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2008.07.30

対決ー巨匠たち日本美術 永徳・蕪村の新発見絵画!

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前期の展示では感動した作品を7組の“対決”スタイルで紹介したが、後期はこれをはずして、別の切り口で並べてみたい。本日取り上げるのはここ2,3年に新たに発見された作品3点。狩野永徳の描いた“松に叭叭鳥・柳に白鷺図屏風”(上の画像、右隻)と“洛外名所遊楽図屏風”(真ん中、右隻)、そして与謝蕪村の“山水図屏風”(下、右隻、MIHO MUSEUM)。

“松に叭叭鳥”と“山水図”は美術史家の辻惟雄氏(MIHO MUSEUM館長)が、“洛外名所遊楽図”は狩野博幸氏(元京博学芸員、現在同志社大教授)が発見した。今年
5/24の朝日新聞の記事で知った“松に叭叭鳥”は目の鋭い黒の叭叭鳥(右)と白鷺(左)が沢山描かれているので、画面に活気がある。とくに惹きつけられるのが右の滝。滝壺に飛び散るしぶきとその下に続く渦巻きが縦に重なったような水流はなにか生き物がうごめているみたい。

また、形よく曲がった太い幹の松と柳を力強く描き、左右に絶妙に配置する構成にも感心する。この屏風はもとは原三渓が所蔵していたが、久しく消息不明だったらしい。どういう経緯でまた姿をあらわしたのかわからないが、タイミングよくこうしたエポック的な大展覧会でお目にかかれるのだから、ラッキーというほかない。

“洛外名所遊楽図”は昨年あった永徳展で対面し、じっくり見た(拙ブログ07/11/10)。真ん中は天龍寺や渡月橋、嵯峨・嵐山が描かれた右隻のほう(部分)。右端が嵯峨の釈迦堂(清涼寺)で中央にみえるのが天龍寺。釈迦堂門前では、男たちが馬から米俵をおろすところや竹馬で遊ぶ子供たち、琵琶法師を追っかける犬がみえる。単眼鏡を使うと渡月橋の近くに描かれたおもしろい一行がよく見える。鷹匠たちが一仕事終えて家路についている。後ろにいる男の仕留めた鳥をさした棒を肩にかついで歩く姿が誇らしげ。

下の“山水図”は5月の“与謝蕪村展”(MIHO MUSEUM、5/6)でみたばかりだから、まだ記憶に新しい。蕪村が描いた銀地の屏風を一度、京博であった“18世紀京都画壇の革新者たち”(06年3月)でみたことがある。今回出ているのと同じ名前で画面構成がよく似ているのでまごついたが、二つは別物だった。また、もう一点、“秋景山水図屏風”というのがあるらしいが、現在行方知れず。

辻氏を驚愕させたこの山水図は蕪村が亡くなる一年前に描かれた。コンディションがいいのに加え、光の当たった銀地は白く輝く感じ。そんな金地とは別の雰囲気が漂う画面に東屋、湖、舟、人物、丸っこい岩や山、家、木々が墨でしっかり描かれている。右から左へ一本の道が続いており、ところどころ人が立話をしたり、てくてく歩いているのが印象深い。俳句の世界をイメージする絵とは趣の異なる蕪村の強い精神性がうかがえる作品である。

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