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2008.07.12

対決ー巨匠たちの日本美術  応挙 vs 芦雪

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今日から江戸絵画で人気の高い絵師の“対決”が続く。最初は“応挙 vs 芦雪”ー写生の静・奇想の動ー 作品は3点ずつ。12組のなかで一番少ない。主催者の人たちがどのようにしてこの6点を選んだのかちょっと推察してみた。

“長澤芦雪といえば虎図襖(真ん中の画像、重文、無量寺、拙ブログ05/2/13)だから、これははずせないな。よし、和歌山から持ってこよう!東京でこの虎が公開されるのははじめて?以前、千葉市美であった芦雪展には展示されたっけ?”

“さて、これに対する円山応挙の虎の絵はどうするか?芦雪の虎に対抗できるのは猛虎図(上)しかないが、これを所蔵している○○さんは貸し出しをOKしてくれるだろうか?03年大阪市立美で開催された大回顧展に70年ぶりに公開されてまだ5年しかたってないからなあー、お願いしてみよう”

“応挙は龍や孔雀、鶴を描いた傑作も飾りたいところだが、今回は虎だけでいこうか。となると、応挙の目玉は何にしたらいいのだろう?悩むな”

“最晩年の傑作、保津川図屏風(07/8/10)、国宝の雪松図、大瀑布図、どれがいいかな?今回は対決スタイルの展示だから、芦雪の作品との響き合いや対照性がわかる絵をもってこないと見る人に二人のスゴさが強調できないな”

“ところで、メトロポリタンにある芦雪の海浜奇勝図屏風(下)は里帰りできるのかな?出来る!じゃあ、川と海でくくれる保津川図にしよう。二つを一緒に並べると見ごたえあるから、皆さんにもきっと喜んでもらえる”

“人物画とか動物画はどうしよう?応挙も芦雪も子犬の絵は癒しにはもってこいだが。でも、隣りに曽我蕭白のアクの強い絵があるのなら、これに負けない芦雪の山姥図(06/11/24)をもってくるのもいいかもしれない”

“応挙は誰かいいのを考えてくれない。三美人?幽霊図のほうが良くない。盆のころまで会期はあるのだから。やはり、足があったほうがいいか、三美人に決定!”

応挙と芦雪はお気に入りの絵師なので勝手な想像を膨らませてしまう。応挙展で金地に5頭の虎が描かれた“猛虎図屏風”(六曲一双、上は左隻の一部)を息を呑んでみたときの感激が蘇ってきた。またまた1本々丁寧に描かれた毛並みの質感に釘付けになる。顔をみると虎ではなく猫、左の尾を高々とあげ正面を向いているのはどうみても猫の姿。

この虎の尾っぽを下げ、スケールアップした感じが芦雪の可愛い虎ちゃん。必死にこちらを睨んでいるが、ちっとも怖くない。“のどをなでてあげるから、ゴロンと横になったら”とつい声をかけたくなる。

下の“海浜奇勝図屏風”(六曲一双、左隻)は待望の絵。3月、メトロポリタンを訪問した際展示されておらず、“対面はだいぶ遠のいたな”と気落ちしていたが、嬉しいことに日本で会えることになった。だから、追っかけ作品のなかでは見たい度は最も高かった。

岩にはラグビーのボールを斜めにしたような穴があき、牛とか猪の足が突き出ているように見える。まさに奇岩!海鳥になってこの穴をすいすいと通り抜けたい思いに駆られた。金箔地に墨で描かれているから、この奇妙な岩のフォルムが強く目に焼きつけられる。奇才、長澤芦雪にしかこんな絵は描けない。体が熱くなった!

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