最初の展示室が“六波羅蜜寺の仏像”、その奥が“二体の大日如来像と運慶様の彫刻”(展示はともに9/21まで)。真ん中は六波羅蜜寺にある“伝運慶坐像”(重文)。これは息子の湛慶の作といわれている。ごつい顔は豪快な仏像を数々つくった運慶のイメージにぴったり合っている。

運慶様の彫刻は下の栃木・光得寺蔵の“大日如来坐像”(運慶作、重文)、サザビーズのオークションで競り落とした真如苑蔵の“大日如来坐像”(運慶作)、四天王眷属立像、十二神将など8点ある。光得寺の黄金に輝く“大日如来”は小さな像だが、ふっくらしたやさしそうな顔立ちに心がなごむ。

“対決ー巨匠たちの日本美術”で運慶、快慶の丸顔の地蔵菩薩像を鑑賞した後、本館に移動し、“運慶像”や運慶様の8点をみると、運慶一派の彫刻にぐっと近づけるのではなかろうか。

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2008.08.08

東博の平治物語絵巻と六波羅蜜寺の仏像

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東博本館の国宝室に2年前取り上げた“平治物語絵巻(六波羅行幸の巻)”(拙ブログ06/2/20)が展示されている。会期は8/5~9/1。これは合戦絵巻のなかではとびきりいいものだから、年に一回は展示されているような気がする。

“対決ー巨匠たちの日本美術”(~8/17)に出品中の宗達作“扇面散屏風”(7/29)に描かれている武者や馬はこの絵巻を下敷きにしている。だから、“対決”をみて、国宝室にも寄れば楽しさがグッと増すことは請け合い。

この絵でいつも釘付けになるのが馬の姿態。体をよじったり足を跳ね上げたり、どの馬をとっても静かにしていない。これほどの暴れ馬を御する武者や従者は大変だろう。馬のダイナミックなフォルムとともに目を楽しませてくれるのが精緻に描写された武具甲冑。上は後白河法皇の皇子である二条天皇(17歳)が女装して大内裏を脱出し、逃げ込んだ平清盛のいる六波羅の門前の様子。馳せ参じた武士や公家たちでごったがえしている。

鮮やかな緑や赤の鎧を身にまとった武士たちはまっすぐ前を見ている者もいれば、隣同士でおしゃべりしている者もいる。“信頼は今頃、地団太を踏んで悔しがっているだろうな。天皇が女に姿を変えて脱出するとは思ってもみなかっただろう。これで公家の天下は終わり。これからは俺たち武士の時代だな。清盛様についていこうぜ!”とでも言っているのであろうか。

3つある“平治物語絵巻”のうち、“信西の巻”(重文、静嘉堂文庫)はこの2年の間にみることができたから、残るはボストン美にある真ん中の“三条殿夜討の巻”。でも、これと対面するのだいぶ先になりそう。00年、17年ぶりに里帰りしたときは、広島にいて日程の調整がつかず、諦めざるをえなかった。日本でみられることは当分なく、NY、ボストンを再訪しても、この絵巻と遭遇するかは?ミューズがいつか見せてくれると信じて、のんびり待つしかない。

下は1階で開催されている“六波羅蜜寺の仏像展”に飾ってある“平清盛像”(重文)。これは一度現地でみたことがある。チラシに使われている“地蔵菩薩立像”(重文)などほかの像はまるっきり覚えてないのに、口から六体の小仏が出るというユニークな造形が印象的な“空也上人立像”(重文、今回展示なし)と厚い唇と上目づかいに緊張させられるこの清盛像だけはよく覚えている。

清盛は実際、こんな顔をしていたのだろうか?2階と1階で“六波羅”つながりの美術品を堪能した。

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2008.08.07

もっと見たいマネの名画!

