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2008.07.14

対決ー巨匠たちの日本美術  歌麿 vs 写楽

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浮世絵師、歌麿と写楽の組み合わせだと、描いているのがともに大首絵、全身像の人物画だから“対決”の図式がすとんと腹に落ちる。

が、ー憂き世を浮き世に化粧してーはおもしろくない!随分考えたのだろうが、二人の画風のイメージがこれでは伝わらない。山口晃さんに似顔絵だけでなく、コピーも依頼したらよかったのに。

今回出品されている美人画、役者絵12点(6点ずつ)は全部東博が所蔵するもの。過去4年間、ここの浮世絵平常展は数回見逃しただけでほとんど鑑賞してきた。展示リストはすべて保管してあり、喜多川歌麿、東洲斎写楽のどの絵が登場したがわかる。とくに歌麿は重点鑑賞絵師にしているから、だいたい目に焼きつけている。

4年通ってもお目にかかれなかったのが今回6点のなかに4点ある!心のなかは嬉しい気持ちと“画集に載っているいい絵なのだから、4年も待たせないでもっと早く見せてよ!”がないまぜ状態。上の有名な“婦人相学十躰・浮気之相”(重文)が04/4、06/8、“娘日時計・辰ノ刻”が04/10、昨年9月にでてきた。

が、ほかの“婦女人相十品・ポッピンを吹く娘”(真ん中)、“歌撰恋之部・物思恋”(重美、拙ブログ07/10/11)、“衝立の上下”、“当時全盛美人揃・玉屋内小紫”(重美)はまだ見てなかったのである。“ポッピンを吹く娘”は以前ここで見たことがあるから、初見ではないが、“衝立の上下”と“玉屋小紫”はやっと会えたかという感じ。

カテゴリーの“浮世絵”に漸く歌麿の代表作の代表作“浮気之相”と“ポッピンを吹く娘”を加えることができ、ほっとしている。“浮気之相”は女は洗い髪を巻き、手拭をもっているから、湯からあがってきたところだろう。胸元がはだけ乳房がみえるといっても、心がザワザワし、顔がほてってくるという感じでもなく、ボッティチェリの“ヴィーナス”をポカンと口をあけてみているような感覚。

真ん中の“ポッピンを吹く娘”は体の向きは“浮気之相”と逆だが、顔立ちがふくよかでやわらかいところはよく似ている。歌麿の描く女は“似たり寄ったりの顔じゃない!”と思えるときと、“じっくりみると内面がよく伝わってくるな。この女は今憂鬱な気分なんだ”と女の心理状態をずばっととらえた高い描写力に驚かされるときがある。上と真ん中の2枚は前者のタイプの絵で、“物思恋”は後者の典型的な例。

写楽の6点は06年11月にあったミニ写楽展(20点展示)でもみた。もちろん、そのなかには人気の高い下の“市川鰕蔵の竹村定之進”(重文)と“三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛”(重文、06/11/17)が入っている。

この2点は写楽作品のなかでもっともインパクトがあり、竹村定之進のあの鷲鼻と奴江戸兵衛のヤモリの足を連想させる手がいつも真っ先に目に飛び込んでくる。国内では最上といわれる東博蔵の歌麿、写楽の絵が見られる機会はそうないから、心ゆくまで楽しんだ。

これで、ひとまず、巨匠たちの“対決”は終り。後半にまた出かけるので、そのとき追加の“対決”があるかもしれない。

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