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2008.07.16

コロー 静かなる森のささやき

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人気美術番組の“美の巨人たち”(TV東京)と“新日曜美術館”が2週連続でコローを取り上げてくれたので、コローの画家人生や画法の特徴、秘密がだいぶわかってきた。

どちらもよくできていたが、写真家の藤原新也さんと西洋美で開かれている“コロー展”(6/14~8/31、6/186/19)を企画した高橋明也氏(三菱一号美術館館長)がゲスト出演した先週日曜の“コロー 静かなる森のささやき”のほうが構成が上手で解説もわかり易かった。得心した話をいくつか。

山よりは海のほうが好きで、登山愛好家やハイキングを楽しんでおられる方のように山や草原、森の美しさを肌で感じる経験がきわめて乏しい。だから、この番組をみたからといって信州方面への旅行を増やそうという気持ちはない。でも、コローが描いた森の情景にたいする藤原新也さんの語りがすごく心に沁みたから、奥入瀬のようなところを再訪することがあったら、自然の感じ方が変わるかもしれない。

コローが絵にした森の何気ない風景は“ゆっくり歩いて、ゆっくり見ないととらえられない”と藤原さんは言う。そして、上の代表作“モルトフォンテーヌの思い出”についての写真家らしい感想に目からうろこが落ちる思いがした。

“コローは写真をみて、新しい絵画を生み出そうとしたのではないか。右の木では焦点の当たっているところの後ろはぼやけている。人間の目はこの二つは同時には見えない。だが、レンズは同時にとらえられる。逆光でしかも日が落ちたあとの光がまわる状態だと、木の内面とか気配がでてくる。この気配とか空気をコローは描きたかったのだろう”。初期の写真はレンズの性能がまだ高くなかったから、風景写真は確かにコローの霧にけむるような表現のようにぼやけたやわらかい仕上がりになっている。

高橋氏の話で興味深かったのが2歳年下のドラクロアがコローを高く評価していたこと。ドラクロアは一度、コローのアトリエを訪ね、日記に“コローはスゴイ画家だ!”と書いているそうだ。真ん中はドラクロアが晩年、サン=シュルピス教会のために描いた“ヤコブと天使の闘い”であるが、コローの絵を参考にして森の木を描いている。

ドラクロアの色彩表現に200%魅せられているから、いつかこの絵をみたいと以前から思っていたが、こういう話を聞くと余計に見たくなる。で、次回パリへ行ったら、この絵と1月のオルセーめぐりで見れなかった下のコローの“朝、ニンフの踊り”を必見作品リストの上位にいれておくことにした。

番組では節々にコローの言葉を声優が語る場面があり、コローの自然を愛するやさしい心根にとても感激した。静かなる森のささやきを聞きにまた、上野へ出かけようと思う。

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