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ライフワークにしている印象派絵画でいつか遭遇したいと願っているのが、マネの回顧展。モネ、ゴッホ、ロートレックは何度もあり、セザンヌ、ルノワールも開催されたのに、マネ、ゴーギャン、ドガの回顧展はまだお目にかかってない。

西洋画家の回顧展をパリ、ロンドン、NYの美術館ではなく、日本の美術館で見れる可能性は今後も甚だ低いだろうから、見たい画家についてはやはりオルセー、メトロポリタンなどの展覧会情報をマメにチェックし、そのタイミングに合わせて、出かけるしかない。

が、ひとつ嬉しいニュースがある。Takさんの情報によると、2010年春にオープンする三菱一号館美術館で“マネ展”が開催されるというから驚き!西洋美でマネ展をやってくれないかと願い続けてきたが、元ここの学芸員だった高橋明也氏が館長として就任された三菱の美術館で現在、準備が進めらているのである。

ラ・トゥール展(05年)や今、大盛況のコロー展を企画された高橋館長が構想するマネ展なので、期待値はいやがおうにも高くなる。1月、3月の海外美術館めぐりでマネの作品をかなり見たから、代表作の多くに済みマークがついたが、残っているもので次の3点は個人旅行でないかぎり、まず見れない絵。

★驚くニンフ:アルゼンチン、ブエノスアイレス国立美(上の画像)
★アトリエでの昼食:ミュンヘン、ノイエ・ピナコテーク(真ん中)
★ナナ:ハンブルグ美(下)

ブーシェの“ディアナの水浴”(拙ブログ4/1)をみたから、“驚くニンフ”と対面したいが、なにせブエノスアイレスは遠すぎる!明るい高級娼婦“ナナ”はなんとしても見たい絵だが、ハンブルグは普通のドイツ観光ツアーには入ってから、これも無理。

ミュンヘンにはジュネーブに住んでいた頃、クルマで出かけたことがあるが、入館したのはルーベンスの物語絵やデューラーの有名な“自画像”などがある“アルテ・ピナコテーク”(古絵画館)のほうで、前に近代絵画を展示する“ノイエ・ピナコテーク”(新絵画館)があることを知らず、満腹気分のまま次の目的地に出発してしまった。

あとで、ここにはゴッホの“ひまわり”やマネの“アトリエでの昼食”や“ボートの中のモネ夫妻”といった名画があることがわかり、残念な思いがつのった。ミュンヘンにはカンディンスキーの抽象画がみれるレンバッハハウス美があり、また訪ねてみたい気持はあるのだが、ドイツはベルリンの美術館群を優先度一番にしているから、ここはその後になる。

2年後のマネ展にこれらの絵が含まれていることを夢見ていたい。“高橋館長、期待してます!”

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2008.08.06

期待のフェルメール展!

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東京都美で期待の“フェルメール展”(8/2~12/14)を見た。会期を超ロングの4ヶ月にしたのは、フェルメールの高い人気を想定してのことだろう。フェルメールが大好きな方なら、全国から万難を排して上野に駆けつけるだろうが、新幹線を使えばさっと東京に来れる近畿、東海、長野、新潟、東北からも多くの方が上京されるのではなかろうか。

また、近隣のアジアでは韓国や台湾や中国の北京とか上海の美術ファン、シドニー、メルボルンにいるオーストラリア人、アメリカのLAやサンフランシスコにいる人たちも東京に押し寄せるのではないかと勝手に想像している。

フェルメールの作品が一度に7点も見られるのは滅多にないこと。それにしても、日本は美術大国。2000年にも大阪市立美で開催された特別展に“青いターバンの少女”(拙ブログ07/10/6)、“天秤を持つ女”(4/13)、“地理学者”、“リュートを調弦する女”、“聖プラクセディス”の5点が展示され、すごいフェルメール人気だったが、今回はこれを上回る7点の公開。昨年の“牛乳を注ぐ女”に続いての7点だからまったくすごい。

2階に飾ってあるのは、“マルタとマリアの家のキリスト”(上の画像)、“ディアナとニンフたち”、“小路”、“ワイングラスを持つ娘”、“リュートを調弦する女”、“手紙を書く婦人と召使”、“ヴァージナルの前に座る若い女”。開幕直前に、“絵画芸術”(ウィーン美術史美)がドタキャンになり、ダブリンにあるアイルランド・ナショナル・ギャラリーが所蔵する“手紙を書く婦人と召使”に替わった。

