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2008.07.13

対決ー巨匠たちの日本美術  若冲 vs 蕭白

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展覧会のチラシに一際大きく書かれているのが“若冲 vs 蕭白”。その後のー画人・画狂・画仙・画魔ーについては誰も言葉の意味など気に留めてないだろうが、最初の二つが若冲で、後の二つが蕭白のことを言っている?大魔人は知っているが“画魔”って何?

3年前、京博であった曽我蕭白展で使われた“円山応挙が、なんぼのもんじゃ!”に較べるといかにも硬いワーディング。まあ、展示されている8点はいいものばかりだから、どうでもいいことではあるが。

伊藤若冲は“仙人掌群鶏図襖”(重文、西福寺)、“石灯籠図屏風”(京博、拙ブログ05/3/27)、“旭日鳳凰図”(三の丸尚蔵館、展示は7/29~8/17、06/7/8)、そして上の“雪中遊禽図”(7/8~27)。これに対し、曽我蕭白の4点は“群仙図屏風”(重文、文化庁、真ん中の画像および05/5/16)、“寒山拾得図屏風”、“鷹図”(香雪美)、下の“唐獅子図”(重文、朝田寺)。

若冲作品の展示は今や注目のイベント。東京では三の丸尚蔵館での“動植綵絵の展示”(06年3月~9月)、“プライスコレクション展”(東博、06年7月)に次ぐビッグな鑑賞機会。数は4点と少ないが、どれもぐっとくるから、若冲だけを見るために来る人が多くいるかもしれない。

お目当ては上の“雪中遊禽図”。雪の情景と鴛鴦を描いたのは手元の画集によると、動植綵絵の“雪中鴛鴦図”(06/8/18)、“雪芦鴛鴦図”(プライスコレクション展に出品された)、松岡美にある“雪中鴛鴦図”の4点。今回、個人がもっているものが出品された。期待通りのいい絵で息を呑んで見た。

三の丸のは水に潜る雌の顔が見えないが、この“雪中遊禽図”ではプライスコレクション同様、水中に顔がみえる。雄が片足立ちしている岩の位置が実にいい。視線がすっと椿や水仙にかこまれた岩と可愛い雄のところにいき、そして上の練乳のような雪の積もった木の枝に止まっている小鳥に誘われる。何羽いる?急いで見ると全部発見できないことを“動植綵絵”で学習したから、じっくりみた。

鴛鴦図同様、200%参っている“旭日鳳凰図”は7/29から登場する。再会が楽しみ!

蕭白は追っかけ作品、“唐獅子図”を横目でチラッと確認して、まず“群仙図屏風”でテンションを上げることにした。ここに描かれた仙人たちの顔を見てすぐ思い浮かぶのは京劇の役者。右隻の右端で、目の覚める赤の衣装をきて青白磁のような色の羽をした鳳凰に笙を聞かせている仙人はまさにそう。

今回あることに気づいた。この仙人の隣りで正面を向いている虎の顔が“なんぼのもんじゃ!”の応挙が描いた“猛虎図”とよく似ている。蕭白も表では応挙を攻撃しているが、真似るところはしっかり真似ている。

真ん中は左隻。右のほうでニヤニヤしている仙人を取り囲んでいる子供たちの唇はやけに真っ赤なので、妖怪の子供みたいな感じがする。七五三のお参りにやってきた女の子の口紅のように、小さな線が口びるからはみ出しているのがおもしろい。

不気味なのは子供だけではない。左端にいる女仙の西王母の隣りで、桃を食べようとしているアルマジロ風の動物にもドキッとする。逆にユーモラスなのが岩の下で、待女に耳掃除をしてもらっている蝦蟇仙人の背中に乗っかっている白い蝦蟇。この絵にはとにかく見所がいっぱいある。

下の“唐獅子図”は回顧展では展示替えのため残念ながら見れなかった作品。縦横2メートルもある大きな絵。このスケール感は図版ではわからない。正面向きの口を閉じた吽形(左)より、横向きで前足を岩にかけて、吼えている阿形(右)のほうがシルエットがはっきりみえるので長くみていた。リカバリーが思いのほか早くできたので、顔が緩みっぱなし。

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