“絵画芸術”との対面を楽しみにされていた方には申し訳ないが、この変更は嬉しいニュースだった。4回みている“絵画芸術”よりは未見の“手紙を書く”のほうが断然有難い。フェルメールが好きといってもダブリンまでは追っかけられない。

目に力が入るのは初見の作品。初期の宗教画“マルタとマリアの家のキリスト”(スコットランド・ナショナル・ギャラリー)はカラヴァッジョの“エマオの晩餐”(2/6)のようにキリストが手を大きく広げるポーズがみられるので、以前からいつかお目にかかりたいと思っていた絵。ようやく夢が叶えられた。

キリスト、下で肘をつくマリア、パン籠をもっているマルタの三人の位置関係がまことに絶妙で人間味にあふれている。キリストの話をじっと聞いているマリアの明るい赤の衣装と顔の目の前にあるキリストのやけに大きな手がとても印象的。

真ん中の“ワイングラスを持つ娘”(アントン・ウルリッヒ美)は図版でこちらのほうをみて笑っている娘にとても惹かれていた。が、笑顔は期待通りだったが、顔や手の描き方があまりていねいではない。さらに、いつも居なくなってほしいと思っている男が二人もいるので、トータルの好みとしてはフリックコレクションの“士官と笑う女”(5/22)の半分くらいだった。

下の“手紙を書く婦人と召使”は緑のカーテンの陰影とか手紙を書いている女主人の白い服や顔のはっきりした描き方をみると、窓から差し込む光がちょっと強すぎる感じ。これと較べると“天秤を持つ女”や“水差しを持つ女”(5/8)にみられる光の量は少なくてやわらかい。

“ヴァージナルの前に座る若い女”の率直な印象は“ええー、こんな小さい絵だったの!”ロンドンナショナルギャラリーで久しぶりにみた“ヴァージナルの前に座る女”と同じくらいの大きさを想像していたから、勝手が違った。メトロポリタン美蔵の“リュートを調弦する女”は前にも書いたが、どうも苦手。だから、さらっとみて終わり。

再会した“小路”(アムステルダム国立美)の見どころは何といっても赤茶色の煉瓦の質感と明るい雲!しばらくいい気もちでこの風景画をみていた。

今回の鑑賞でこれまで見たフェルメール作品は37点のうち、31点になった。ボストンのガードナー美にある“合奏”は盗難中だから、残りは5点。今年中にもう2点みれるかもしれない。フェルメールとのお付き合いはまだまだ終わらない。

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2008.08.05

ベラスケスの王女マルガリータ

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東京都美ではじまった“フェルメール展”に多くの美術ファンは夢中だろうが、国立新美にもすごくいい絵が現在展示されている。それは“ウィーン美術史美蔵 静物画の秘密展”(7/2~9/15)に特別出品されたベラスケスの“バラ色のドレスの王女マルガリータ”(上の画像、3歳のとき)。

この絵は現地で見たから、展覧会はパスにしているのだが、先週の“美の巨人たち”が取り上げてくれたのでTV画面で再会することになった。下の“青いドレスの王女マルガリータ”(8歳)は過去2回、日本にやってきたように記憶している。そのとき、“なぜこの絵はよく日本にくるのかな?”と思っていたら、ちょうど5年前ウィーン美術史美を再訪したとき、その理由がわかった。

ここにはベラスケスがマルガリータの成長にあわせて描いた3枚の肖像画がある。3歳のとき、5歳(白いドレスの王女マルガリータ、真ん中)、8歳のとき。館の図録に載っているのは“バラ色のドレス”と“青いドレス”と王女の弟を描いた“フェリーぺ王子”。図版の大きさで現地での人気度がわかる。“バラ色のドレス”は頁いっぱいの図版なのに対し、“青いドレス”はその三分の一。

われわれは“青いドレス”のほうを日本でよく見かけるから、てっきり現地での人気もこれが一番かと思っていたが、その逆だった。“バラ色のドレス”が皆のお目当ての絵だから、これが飾ってないと入館者のクレームが怖い。で、“青いドレス”が日本出張要員ということになる。だから、今回、“バラ色のドレス”が出品されることがわかったとき、よくぞ貸し出してくれたなと思った。ちなみに、TASCHENの“ベラスケス”に載っているのも“バラ色のドレス”。

3歳のマルガリータは顔がふっくらとしてお人形さんみたいに可愛い。今でもしっかり目に焼きつけているのがドレスの色合い。地のうす灰色に施されたバラ色の模様がぴったり合っている。真ん中の5歳のマルガリータは“ラス・メニーナス”(拙ブログ07/3/19)と同じ顔立ち。目がパッチリして、活発なお譲ちゃんいう感じ。

マルガリータも8歳になると、銀糸で縁取りされたスカートを着ていることもあり、王女らしい姿になっている。ベラスケスはこの“青いドレス”を描いた一年後に亡くなるが、もしマルガリータが15歳でウィーンのレオポルト一世のもとに嫁ぐまで生きていたら、あと数点描いていたかもしれない。

ベラスケスの傑作、“バラ色のドレスの王女マルガリータ”をまだ見られてない方はこの絶好の機会をお見逃しなく!

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2008.08.04

パンダフルライフ!

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8日からはじまる北京五輪のTV中継の情報を得ようと“月刊TV太郎8月号”を買ったら、なんとも愛らしいパンダの写真がいっぱい載っていた。画像が楽しいことは言うまでもないが、感心したのが“パンダフルライフ”というフレーズ。

“ワンダフル”から“パンダフル”を思いついたのだろうが、とても響きがよく、造語大賞をあげたくなるいい言葉。“パンダフルライフ”の日本語訳は“大熊猫的生活”となっているが、“パンダフルライフ”でそのまま通用する。

実はこれは映画のタイトル。毛利匡監督が撮ったドキュメンタリー映画で8/30から全国ロードショーされる。解説を読むとパンダに密着取材して、子育て、子供パンダの成長などをあますところなく映像におさめているようだ。ナレーション役は菅野美穂。面白そうな映画なので、招待券がもらえるクイズにさっそく応募した。当たればいいのだが。

ぬいぐるみそのもののパンダをみると、いつも口元が緩む。ふわふわモコモコした感じで、ゴロンとなったりするしぐさが本当に可愛い。隣の方が動物好きでNHKの日曜夜7時30分からの“ダーウィンが来た!”をおつきあいでよくみる。

この番組だったか、その前のシリーズだったか判然としないが、動物カメラマンの岩合さんが中国で野生のパンダを最接近して撮影した場面が今でも目に焼き付いている。このとき、パンダは人に気づいても驚きもせず、笹をむしゃむしゃ食べていた。現在、60頭いる四川省成都にあるパンダ繁育研究基地も紹介されたような気がするが、こちらは覚えていない。

映画“パンダフルライフ”では、海外クルーとしてははじめて繁育研究基地の産室にカメラが潜入したとのこと。つい最近もパンダの赤ちゃんが産み落とされるところがTVで放映されたが、生まれたときはあんなに小さいのに、みるみるうちにあのぬいぐるみのパンダになるのだから、パンダの成長いうのは真に神秘的。

4年に一度の大スポーツイベント、オリンピックがもうすぐ開幕する。金メダルが期待される柔道の谷、鈴木、水泳の北島、女子マラソンの野口、ハンマー投げの室伏らが出場するときは前のめり状態だろうが、外国選手の試合は、ごろんとした“パンダフルライフ”流で熱戦を楽しもうと思う。

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2008.08.03

フランス近代絵画と唐三彩展

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松岡美と庭園美は近くにあるから、訪問する日が同じになることが多い。松岡美では現在、“フランス近代絵画展”(4/26~9/21)と“唐三彩展”(併設展示)が行われている。ここのコレクションで関心があるのが日本絵画とやきもの。今回の軸足はまだ見てなかった唐三彩のほうにある。メインディシュをいただく前に、フランス絵画(35点)をさらっとみた。

国内で行われるモネ展によく出品されるのが“サン=タドレスの断崖”。でも、これにのめり込むことはない。お気に入りはシニャックの“サン=トロペの港”(拙ブログ07/7/23)とクロスの“遊ぶ母と子”。はじめてみる絵で収穫はルオーの“道化師”、“ブルターニュ教会の内部”の2点とドンゲンの“シャム猫を抱く婦人”(上の画像)。

ドンゲンは好きな画家だから、新しい作品に出くわすととても嬉しい。これは大きな絵でソファに座り、お腹のあたりにシャム猫をおいた婦人のピンクの服が目にとびこんでくる。“日本にもドンゲンのいい絵が結構あるなあー!”と感心しながらみていた。

ここの中国陶磁コレクションで唐三彩がまだ残っていたが、図録に載っているものはほとんど展示されていた。その数41点。唐三彩をこれだけ沢山みたのははじめて。国内では東博にある瓶や壺、馬、駱駝が一番頭のなかにはいっているから、これを思い出しながら発色具合などをみた。

真ん中の“三彩大壺”はこれぞ唐三彩の感じがする。器肌全体に鮮やかに発色した緑、褐色、白の流れるような、滲むような調子にとても魅了された。そして、白の地に縦に流れる淡い褐色、緑の線が目に心地いい“三彩貼花獅子文鍑”も心を揺すぶる。鍑(ふく)は鍋、釜の用をする器のこと。

東博同様、ここにある馬や駱駝は見ごたえがある。馬単独のものが6点、背中に人物が乗っているのが5点。存在感のある4点の三彩馬のうち、とくに目を見張ったのがきれいにウエーブされた白のたてがみの2頭。こんな立派な三彩馬はこれまで見たことがない。

また、下の頭を上に思いっきり上げている駱駝と胡人の駱駝引きにも足がとまる。シルクロードを通りはるばる長安にやってきた駱駝は唐人が憧れる西方の象徴だったにちがいない。ほかにも、唐三彩の定番である官人、神王、婦人などもある。満ち足りた気分で館を後にした。

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2008.08.02

泉屋博古館分館の明治の七宝展

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展覧会のチラシは時々、出動を決意させるのに大きな力を発揮することがある。今回出かけた泉屋博古館分館で行われている“明治の七宝展”(7/19~9/15)はまさにそう。三井記念美で手にした上の蝶が描かれた瓶の載っているチラシをみて即、訪問を決めた。

これをつくった明治の近代七宝を代表する並河靖之(なみかわやすゆき)の名前は知っているが、お目にかかった作品は代表作の“四季花鳥図花瓶”(三の丸尚蔵館)などほんの数点。普段、こういう明治の七宝にはまったく縁がないから、関心もいま一つ。

だが、今回展示してある七宝のコレクションとしては世界屈指という京都の清水三年坂美術館蔵の約130点と東博や京博などから集められた20点をみて、一気に七宝の魅力にとりつかれてしまった。息を呑むほど美しい七宝の瓶や壺がずらっと揃っている。京都にはよく出かけるのだから、もっと前に清水三年坂美を訪問しとけばよかった。

明治の七宝は尾張の梶常吉(1803~1883)がはじめたものだが、これを最高のレベルにまで高めたのが並河靖之(1845~1927)。万国博覧会や国内の展覧会に出した作品は高く評価され、海外の美術館やコレクターに高値で買い取られた。今回全部で37点ある。そのなかで夢中になってみたのが上の“蝶図瓶”と真ん中の“桜花に蝶図皿”。“蝶図瓶”では並河の代名詞となった艶のある黒地に大きな蝶が浮かび上がっている。精緻に表現された羽根の模様にうっとり。

うす緑の地に同じくらいの数匹の蝶が中心をまわるように描かれた皿にも惹きこまれる。速水御舟の美しい蛾の絵、“炎舞”(拙ブログ07/6/20)とか“粧蛾舞戯”(08/6/4)を見ているときのように高揚した気分になった。縦長の壺に描かれた花は桜、紫陽花、梅、藤などだが、上から垂れる様子が壺の形とよく合っている藤花にしばらく見とれていた。

並河作品に続いて並べられているのが東京で活躍した同じ名前の涛川惣助(なみかわそうすけ、1847~1910)の壺や皿。16点ある。この中に03年、東芸美で開催された“工芸の世紀展”で見た“七宝嵌入屏風”(東博)があった。こちらの涛川も並河同様、高い技量のもちぬし。二人は明治29年(1896)に帝室技芸員に任命されている。

涛川は釉薬を差したあと金属線を抜く無線七宝で作品を制作したため、鳥や花の輪郭がやわらかく、まるで絵筆で描いたような印象を受ける。お気に入りは下のいかにも蛍が飛んでいるような“菊紋蛍”。壺の質感がツルツルしたお菓子“チェルシー”を連想させる“藤図花瓶”にも足がとまった。

両“なみかわ”の名品のほかにも目が点になる絢爛豪華な七宝がいっぱいあり、もう大満足。期待値を大幅に上回るすばらしい展覧会だった。

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2008.08.01

東京都庭園美術館の舟越桂 夏の邸宅

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東京都庭園美術館は好きな美術館。ここで今、企画展“舟越桂 夏の邸宅”(7/19~9/23)が行われている。感想を書く前に注意事項を。ここの休館日はほかの美術館のように月曜ではなく、第2と4の水曜日。久し振りに訪問したので、これをすっかり忘れ、7/23は閉まった門の前でがっくり!こういうときは本当に疲れがドッとでる。
8/13,9/10は休みなのでお出かけにならないように。

これまで見た舟越桂の彫刻は上の“肩で眠る月”(96年、愛知県美)の一点のみ。これにすごく衝撃を受け、いつか回顧展あったら是非見にいこうと思っていた。それがやっと庭園美で実現した。作品は“肩で眠る月”を含めて彫刻が18点、ほかにドローイング
40点、版画20点。

楠に彩色された木彫作品はかなりシュール。“肩で眠る月”のタイトルがまずヘン。どこに月があるの?肩のところに彫られているのは家と山。よくわからない?遠くをみているような眼をした男の顔の後ろに子供の顔がくっついているのもハッとする。

真ん中の“雲の上の影”(02年、札幌芸術の森美)は大きなセーターのなかに女性が二人入っているみたい。これくらいのフォルムだと心は落ち着く。これをシュールさの中点とすると、ごくまともな現代人の半身像が5点、そのほかの8点はなんとも不思議は肖像彫刻。

シュールさの決め手は腕と手。裸体の女性の後ろに切断された両腕があったり、男の腹のあたりに一本の腕がくっつけられている。この腕は06年から舟越が制作している両性具有の“スフィンクス”シリーズにもでてくる。下の“遠い手のスフィンクス”(06年)ではカットされた左手が大きな乳房の横にみえる。

一連の“切断された腕や手”をみて頭をよぎったのがベルギー王立美でみたマグリットの“エスプリ”(拙ブログ05/4/25)とクレーの“頭も手も足もハートもある”(06/7/4)。これに舟越は刺激された?!

スフィンクスの作品はほかに4点ある。作品にすっと向き合える“戦争を見るスフィンクス”(06年)、心がざわざわしてくる大作“森に浮く〃”(06年)、般若のような顔が目に焼きつく“戦争をみるスフィンクスⅡ”(06年)、そして今年の作品、“見晴らし台の〃”。スフィンクスの頭のてっぺんから両手を上にあげた子供がにょきっと出てきた感じの“見晴らし台の〃”は“肩で眠る月”を連想させ、すごく惹きつけられる。

舟越桂の彫刻作品をアール・デコ装飾で彩られた空間に展示してみようと思いついたここの学芸員のセンスは相当なもの。アール・デコとシュールな舟越桂の作品が見事に響き合っており、モダンとコンテンポラリーの美が融合した“夏の邸宅”になっている。

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